医療破壊・診療報酬制度・介護保険問題を考える

リハビリ診療報酬改定を考える会を中心とするメンバーのブログ。リハ打ち切り問題や医療破壊等に関する話題が中心。

舛添要一 厚生労働大臣に期待する?

2007-08-30 02:31:53 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
今度の内閣改造で、日経新聞によれば、安部政権の支持率は41%までも上昇した(プラス13%)。これには舛添参院議員を厚生労働大臣に起用したことが大きいと新聞各紙は褒めて(?)いる。舛添氏は安倍批判をしたのに入閣した、これが人気上昇の理由らしい。田原総一郎氏によれば、舛添氏に「なぜ選挙の時から(以前は批判派ではないのに)安倍批判になったのか」と聞いた。舛添氏の返事は明確。「安倍首相の言っている『美しい日本』、『戦後レジームからの脱却』、『憲法改正』を話しても誰も聞かない。これではダメだと思って安倍批判を始めたら皆喜んで聞いてくれた」。 舛添議員は参院選に勝つために安倍政権を批判しただけに過ぎない。実際舛添議員は、憲法改正案の作成者であり、集団的自衛権論者であり、非常に安倍首相に考え方は近い。さすがは国際政治学者として、マキャベリズムからの安倍政権批判だった。舛添厚労大臣は安部批判派ではない。

舛添大臣は、「実母の介護経験から政治家となるのをライフワークとすることにした」と著書やあちこちでも述べているが、政治家として実際に、具体的に動いたことは殆ど聞かない。むしろ、ライフワークは止めて得意の国際政治の分野で動き、「憲法改正」に長い間取り組んできた。私も10年前、脳梗塞で倒れた実母の治療、介護を病院にお願いしたが、知合いも多く、その病院は約一年間実に丁寧に診療、介護もしてくれた。私と弟は毎週一回東京から栃木県のその病院に通った。でも今、その病院の現状は大変らしい。医師・看護師・セラピスト不足、採算悪化で診療がおぼつかなくなり、廃院に追い込まれそうである。10年前とは医療・介護の状況は異なる。舛添大臣は、何にでも「良く分かっています」と言うのが得意ですが、「良く分かっている人」は「良く」など到底言えないのが現状ではないでしょうか。
ポリオの会 会員
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回復期リハビリ病棟の成果方式

2007-08-24 00:28:41 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
回復期リハビリ病棟の成果方式が取りざたされていますが、制度設計を誤ると、再度のとんでもない患者切り捨ての政策になってしまいます。

リハビリ打ち切り制度に引き続き、右往左往した診療科名の整理の問題などでも、厚労省はその政策立案能力の低下を露呈してしまいました。

慎重には慎重を期し、(一見)批判的な人の意見も取り入れなければ、リハビリ打ち切り問題と同じ結果が待っています。

今の案のままでは、

1)重度患者で、介助量を減らすことにより何とか自宅復帰できる例
2)軽度だが、発症から間もないために仕上げのリハビリをしなければ退院できない例
3)合併症が多い例
4)重複障害例
5)ほとんどすべての頚髄損傷、四肢麻痺
6)両側障害例、失調症例などADL改善の予測が困難な例

などの非常に多くの患者さんから、結果的にリハビリ医療を奪うことになるでしょう。なぜなら、成果方式の名を借りて、点取り虫にならなければ病院の経営が成り立たないような診療報酬制度を立案するに決まっているからです。そういう役所です。

要するに、そのような制度の中で生き残るためには、優良な病院も悪徳の病院も、同じように点取り虫となり、【制度に沿った】症例を集めることになるでしょう。【制度に沿った例】というのは、今現在で言えば、特定の病院の【好き勝手な回復モデルに合致した例】や【好みの例】ということであり、それを国にコンファームさせるような圧力をかけている人達がいるようです。

現場の声を聞く、と言って、特定の偏った病院の意見だけを厚労省が取り入れて制度に反映させることは、違法ではないにしてもインサイダー病院経営を助長し、患者の方よりもお上の方を見る病院を優遇する政策と言えます。これも厚労省が狙っていることです。

こうやって、徐々に、医療は生き残り戦争の中でマネーゲームの中に取り込まれて行きます。明日からムーア監督の映画「シッコ」が公開されますが、日本国の医療をハゲタカ外資の餌食にする流れが、もう始まっています。

そして、リハビリテーション医療は、【QOLの医療】を否定することで自壊し、【ADL自立強制科】に成り下がってしまうでしょう。これは最悪のシナリオです。今、それが始まっています。

少なくとも『回復期リハビリ病棟の成果方式』の中に、そのような見え透いた台本を挿入することだけはお止め下さい。

臨床医D
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リハビリ再改定で『悪影響』加速

2007-08-23 05:11:18 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
リハビリ再改定で『悪影響』加速

https://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=11412(キャリアブレイン記事)

患者団体や医療機関の批判が相次ぎ、国は今年3月に「再改定」し、日数制限の一部を緩和するとともにリハビリ料の逓減制を盛り込んだ。この1年の間に制度は「改定」から「再改定」をたどったが、医療現場には『悪影響』が加速した形になっており、リハビリ医療をめぐる国の姿勢が問われている。

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後期高齢者医療制度は『姨捨保険制度』

2007-08-22 08:22:58 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
もはやこの国の厚生行政は、医療を守る仕事を放棄したとしか思えません.まさに、後期高齢者医療制度は『姨捨保険制度』と呼ぶべき酷い制度です。(以下はドクターKさんのわかりやすい解説です。)
リハビリ患者切り捨て問題以外にも目を光らせましょう。
http://secondlife.yahoo.co.jp/search.html?cp=%B8%E5%B4%FC%B9%E2%CE%F0%BC%D4%B0%E5%CE%C5%C0%A9%C5%D9%A4%CE%CC%E4%C2%EA%C5%C0&genre=all&cmd=%B8%A1%BA%F7

厚生労働省からの意見募集が出ております。締め切りは8月28日です。(以下をコピーペースとしてアクセスして下さい。)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=495070088

臨床医D
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『寡黙なる巨人』多田 富雄

2007-08-21 20:55:16 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
寡黙なる巨人
多田 富雄
集英社

このアイテムの詳細を見る

『リハビリ診療報酬改定を考える会』代表の多田富雄さんの最新刊です。
今もご自身の病気と闘い、厚労省にも睨みをきかせながら、この大作を書き上げたエネルギーに脱帽します。
とりいそぎ、ご紹介致します。

臨床医D
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本日の朝日新聞文化欄

2007-08-21 20:46:01 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
本日21日火曜日の朝日新聞文化欄をご覧下さい。大江健三郎さんが書いた記事『定義集』の中に、多田富雄さんの『寡黙なる巨人』(集英社)の書評が載っています。
また、隣の生活欄に『医療の市場主義に警告 マイケルムーア監督の新作映画「シッコ」』という記事がありますので、合わせてご覧下さい。
さらに、『介護職員4割「賃金不満」 離職率高く、疲弊浮き彫りに』という記事もあり、厚労省による日本の医療破壊と介護保険移行措置の欺瞞についても、見開きでわかる紙面構成になっています。

臨床医D
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国民皆保険: 窓口負担ゼロは当然

2007-08-17 02:28:01 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
国民皆保険をうたいながら、医療費の3割を負担することがそもそもおかしいわけです。欧州の先進国では、英国も含めどこも窓口負担はゼロです。カナダもゼロです。(市民の福祉への負担が高くなると消費が低下し経済成長が落ちると御用エコノミストは言いますが、将来の心配が少なくなると大型の消費が伸びるのが普通です。現に欧州は日本より高成長しています)。国民皆保険は現物支給なのですから、特別な場合以外はゼロ負担であり、1984年以前までは世帯主はゼロ負担だったはずです。この件では、「ゼロの会」が窓口負担ゼロを目指して活動しています。(以下キャリヤブレインのサイトより)

医療費の高い窓口負担を解消して国民が必要な医療を受けられるようにする「医療費の窓口負担『ゼロの会』」の賛同者(団体)が全国的な広がりを見せている。ゼロの会は今年1月、神奈川県保険医協会が呼び掛け団体となって発足した。半年あまりで著名人を含めた賛同者が3,000人に達するとともに、患者団体などの賛同も42団体に増加。ゼロの会は「窓口負担の『解消』を目指し、多くの皆さんの賛同を得て大きな世論をつくっていきたい」と話している。

https://www.cabrain.net/news/article.do;jsessionid=36A4B831AD53EE1577EC39268907D8AD?newsId=11342
http://www.iiiryou.com/zero/

遊水地
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参院から、リハビリ日数制限撤廃法案の提出

2007-08-05 10:13:43 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
法案提出に関しましては、現在全く知識がなく、これから急遽勉強しますが、チャンス到来ではないでしょうか?
それは、「参議院から、リハビリテーション日数制限撤廃の法案を提出する」という方策です。もしも可能であれば、実に大変なことになるのではと思われます。議場で、この法案にまともに反対できる議員はかなり勇気が必要になります。既に、野党の議員は賛成してくれることは分かっています。皆さん、できるかどうか分かりませんが、ぜひ考えて見ましょう。

ポリオの会、一会員
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リハビリ電話相談

2007-08-01 12:00:34 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
先日、2007年4月のリハビリ再改定に関するアンケート結果についてご報告しましたが、続いて患者さん、家族さん向けの「リハビリ電話相談」を7月15日、当会で行いました。患者さんたちの生の声を聞こうというものです。

 参加したのは、リハビリ担当医師2名、京都府内の理学療法士2名、当会の事務局、言語聴覚士の合計6名でした。

 寄せられた相談は、全部で8件。「リハビリ電話相談」を実施することが、読売新聞、毎日新聞、京都新聞で事前に掲載されました。

 「通所リハビリではしっかりとリハビリをしてもらえない」「まもなく限度日数を迎え、介護保険リハビリへの転換を考えているが選択肢がない」といった介護保険リハビリでの内容や未整備な状況に対する不満や問題点、「発症から相当な期間が経過しているが必要に応じてリハビリを受けたい」といった制限日数に対する要望も寄せられていました。

 中には「人工骨頭の手術後、リハビリは継続できているが、窓口負担が高くなり過ぎて負担金が支払えず回数を制限せざるを得ない」といった内容もあり、窓口一部負担割合の増大が、リハビリの分野においても、受診抑制につながっている実態が伺えました。

 さらに「病院でのリハビリを受けていたが、2006年3月、限度日数を理由に一旦リハビリを打ち切られた。今思えば9月まで継続できるはずであった。通所リハビリを受け始めたが、病院との連携がうまくいっていなかったのか、思うようなリハビリを提供してもらえなかった。2007年4月の再改定で病院でのリハビリを再開できることになったが、実施回数を制限されたり、介護保険リハビリとの併用ができなくなったりして困っている。リハビリ制度の改定によって振り回されている気がする。またいつ制度が変わってリハビリを打ち切られるか不安」といった、まさにリハビリに対する厚労省の施策に振り回され、治療に専念するよりも、リハビリ継続の可否を心配しなければならないという、切実な訴えも寄せられていました。

 電話相談で寄せられた内容は、「リハビリ再改定に関する緊急アンケート」との結果と同様、再改定が患者さんの救済にはなっていないという現実を、さらに印象付ける内容となっていました。

投稿者:京都府保険医協会
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