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からの続き
1850年の南北妥協
1848年に入って間もなく、カリフォルニアにおける金の発見のニュースが全国を駆け巡り、人々が殺到しました。
翌年カリフォルニアの人口は早くも一万人を超え、連邦編入問題が政治課題となりました。
ミズーリ妥協で奴隷州の北限とされた北緯36度30分線は、ちょうどカリフォルニアの中央部を横断していました。
鉱夫たちをはじめ、この地で一旗揚げようとしていた多くの白人たちは、黒人嫌いの人種差別主義者でした。
奴隷であろうと自由黒人であろうと、彼らと労働力市場で競争することには絶対反対でした。
カリフォルニア住民は奴隷制を禁止して、連邦加入を申請しました。 後に南部連合の大統領になる ジェファソン・デイヴィス など多くの南部議員は、分離独立や内戦をも辞さない態度でこれに反対しました。
上院での南北均衡は保たれていたものの、人口比で選出される下院では、ウィルモット条項の通過にみられるように、既に南部の劣勢は明らかでした。
北部の商工業・鉄道の発展は南北の経済格差を拡大しました。 南部が誇る綿花輸出も、その運輸、販売、金融は全て北部資本に支配されていました。
プランターは、南部がいずれ北部の植民地となり、自分たちが西インドのプランターと同じ運命に追い込まれることを恐れました。
他方、北部のウィリアム・シュワードは、一切の妥協に反対し、憲法よりも「高次元の法」、つまり神によって与えられた「自然法」の立場に立って、奴隷制度に対して憲法上の保護を与えることに反対しました。
激論の末、ホイッグ党の長老ヘンリー・クレイと中西部民主党の希望の星スティーブン・ダグラスの妥協工作が成功し、カリフォルニアは自由州として編入されました。
この1850年南北妥協の際、南部への贈り物の一つは、逃亡奴隷法の制定でありました。
この法律によって、北部人の目の前で黒人が逮捕され、逃亡奴隷容疑ゆえに法廷での自己弁護の権利すら与えられず、南部に送られました。 これは衝撃でした。
これまで多くの北部人にとって、隷制は南部の問題でしたが、この法律の施行は。奴隷制廃止」奴隷制廃止運動家に格好の宣伝材料を与えました。 ハーネス・ビーチャー・ストウの『アンクル・トムの小屋』が刊行されたのは、1851年のことでした。
この小説は、その後版を重ね何百万部が発行されることになりますが、映画のなかった当時、盛んに舞台でも演じられました。
北部の各州は、世論の支持を得て人身保護令を出して、この連邦法の施行を妨害しました。 これがまた、南部を刺激することになります。
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PS．
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