うちの猫たちは、
プロフィールを見ればわかる通り
とら以外は拾ったり迷いこんだりしてきた子達なので
正確な誕生日はわからない。
どんな過去があるのか、つまりどんな人に飼われていて
どういう経緯で捨てられた(迷子になった?)のか
なんてことももちろんわからない。
猫達を撫ぜ、猫達のゴロゴロという満足の声や
甘えるような瞳を見ている時
いろいろ猫達の過去を想像してしまうことがある。
想像の手がかりは、猫達の性格や癖。
例えばゆずは、猫には珍しく子供好きだった。
とらやももが子供嫌いで
甥と姪が遊びに来た時に
隠れたり逃げたりしていたのに対し
ゆずは平気で自分から近付いていき
撫ぜてもらってはゴロゴロ喉を鳴らしてた。
土手をお散歩している時も
小さな子供それも女の子を見かけると
やはり自分からトコトコと近付いて行き
撫ぜてもらっては嬉しそうにしていた。
そうしたことから、たぶんゆずは
小さな女の子のいるお家で飼われていたのではないかと思うのだ。
ゆずは家に来た時、ボロボロの赤い首輪をしていて
骨と皮ってくらいに痩せて汚れていたのだけど
去勢はされていなかったから
もしかしたら捨てられたのではなく
恋の季節に遠出をし過ぎて迷子になってしまったのかもしれない。
ただ、独りにされるとギャウンギャウンと泣き叫び
お留守番さえ出来なかったことを考えると
引越しか何かで置いてけぼりにされたのか・・・
なんて想像もしてしまう。
ミニは、生後6ヶ月位の大きさの頃に家の庭に出没するようになった。
すごく懐っこくて、私を見かけると駆け寄ってきて
しゃがむとすぐに膝の上に乗ってゴロゴロ喉を鳴らした。
豹柄の首輪をしていて、特に痩せてもいないし汚れてもいなかったから
どこかの飼い猫が遊びに来ているのだと最初は思ってた。
でも1週間ずっと家の庭にいたから、さすがにおかしいと思って家に入れたのだ。
ご飯をあげると凄い勢いで食べたし、その後外に出しても
すぐに「入れてー!」と帰ってきたから、やはり捨てられたと考えるのが妥当だと思う。
もちろん迷子の可能性も捨てきれないので
保健所にはすぐに連絡したし、近所の動物病院にもポスターを貼らせてもらったし、管轄の警察にも連絡して「遺失物預かり」として登録もしてもらった。
ゆずの時ももちろん同様の手続きはしたけれど
ゆずの場合もミニの場合も飼い主さんは現れなかった。
同じように拾われた猫でも
ミニはゆずと違って何だか坊ちゃん坊ちゃんしたところのある猫だ。
食いしん坊ではあるけれど、他猫のご飯を奪ったりはしない。
(ゆずはよく他の猫のご飯を奪って食べていた

)
ゆずとはがっつき方が違ってた。
これはたぶん、ゆずの方が放浪していた期間、飢えていた期間が長かったからだろうと思う。
ゆずは食べ物にも飢えていたし、愛情にも飢えていた。猫一倍ヤキモチ焼きだった。
ミニはたぶん捨てられてホヤホヤ(?)だったのだと思う。
あまり苦労してないから、食べ物への執着はゆずほどないし
愛情も前飼い主からたっぷり注いでもらっていたように感じる。
まあ、本当に愛してたら捨てたりしないとは思うけど
捨てられるまでの間はとにかくすごく可愛がられていたんじゃないかと思う。
ミニは甘ったれだけど、ゆずのような愛情に対する飢餓感がないし
優しくておっとりしていて
「僕は後でもいいですよ」って譲るということを知っている。
性格といってはそれまでだけど、なんだろう
ゆずとは違って(すまん!ゆず)
育ちの良い猫っていうか満たされて育ったから飢餓感がないって感じなのだ。
ゆずのことを思い出すたびにいつも思うのは
私はちゃんとゆずの飢餓感を満たしてあげられていたのか
ということ。
虹の橋に行ったらゆずに聞いてみようと思う。
ちょっと話がずれてきたので元に戻そう。
ももは、生後3ヶ月くらいの時に拾った猫で
ももの場合「貰って下さい」って紙が箱に貼ってあったから
迷子ではないのは確かだ。
ミニと同じく、捨てられた猫だけど
飢えたり苦労した期間がほとんどないせいか
おっとり優しい性格だ。
でも、お嬢って感じはない。
それはたぶん、とらと比べると躾がされてない猫だったから
そう感じるんだろうと思う。
とらは生後4ヵ月頃雑誌の里親募集で貰いにいった猫で
お母さん猫と飼い主さん一家にしっかり可愛がられ躾けられた猫だった。
だから、テーブルの上に上がってはいけないということも知ってたし
ご飯もがっついて食べないし
人間のモノを欲しがったり盗み食いしてはいけないってことも知っていた。
一方ももは、私がハムサンドを食べようと
ビニールをガサガサさせて開けた途端、ダーーッと駆けてきて私の胸まで上がり
ハムサンドにかぶりついたことがある(笑)!
ももの前飼い主はサンドイッチをあげてたのだろうか?
テーブルの上だってなんだって構わず上がってしまうし
人が食べているものには無茶苦茶興味を示す。
(盗み食いはしないけど)
ま、お嬢ではないけど、性格は良いし愛情に対する飢餓感はないから
猫の飼い方を良く知らない人が飼っていた猫なのかもね・・と想像する。
こんな風にいくら想像しても
真実はわからない。
また意味もない。
でも猫と一緒にまったりくつろいでいると
ふと思ってしまうのだ。
こんなに愛情深く暖かい可愛い生き物を捨てられるのかなぁって。
この子達にはどんな過去があるんだろうって。
どんな過去があるにせよ、こうして家の猫になったのはきっと縁があるからで
縁があるからには元気で長生きして欲しい。
ずっと私のそばにいて欲しい。
家の子になってくれてありがとう。
ずっとずっと離れないでね。(←無茶言いまくり)
雨の日の猫はとことん眠いらしいけど
雨の日の人はとことん感傷的になるようだ。