医療破壊・診療報酬制度・介護保険問題を考える

リハビリ診療報酬改定を考える会を中心とするメンバーのブログ。リハ打ち切り問題や医療破壊等に関する話題が中心。

リスボン宣言のコメントに感謝!

2007-09-29 13:32:59 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
患者の権利を定めたリスボン宣言序文のコメントありがとうございます。

『法律、政府の措置、あるいは他のいかなる行政や慣例であろうとも、患者の権利を否定する場合には、医師はこの権利を保障ないし回復させる適切な手段を講じるべきである。』


医療を提供する者が、患者の視点を持ち続けることなくして、患者は誰を頼れば良いのか?
学会は政治屋が暗躍し、医師免許すら不要の状態。
患者のために必死に訴える者は、ムラ社会の和を乱したと排斥される。
学会は自らの社会的な存在意義を再認識すべきある。
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常に『ぶれない』医療政策を

2007-09-27 03:56:14 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
与党の連立政権合意に高齢者医療費の自己負担増の凍結が盛り込まれたらしいです。

この軌道修正は何?だって、自分達で言い出した政策でしょ?

右手で万引きしておいて、国民に見つかったから、左手で逮捕??みたいな感じですね。

【凍結】というのは『今はしない』ということで、『万引きはいけない』という意思表示ではありませんよね。

一方、民主党は医療問題チームを組織して、高齢者医療負担増凍結に対抗するとのこと。

与党の出方によらず、常に【医療のあるべき姿】の王道を論じていれば、何もこんな茶番に対して「対抗」することもなかろう、と想いますがいかがでしょうか? とりあえず凍結しかなければ賛成したらよろしい、と素人は想います。その上で廃止法案を提出するのでは駄目ですか?

コメント (6)
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整形外科関連3団体とリハビリテーション関連5団体との共同提案

2007-09-26 08:34:01 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
日本リハビリテーション医学会は、公式に日数制限にも反対しました。私たちの運動の成果を前提とした賢明なご判断でした。

その結果、リハビリ学会関係からも道免に「日数制限と診療報酬問題」について講演して欲しいと、依頼が増加しております。昨日も地方会で3回目のご依頼があり、お受けしたところです。

一方で、リハビリテーション医学会幹部からみると、どうも煙たい(?)存在らしく、私としては患者会も交えて学会とも協調的に動きたいのですが、そうとは思えないメッセージが飛び込んで来ています。

このあたりは理解に苦しみますが、患者会や各団体、各政党と良好な関係のもとに進めなければ、国民のための医療は守れないと思います。

福田政権ができた今、いまだに実現していない整形外科関連3団体とリハビリテーション関連5団体との共同提案を患者のために、新政権にぶつけるときだと思うのですが、いかがでしょうか?

次の解散は「医療制限解散」または「国民皆保険解散」になるかもしれません。

臨床医D
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保険会社を第三分野に参入させると日本も『SICKO化』する

2007-09-19 18:54:31 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
日本の保険会社は、映画SICKOに描かれている米国の業界のような悪質な体質ではないので、いわゆる第三分野と呼ばれる医療保険等に参入して、経済が活性化した方が良いと考える人がいるかもしれません。

でもそれはとんでもないことです。

基本的な体質は外資も国内の保険会社も同じです。慈善事業ではなく、私企業ですから、社会的責任よりは、ぎりぎりまで利潤の追求をするのはあたりまえです。

SICKOに出てくる保険会社の支払い拒否の話が、リアリティーをもって迫って来たのは、私自身、患者さんの主治医として、保険会社の対応を知っているからです。

この場合は損害保険会社ですが、交通事故で後遺症が残ったとき、その障害の程度を認定しなければなりません。多くの場合、主治医が認める障害等級を保険会社は認めません。特に高次脳機能障害の場合は、確実に値切ってきます。具体的には裁判で争ってきます。そのときに登場するのが、SICKOにも出て来た「審査医」です。彼らの仕事は、正当に保険金を認めることではなく、ただ一つ、値切ることなのです。しかも、そのような医師による意見書は、患者さんを診察もせずに、カルテ情報のみから、これも認めない、あれも駄目、と支払い拒否の『根拠』を書き連ねているだけです。SICKOでは支払い拒否をしたことで患者を殺すことになった医師が、良心の呵責に耐えかねて議会で証言していましたが、日本ではそのような医師はまだ出てきません。

さきほど、損保会社に聞いたところ、値切った額の大きさによる医師へのボーナス(報奨金)は(少なくともその会社では)ない、と答えていました。しかし、子会社の医者が『中立的』な判断ができるとは思えません。甚だ疑問です。

このようなミラーイメージのようなお話が、日本の損害保険の後遺症認定で現実にありますから、この業界が第三分野に本格参入したときには、とんでもない事態になると思われます。

映画にあった笑い話のような酷い話が日本でも現実になるかもしれません。意識を失って救急車で運ばれたのに、救急車を使うという『事前告知義務』に違反したため保険会社が支払い拒否した、というお話。

そうです。彼らは契約のプロ。そして、利益追求のプロ。現実の医療なんてどうでも良いのです。

国民皆保険は死守しなればなりません。

臨床医D
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姿なき占領

2007-09-19 18:46:57 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
姿なき占領―アメリカの「対日洗脳工作」が完了する日

本山 美彦


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アマゾンカスタマーレビューより:
「私たちの生活の根幹であるはずの「公」の分野が,米国が指令する「構造改革」の名のもとに,カネ儲けをしてもよい「私」の分野に移し替えられる。」
「理念も国益も無視した恣意的な利益誘導を「改革」と呼ぶことなど到底できない。」
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ヒラリー氏「国民皆保険の導入めざす」

2007-09-18 13:05:51 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
ヒラリー氏「国民皆保険の導入めざす」 米国医療制度改革

http://www.asahi.com/international/update/0918/TKY200709180187.html 

http://www.nytimes.com/2007/09/16/us/politics/16clinton.html?ex=1347595200&en=bdc227455d37503a&ei=5088&partner=rssnyt&emc=rss

日本政府が国民皆保険を捨てようとするのはなぜか?
医療保険をビジネスチャンスと狙う業界の意を汲んでいるからです。


ヒラリークリントンの奮闘ぶりは映画シッコでも紹介されています。今週で上映終了の映画館もありますのでお早めにご覧下さい。
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多田富雄作新作能「一石仙人」:京都東寺10月18日

2007-09-17 16:57:55 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
『リハビリ診療報酬改定を考える会』代表の多田富雄先生の新作能「一石仙人」が、10月18日京都東寺で開催されます。

詳細は以下をご覧下さい。(チケットの申し込みもできます。能を観るチャンスはなかなかないと思います。まだ余裕があるようですので、ふるってお申し込み下さい。)

http://www.insla.jp/toji-program.html

なお、この公演は多田富雄先生が代表の<"自然科学"と"リベラル・アーツ"を 統合する会>が主催です。以下、その設立趣意書を引用します。深い意味で、本ブログのテーマとの関連が見えてくると思います。
-----
ますます細分化した科学は、自分の位置さえわからぬまま急速に進んでいる。そこには紛れもない夢と実益が含まれているが、潜在的危険も孕んでいることは今さらいうまでもないだろう。
二十世紀に発した核技術はいまだに制御できないばかりか、ますます脅威を深めながら私たちの前に立ちはだかっている。人間の欲望と結びついた科学技術は地球環境を破壊し、二十一世紀に 最大の人類の問題となって持ち越された。遺伝子操作、生殖工学は、新しい医療技術を提供する可 能性をもたらしたが、一方、一歩間違えれば人類の尊厳を破壊する恐ろしさを持っている。同じく 資本と結びついた科学研究は人間性と乖離し、科学研究費の不公正な配分は科学者の人格を破壊している。
しかし、私たちは科学に大きな希望を託している。科学の進歩はとどめることが出来ない。
科学や技術の進歩に必然的に含まれる光と影は、当事者である科学者だけでは解決できない。「科学の知」は、振り返ることがない故に、大きな進歩を可能にしてきたのである。科学の問題点を解決 出来るのは、「科学の知」と「人文の知」の統合だけである。広い意味での教養、「リベラルアーツの知」 がなければならない。一方、文化や社会の問題を客観的に眺めるためには、「科学の知」を取り込ん だ分析が必須である。したがっていずれの場合でも自然科学とリベラルアーツをアマルガメートした知が必要となろう。現代の問題点は、「より深い」、「より広い」、「より遠い」視野を持った複眼的思考を基にして考えることが必要である。
このような観点から、理系の研究に携わっている者と、文系の仕事に従事している人が、フリーに交流できる場を作り、科学の問題を文学、演劇、音楽等の芸術媒体で表現、理解する試みや、文化、社会の問題を科学の目で解明する試みを支援するために、「自然科学とリベラルアーツを統合する会(Integration of Natural Sciences and Liberal Arts, INSLA)」を発会する。(2007年春 INS代表 多田富雄)

(投稿者 臨床医D)
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SICKOを見ました

2007-09-17 01:30:43 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
ムーア監督のSICKOを見ました。休日の22時スタートのレイトショーにも関わらず、かなりの数の観客がいました。米国医療の悲惨さを米国人の目でしっかりととらえています。映画館の観客は、眼前で繰り広げられる米国の悲惨な医療の姿を、まさか日本政府が目指していることに気づいていたのでしょうか?

日本は国民皆保険であり、理屈の上では青天井の医師の裁量があってもなお、医療費は米国よりも安く済んでいます。医師は市場原理では動いていないからです。米国では、市場原理により、医療を提供することよりも医療を制限することが優先されます。なぜなら、保険会社のこの『商売』の唯一の目的は、医療を提供することではなく、利益を上げることだからです。

しかし、保険会社は莫大な収益が転がり込むような悪辣な手段を使っている(映画参照)ので、結局それに比例するように医療費は高額になります。医師が市場原理の中に組み込まれていることも影響しているのでしょう。と同時に、医療を受けられずに、あるいは打ち切られて(本当に)捨てられる患者は増加します。医療難民が出ても、保険会社は痛くも痒くもないからです。(映画で描かれた、行き先を知らせずにタクシー券を渡して『入院患者を遺棄』する姿には、明日の日本を見るような気がして鳥肌が立ちました。)

国民に平等に医療を提供するなんていう理念は、保険会社にはかけらもありません。保険会社は慈善事業ではありませんから、被保険者を数多く集め、保険料を取り、なおかつ、病気になったときには難癖をつけて保険料を支払わない、というベクトルが働きます。被保険者に対してさえ、保険金支払いを値切る体質がありますから、被保険者以外は、悪化しようが死のうが関知せず、というのが、保険会社の『市場原理』です。

保険会社が許可しない治療を行ってはいけない、というmanaged careは、日本の医療では違和感がありますが、リハビリ日数制限は、米国並みの制限医療へ突入するパンドラの箱を開けた歴史的転換点だと思います。

今のうちにSICKOを是非ご覧下さい。このブログをお読み頂いているメディアや政治家の皆様にとっても必見の映画です。

シッコ公式サイトhttp://sicko.gyao.jp/
私はここで観ました。http://109cinemas.net/

臨床医D
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「勝ち得るものなんだ」 必要な負担をして

2007-09-16 06:33:11 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
イギリスの元国会議員トニー・ベンはマイケル・ムーアに語る(SiCKO)
「国民をコントロールしたいと思っている国家は、教育と健康と自信を与えたくない。将来に対する不安から士気をなくすすようにしている。そうなった人々は投票にも行かなくなるだろう」、「実際に政治的進歩をもたらすのは、自覚した市民の力が結集された時だ」。これを聞いてムーアは、40人学級で理科室もない学校、若いうちから借金を抱えて失業を恐れる若者、知識も無いままの病気への恐怖心、といったアメリカの現状をあげる。

慶応大学の権丈 善一教授(社会保障論:医療)は映画SiCKOの感想として、「医療、介護、保育、教育なども、これらは与えられるものではなく、勝ち得るものなんだ」。
遊水地

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介護保険は破綻する

2007-09-13 16:27:46 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
コムスンの折口会長が介護事業を始めたのは、「業界トップになることで株式の時価総額を上げたかった」という真相がテレビ番組で紹介されていました。

介護は金儲けのための「道具」にすぎなかった、ということ。

だから、けしからん。厳正に対処する。どんどん査定して介護報酬を抑制していく。。。。

ちょっと待って下さい。

逆に考えれば、折口会長のような下心がある人でなければ参入できないような構造的欠陥が介護保険制度にあった、とは考えられませんか?

まともな人が、普通の経営努力をして、利用者も従業員も幸福になるような報酬体系になっていますか?

今、介護事業に熱心に良心的にかかわっている事業者も、疲弊しきっていませんか?
ぎりぎりの経営努力では何ともならないほどの劣悪な労働条件になってしまっていませんか?

これは事業者の責任ではありません。制度の責任です。制度設計に無理があったのではないですか?

民間が参入すれば全てはバラ色みたいなことを言ってませんでしたか?

いつも、ハシゴを無数にかけ、甘い誘いで大量の人を昇らせ、皆が高いところに昇ったら、ハシゴをはずす。厚労省の常套手段です。
官僚による残酷物語です。

でも制度設計のミスの責任は誰が取るのですか? もう担当者は在職中の甘い汁を吸いきって退職しているかもしれません。親族の法人に補助金をばらまいた後かもしれません。

介護保険でのリハビリは無理です。介護報酬を抑制しながら、医療保険のリハビリの分をカバーできるだけの、ハードとソフトの両方を新たに作るコストをかける余裕は、もはや介護保険にはないのではないですか?

仮に短期的にできたとしても、集団訓練で無理して行っている介護保険のリハビリに効果は期待できません。数年後には、今度は「効果のない介護リハビリはボランティア活動にさせる」と言いいだすのではないですか?

恐ろしことです。

臨床医D
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