新令和日本史編纂所

従来の俗説になじまれている向きには、このブログに書かれている様々な歴史上の記事を珍しがり、読んで驚かれるだろう。

みずほ銀行の問題点

2021-09-24 15:36:55 | 新日本意外史 古代から現代まで


みずほ銀行の問題点


最近新聞には、みずほ銀行のトラブルを取り上げ、次のような見出しが躍っている。
「みずほ障害多発」「怒りの金融庁直轄」「検査待たず応急処置」「自助能力の欠如露呈」「金融庁の行政処分」
「みずほ銀に改善命令」「金融庁がシステム監視」その他等々。


これは金融庁が、みずほ銀行の基幹システムを事実上の「直轄」とする非常手段に乗り出したからである。障害の連鎖に歯止めがかからず原因も特定できない現状に、
監督官庁の堪忍袋の緒が切れたということだろう。
銀行業務の屋台骨であるシステムの成り立ちを疑問視する声も上がり、今後の成長戦略にも影を落とす。
私は四月にこの問題が起きたとき、以下の記事で指摘したが、一部書き足しての再掲載である。

   ITに遅れた日本の銀行


日経新聞に、「金融、IT競争力が左右」と題する記事が掲載されていた。要約すると、
みずほFG(みずほ銀行)は、一連のシステム障害を受けて、みずほFGがまとめた報告書によると、基幹システムの運用を担う専門の人材を減らしてきたことが明らかになったと紹介している。
金融庁の統計によると、米大手銀行は全従業員に占めるITエンジニアの割合が30%なのに対して、日本は4%に留まり、システムの維持と更新に追われ、中長期的な競争力を生む投資が手薄になっているとしています。
ゴールドマン・サックスは、10年以上前から「投資銀行はテクノロジーカンパニー」と認識し、エンジニアの採用を積極的に行っています。
今では新規採用の約半数はエンジニアで、給与も技術力も高い人材を揃えています。


それに対して、日本の金融機関では、いまだにエンジニアの割合がわずか4%しかいないという、お寒い状態が続いているのである。
日本の銀行は旧態依然とした「行員は営業で貯金を獲得してこい」なのである。


さらに日本の金融機関において、エンジニアの割合以上に大きな問題なのは、システムを提供しているシステムベンダーなのである。
ここで、近頃よく耳にするITソリューション・ベンダについてのおさらいをしておこう。


ITソリューション・ベンダーの意味。


ITとは。
Iはインフォーメーション
Tはテクノロジー
ITとは、インターネットなどの通信とコンピューターを駆使する情報技術の事になる。


ソリューションとは、問題を解決するという意味だが、ITソリューションと言えば、
企業がかかえる課題に対して人員やノウハウ、ソフトウェアなどをさまざまなリソースで解決するのがソリューション。
そのなかでIT技術をつかって解決するものをITソリューションとよびます。ベンダーとは、販売会社のこと。
従ってITソリュション・ベンダーと言えば、


インターネットなどの通信とコンピューターを駆使し、企業がかかえる課題に対して人員やノウハウ、ソフトウェアなどをさまざまなリソースで解決する会社を指す。
蛇足ながら、最近評判のいいSAGAWAのテレビコマーシャルがある。やり手のビジネスウーマンに扮した「戸田恵梨香」が、
「我が社が提案します」と「ロジェステック」という言葉を使うが、「ロジェステック・プロジェクト」と言えば、
物を保管して運ぶだけではなく、物の流れを顧客のニーズに合わせて効率的な形で計画・実行・ 管理することになる。
つまり、「仕入れから出荷までを」を表すサプライチェーンプロセスの一部という意味も含まれている。
現在IT関連の横文字が氾濫しているが、現役のサラリーマンは、自己啓発のためこうした勉強は必須になっているようである。
閑話休題。


こうしたシステム・ベンダーという会社は日本にも多く、以下に上位50社を記してみた。


1. 東芝ソリューション
2. 野村総合研究所
3. 日立情報システムズ
4. 富士通ビジネスシステム
5. 日立ソフトウェアエンジニアリング
6. 新日鉄ソリューションズ(簡易個票)
7. NECソフト(簡易個票)
8. 住商情報システム
9. TIS(簡易個票)
10. 東芝情報機器
11. インテック
12. 三菱電機インフォメーションシステムズ
13. CRCソリューションズ
14. 電通国際情報サービス
15. シーエーシー
16. 日本情報通信
17. シーイーシー
18. 大興電子通信
19. オービック
20. 日本電子計算
21. 富士通アドバンストソリューションズ
22. キヤノンシステムソリューションズ
23. JFEシステムズ
24. 富士通ビー・エス・シー
25. アルゴグラフィックス
26. 内田洋行
27. コベルコシステム
28. ニッセイコム
29. 扶桑電通
30. アルゴ21(簡易個票)
31. 日本コンピューター・システム
32. アイネット
33. キーウェアソリューションズ
34. クオリカ
35. クレオ
36. 日本証券テクノロジー
37. エヌアイデイ
38. ミロク情報サービス
39. パナソニックソリューションテクノロジー
40. アイティフォー
41. アイ・エス・ビー
42. フォーカスシステムズ
43. 東京日産コンピュータシステム(簡易個票)
44. ソフトクリエイト
45. ソルクシーズ
46. インテリジェントウェイブ
47. ビーコンインフォメーションテクノロジー
48. システムリサーチ
49. 大阪電子計算
50. テクノバン


さて、特に、今回問題を起こしたみずほFGの場合、日本IBM(旧富士)、富士通(旧第一勧銀)、日立製作所(旧興銀)、NTTデータという4社のシステムベンダーが担当していて、
こうした事故を起こすのだから、各社が有機的に機能しているとはとても思えない。


合併前の3社(富士・第一勧銀・興銀)時代からシステムを担当していたベンダーがそのまま居残っていて、それぞれの会社が「仕事を失いたくない」という気持ちで争っているのである。
そこにやや中立的なNTTデータが絡んできて、ますます混乱を極めている。


2019年までに約4500億円を投じてMINORI(新勘定系基幹システム)へ全面移行したということですが、その結果として毎週事故を起こしているのだから、レベルが低いというしかない。
(注)図は MINORI開発における品質管理(QMD)体制。HPから転載。

みずほFGに見られる「各ベンダーが絶対に仕事を失いたくない」という問題は非常に深刻である。
システムに対する責任者が曖昧になり、さらにシステムを刷新しようとしてもお互いを牽制しあうため、刷新のスピードが非常に遅くなります。
つまり問題の根源は、システムを提供するシステムベンダー側にあり、「彼らが答えを持っていない」ということです。
この構造が是正されない限り、また同じ問題を繰り返す可能性が高いと思います。


とは言え、1つのベンダーに任せるとなると、血を見る戦いが繰り広げられることが予測されるから厄介である。
みずほFGだけでなく、昨年システム障害を起こした日本取引所も全く同じ問題を抱えているし、地方自治体のシステムについても同様なのである。
各県や市町村がばらばらのベンダーにシステム構築を依頼しているため、ネットワークの互換性がないのが現状。
さらに、前述した銀行と同じく、IT技術者が少なく、自分のところのシステムの故障を直せず、何か不具合が発生すれは全てベンダー任せだから、時間も金もかかる。
自社や、各自治体の中に「情報通信技術」に長けた人材の不足も大きい。
だから、システムやアプリを作ってもらうに際して、ベンダー側に、大まかな構想や設計図を提案できない。
技術力、人材以前の構造的な問題だということを認識し、抜本的な解決に乗り出すことが重要。


即ちベンダーは一社に絞り、みずほ自らの社員の「デジタル能力」を高めることが重要なのである。
さらに「金融庁」は役人の集まりだからIT技術やデジタル能力に長けた集団ではない。「直轄」にしたところで混乱は収まらない。
みずほは、無駄な金はかかるが、新システムの構築をするしかない。「システムの安定稼働に一丸となって取り組む」などと寝ぼけたことは言っていられない。
さて、私事になるが、
この画像は東芝が1993年に発売したノート型パソコンのダイナブックEZ486である。


電源を入れるとご覧の様に立派に立ち上がり、未だ使うことが出来る。
まるで土方弁当箱の様な無骨で重く当時の値段で30万円もした。
ハードディスクはオプション・フロッピー内蔵・記憶領域がなんと2MBのみ。
CPUはインテルのi486SXまだOSはMS-DOS3.1で、Windows95も発表前だった。

勿論今のようなエクセルやワードも未だ出ていない。

でもこれ、ジャストシステム製一太郎初期のVer.3とロータス123というワープロと表計算ソフトがプリインストールされてたいたという当時では画期的な製品でした。
まだマウスも無い時代で、キーボードオンリーでの操作でした。
当時私は21世紀は機械化時代が終わり激しい情報化時代の到来を見越していた。
従ってパソコンの普及が早くなるだろうと予測していち早く購入した訳である。
購入後パソコンの仕組み、パソコン通信、ネットワーク、インターネットの仕組みなど独学で猛勉強したものである。

この後マイクロソフトの様々な資格の習得やシステムアドミニストレーター1級(現在は廃止された)試験も取る事になる。
ゆらい、PC駆使して一意専心30年になる。
さらにこの頃、日本のインターネットの父といわれる、慶應義塾大学の村井純教授の著書を読んで大いに勉強させてもらった。
当然インターネット普及以前で、パソコン通信といっていて、この通信業者はニフテイとPC-VANが主だった。
この後Windows95が発売され、次のパソコンはゲートウエイのデスクトップと、NECのノート型を購入した。
そしてプロバイダーサービスが始まって一挙にインターネット環境が普及し個人もサービスが受けられるようになる。
と、同時に会社を早期退職し「インターネットとデジタル変換業務の総合企画」としてSOHO企画を設立し、クリエイター2人を雇い営業を開始した。当時の業務内容は現在のITソリューションベンダーの走りのようなもので、
以下のようなものだった。

 【業務容】
                        
●企業の情報システムのサポート、支援。
(ピアtoピア・クライアントサーバー)
●ネットワーク利用と運用に精通し、情報リテラシーの高い人材の育成。
●ビジネスモデルの考案と特許申請。
●ホームページの企画・制作
●(Window95.98.ME..XP対応)操作の簡単なソフト制作(販売管理、売上、仕入、在庫管理、見積書、一般用決算書各種申告書、経営 分析ソフトその他各種)
●企業、個人向けパソコン操作の出張指導(インターネット接続、メール設定、周辺機器の設定、ワード98、エクセル97、オフイス2002
表計算、関数、グラフ、ビジュアル文書、マクロ等を実務利用のレベルまで指導)
●葉書、名刺、会員証、ポスター、メニュー、の作成(ラミネート加工)印刷等デジタル変換業務全般。
●その他、各種イベント、セミナーの企画、運営。


この後WindowsはXPが出て、ビスタ、Windows7,8と続き、現在10まで来ている。そして此処三十年のIT技術とスマホの普及発展はまさにドッグイヤーであり、感慨ひとしおである。


  追記


現在どこの会社でもPCを使っての業務は当たり前である。
しかし次のようなトラブルは日常茶飯事で、その都度専門業者に修理依頼をしているところは多い。その間の時間と修理代は無駄で、何より顧客に迷惑が掛かる。
・インターネットがつながらない
・メールを受け取れない
・メールが送れない
・画面のアイコンがおかしい
・パソコンが起動しない・動かない
・突然、パソコンが起動しなくなった
・使用中、勝手に電源が切れて落ちてしまう
・いつもと違う、変な音がして起ち上がらない

こうした現象に直面しても、素早く原因を特定して、システムやキャッシュファイル、ネットワーク、デレクトリーを修復できる人材は貴重である。
近頃、武漢病毒悪性肺炎の影響でリモートワークが盛んだが、これもベンダー任せにせず、自社の人材に構築させるべきである。
こうした人材には月に二万円位の手当てを出しても、トラブルの際、すぐに対応できるため会社は助かる。