外務省の中込正志欧州局長は21日、ロシア外務省で日本を担当する第3アジア局のボロビヨワ局長とモスクワで会談した。ロシアのウクライナ侵略は明確な国際法違反と指摘し、侵略の即時停止を求めた。「日ロ関係は厳しい状況にある」とも伝えた。
欧州局長の訪ロは2022年2月にウクライナ侵略が始まって以降初めて。
プーチン大統領の北朝鮮訪問に触れ、両国が軍事協力を進めていることに懸念と憂慮を伝達した。
滞っている北方四島の元島民による墓参や周辺での日本漁船の操業を早期に再開するよう要求した。
ロシア外務省はプレスリリースで、会談は「日本側の要請」だったと主張した。ロ朝関係の発展への抗議は容認できないと中込氏に伝えた。
ユーラシア大陸で新たな安全保障の枠組みを構築しようとするプーチン氏の構想も説明したという。
日ロ関係は「岸田文雄政権の近視眼的な敵視政策の結果、かつてないほど低いレベルに悪化した」と評した。
日本が21日に閣議了解したロシアの制裁逃れを防ぐ第三国団体への措置も「関係の完全な破壊に向けた次のステップだ」と批判した。
2022年2月、ロシアがウクライナに侵略しました。戦況や世界各国の動きなど、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
日経記事2024.06.22より引用