医療破壊・診療報酬制度・介護保険問題を考える

リハビリ診療報酬改定を考える会を中心とするメンバーのブログ。リハ打ち切り問題や医療破壊等に関する話題が中心。

落選された自民党元議員の皆様へ

2009-09-24 17:58:35 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
落選された自民党元議員の皆様へ

リハビリ日数制限問題に関わるようになって、自民党の代議士の先生方の「偉さ」が身にしみてわかるようになりました。

06年6月に44万人の署名を厚労省に届けるに際に、署名提出には「紹介議員」が必要、しかも、野党では駄目で自民党の実力者でないといけないことを初めて知りました。しっかりとした紹介議員からの連絡があれば、官僚は丁重に扱うが、そうでない場合は、何百万人の署名であっても、最悪「たなざらし」にされる、と詳しい人から忠告されました。

あのときは、多田富雄先生の直談判により、最終的に丹羽雄哉元厚生大臣が紹介議員になって下さいました。その効果があってか、署名を届ける前日にも、厚労省担当者から電話を頂き、お互いに紳士的に、という打ち合わせができました。

07年3月に、民主党の鈴木寛議員、社民党の阿部知子議員、共産党の小池晃議員を招いて開催した市民シンポジウムでは、当時の中川秀直幹事長から御祝辞を賜り、その直後に「日数制限の緩和」が発表されました。あのときは本当に驚きました。

かくも強大な神通力をもった自民党が、なぜこんなにも惨敗したのか、と不思議に思います。

リハビリ打ち切り制度撤廃運動という活動の中で、政治家の皆様と関わった経験から1点だけ、思い当たることがあります。

44万人署名を提出後、次第にメディアでもリハビリ打ち切り問題が取り上げられるようになりました。最初は、ニュースや特集などでしたが、「たけしのTVタックル」や「たかじんのそこまで言って委員会」でも取り上げられました。テレビ慣れした有名な与野党の議員さんが、言いたいことを言う番組です。

そのときの強烈な「違和感」です。

これまでにおそらくこの問題について考えたこともない自民党議員さんが、官僚が言う内容をそっくりそのままテレビで発言するのです。よくわからないことは、「わからない」というべきですが、そこは政治家なので、官僚のレクチャーの通りにしゃべってしまうのでしょう。政治家としては職責を果たしたとしても、人間として、聞いていて気味が悪くなりました。

普通の法案ならわかります。委員会の委員でなくても、国会議員であれば議決に関わっているわけですから、その責任上、与党としての反論を繰り返すしかないと思います。しかし、診療報酬は違うのです。中医協が大臣に答申して告示されるまで、どの段階でも国会議員は全く関与しません。誰も、議決に参加していないし、国会で議論したこともなかったはず。(署名活動のとき、署名しながら「いったいいつ国会でこんな法案が通ったのですか?」と沢山の人から質問されました。)

ですから、私達が自民党の議員さんに期待していた言葉は、「日数で打ち切るなんて非人間的。私達与党の国会議員も知らないところで、いったい誰がこんな制度を作ったの? こんなにひどい制度を官僚が勝手に作るなんてけしからん。それを言えない立場だとしても、国会を通さない診療報酬の決め方も問題。」というもの。

もちろん、「自民党=政権与党=政府」なので、わかります。わかります。そんなことを言えないことは。

でも、その結果が落選では、あんまりではないでしょうか? 心から同情致します。

官僚が勝手に制度をいじる、欠陥だらけの制度を作る→それは国=政府=政権与党の責任→だから官僚の言う通りにテレビで反論する→よく知らないまま弁論で勝とうとさらに頑張ってしまう→リハビリ難民などのニュースで誤った制度だと明らかになる→官僚が勝手に作ったわけではなく、やっぱり政権与党の責任なんだ、と国民が思う→逆風→落選

私達の知っているリハビリの世界だけでもこうなのですから、世の中のあらゆる分野で、官僚が勝手に作ったことを自民党が擁護してきたのでしょう。その歪が出ています。

もしかすると官僚の制度設計能力が劣化して、明らかに誤った制度を作ってしまい、それを自民党が後追いしてきたことが、今回の結果をもたらしたのかもしれません。

民主党=脱官僚依存、自民党=官僚依存、という対立図式では、この先、何十年も政権奪回は無理でしょう。脱官僚依存=政党・政治家(自民党も民主党も他の党も)、という大前提の上で、民主党=○○、自民党=●●、という図式にならないといけないと思います。

政策で競う、というのはそういうことではないでしょうか?超長期にわたり、官僚に依存してきたツケが回ってきたのでしょう。

官僚は、あくまでも政治家の手足であって意思決定者ではない、という前提で、建設的な政策論争をして下さい。その上で、国民の審判を仰ぐ、そういう時代になって欲しいものです。そうなってはじめて、国民の「1票」に意味が生まれます。

総裁選でも「脱官僚依存」という候補者がいても良いと思います。自民党が与党の政策をチェックできる健全な脱官僚依存政党に成長することを国民は待ち望んでいます。

                リハビリ診療報酬改定を考える会
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

民主党新人議員の皆様へ

2009-09-23 02:02:04 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
民主党新人議員の皆様へ

2つ前の記事(民主党・鈴木寛参院議員のコメント)に、もう一つの重要なポイントがあります。医療介護問題に限らず、すべての問題に当てはまることです。

それは、新人議員が医師会のロビーを受けることで、自民党の"厚生労働族議員"の二の舞を演じることになる危惧があるという指摘です。右も左もわからぬまま、今までの経験と周囲から飛び込んで来る情報だけで判断する危険性には十分に注意して欲しいと思います。

鈴木議員の言うような「ロビー活動」に、私達を含めて多くの現場は慣れていません。時間もありません。できるだけ、発信すべく努力はしますが、皆様方にとってはノイズ程度の音にしか聞こえないでしょう。むしろ、皆様と利害が共通した「関係諸団体」の声が、何万倍にも聞こえているはずです。議員になって1週目の今、すでにそんな状況ではないでしょうか?

しかし、それは「国民」の声ではありません。鳩山首相が会見で常に「国民のみなさま」と呼びかけることと同様に、新人議員の皆様は、現場に出向いて国民の声を集める努力をしなければなりません。そして、もしも族議員になるのだとしたら、国民族あるいは弱者族になって下さい。旧来の上から目線の政治ではなく、国民の目線から政治を行うことが、民主党の理念ではなかったでしょうか?

小さな声、組織立っていない声、必死の声、現場の声、にこそ感受性を研ぎすまして欲しいのです。弱者の声は、容易にかき消されるからです。聞こえなかったら、聞こえるまで待つのではなく、自ら現場に来て、「意見をお聞かせ頂きたい」と頼んで欲しいのです。ロビー活動できない普通の人々の声を、本当に民主党が吸収できるか、積極的に吸収する努力をするかどうかに、日本の未来がかかっています。

それができなかった場合、今回の新人議員の皆様は、4年後には泡沫議員となっていることでしょう。皆様が4年で政治生命を失うことよりも、国民からのルートを最も重視する政治が崩壊し,官僚支配政治に逆戻りすることの結果の方が悲惨です。また、社会的に高い見識であるはずの団体が、官僚様に土下座をしてお願いする時代に戻るからです。

これから4年間、地に足がついた活動を行い、汗まみれになって国民の声を吸収する努力を通して、新しい日本を創造して下さい。

                        リハビリ診療報酬改定を考える会
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

弱者切り捨て三点セットの廃止を!

2009-09-22 14:44:47 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
弱者切り捨て三点セットの廃止を!

1.リハビリ打ち切り制度
2.障害者自立支援法
3.後期高齢者医療制度


これら3つの悪法は、小泉改革によってもたらされた、弱者切り捨て三点セットです。

長妻厚生労働大臣は、2つについては、すでに廃止を宣言していますが、リハビリ打ち切り制度については、まだ発言がありません。

回復する機会を奪い、回復の望みを断ち切るという意味で、リハビリ打ち切り制度がもたらす弊害は、極めて広範囲にわたります。「リハビリ難民」は、全く減っていないどころか、増え続けています。しかも、当事者も医療者も、その人が「リハビリ難民」であることに気づかない「環境汚染」のような制度です。

煙幕のような緩和策のために、リハビリ日数制限はなくなった、と勘違いしている国民や政治家も多いようですが、打ち切り制度は厳然と存在しています

今一度、この公害のような制度の撤廃について、議論を盛り上げる必要があります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国民・当事者・現場の声をストレートに議員に伝える

2009-09-22 11:44:14 | リハビリ打ち切り/医療破壊問題
「臨床医は新人議員にメールを送って」
―民主党・鈴木寛参院議員(2009年9月 1日 ロハスメディカルニュースより抜粋)
http://lohasmedical.jp/news/2009/09/01024647.php

--------------------------------------------------------
 民主党の鈴木寛参院議員(医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟幹事長)は、「臨床医は『命に直結する一番大事な医療現場からお願いします』と言って、新人議員に現場について勉強してもらうよう、メールを送りまくってほしい」と求めた。臨床医は、『命に直結する一番大事な医療現場からお願いします』と言って、新人議員にレクをしてほしい。」と述べた。

 ロビー活動には、「組織化・スピード・繰り返し」が重要として、「臨床医がロビー戦争に勝てるかということ。これは民主党がどう、とかの問題ではなく、医療者が医療現場の問題を定期的に発信できるかということ」と主張。これまで自治体病院長や大学病院長などは議員にメールを送るなどして情報発信する習慣はなかったとした上で、「頭を切り替えてもらって一斉に説明に回ってほしい。医学部長会議や病院長会議は必ず国会前後に"根回し合戦"をし、ロビー活動をするクセをつけてほしい」と要望した。
--------------------------------------------------------


まさにその通りだと思います。

これまで、個々の医療介護制度に、現場からの声を届ける(効果的な)方策がありませんでした。

最も効果があったのは、しかるべき団体から官僚に『お願いする』こと。あるいは、ごく少数の『実力者』は、官僚との人脈によって、一部の意見を反映させてきました。その結果、官僚はどんどん鼻高々になって、権力を欲しいままにし、諸団体は官僚のご機嫌を損ねないように必死でゴマをすり、一方で、人脈屋さんが横行するわけです。

しかし、そんな時代はもう終わりました。

すべての国民、患者、障害当事者、家族、医療関係者、介護関係者等々が、直接、政治家に訴えるのです。官僚支配のシステムでは、何を言っても通りませんでしたが、これからは政治主導で政策に生かされる時代だと期待しています。

もちろん、正しい声が伝わらなければ、民主党の政策もミスリードされてしまうでしょう。例えば、『リハビリ包括化』の考えは、現場の意見を聞いていない段階で入ってしまったとしか思えません。

主だった議員だけでなく、皆様の地元の議員(与党であっても野党であっても)に直接声を届けましょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする