ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

ふとした素敵な時間

2020-07-25 | 考え方

 

 

このところ、毎日の暗〜いニュースに、つい懐古的になる私は、きっと1970年代にでも戻りたいらしい。世界規模の奇禍が起こるずっと以前に戻れるならば戻りたいらしい。あの頃は学生の身でアパートにテレビやステレオセットを持っていたら、いっぺんにルームメイトたちに尊敬された(まさか)時代だったし、絵文字が今世界中にemojiとしてヒットするとは想像もできず、へのへのもへじのこととしか思えなかったろう。第一E-mailって何?パソコン、って? そんな1970年代はだからと言って、決して暗黒ではなく、今よりもずっと人々は想像的で生産的でさえあったのではなかろうか。

最近と言っても10年から15年くらい経つが、レトロな音楽が現代の歌手によってカバーされるのが流行っている。70年代はバリー・マニロウ、80年代はハリー・コニック・ジュニア、飛んで2000年代から今は、マイケル・ブブレイが、代表的なクルーナーだが、かのロッド・スチュワートもスタンダード・ナンバーのアルバムを出している。ロッド・スチュワートは学生時代ナパ・ヴァレー出身のルームメイトが大好きで、その頃はあの独特のしわがれた声のロックアルバムをしょっちゅう彼女は聞いていたので、いやが応にも私はいくつかの曲を覚えてしまった。彼の前身は、墓掘り人夫だというのも知り、それでも当時(現在も)あれだけの人気を得ていたのは、やはり類まれな才能のなせる技だろう。

その彼のスタンダード・ナンバーの曲は、驚くほどスムーズで聞き惚れるが、ということは私も歳を寄せたものだ。70年代に飛び跳ねていた人も、スタンダードに帰るのだな、という安心感に似た気持ちになったりする。やれやれ。

最近は心が落ち着く、切なさも多少手伝って、歌詞の美しさ、辻褄の合う音楽が耳に心地よい。1943年に書かれた歌”You’ll Never Know"もスチュワートは歌う。この曲は最近様々な歌手が歌っていて、ダイアナ・クロール、マイケル・ブブレイも然り。どれも皆それぞれ心地よいが、ロッド・スチュワートのスタンダードが今の私は気に入っている。

1970年代からシカゴが大好きで、特に”If You Leave Me Now"は当時大学のダンスでよく演奏され、大好きだった。勿論本家本元のピーター・セトラのシカゴがいいが、昨日偶然にシカゴをカバーするロシアのバンドがいるのを発見した。Leonid Vorobyerv & Friends(リオニド・ヴオロビェイルとフレンズ)と言うが画面を見なければ、本物のシカゴの演奏そのままである。この人たちはアメリカ公演を予定していたが、残念ながらウイルス奇禍のため、中止となってしまった。けれども1970年代と違って今はYouTubeがある。私はこのグループの演奏に圧倒された。フレンチ・ホルンも上々な出来で、ピーター・セトラよりもずっと若い歌手(Serge Tiagniryadno)が、歌うが、非常にうまい。

このトンネルから抜け出す日が来るのを信じているが、それでも時折、様々な自粛や制限がこれからのノーム(当たり前)であるのをしみじみ感じると、ちょうどアドレナリンが急激な身体の痛みを和らげるように、適度に懐古的になるのは否めない。でもそれは案外、明日への希望に繋がる。それはモーツァルトのピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K 467 第2楽章でもいいし、スタンダードメドレーでもいいし、懐古調のポピュラー音楽でも良い。とにかく気を休める音楽が一番ではないだろうか。そして自宅勤務や自宅退避で疎遠になりがちなあの人、この人に電話やテキストをしてみるのも、明日の朝をすっきりと起きられることにつながるかもしれない。なぜならば、この奇禍に私たちは皆一緒にいるからである。

 

懐古的になるのが必須の曲#1

 

もっとずっと昔への懐古的をお望みならば、の曲#2

 

 

 

 

 

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