☆どのみちこの道!☆

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日常+本や映画の感想を思うままに綴っています。

楽園 (上・下)・・・・・宮部 みゆき

2007年08月23日 | 
あらすじ

「模倣犯」から9年。
その事件に大きく関り、世間をにぎわせたルポライター前畑滋子は深く傷つき、現在は広告系フリーペーパーのライターをしていた。
そこへ萩谷敏子という女性が、「亡くなった息子の等に不思議な力があったかもしれないので真偽を確かめたい」と調査依頼が。
気乗りしなかった滋子だが、等の描いた稚拙な絵には、9年前の事件現場である「山荘」と当事者しか知りえない物証が描かれており、愕然とする。そして更に等のノートには、両親に殺され、自宅の床下で16年間眠り続けた少女、土井崎茜とその自宅が、事件発覚前にすでに描かれていた。

何故、等は土井崎事件を描く事ができたのか、何故、茜は両親に殺されなければならなかったのか・・・・親と子をめぐる謎に満ちた物語が幕を開ける。



感 想

宮部みゆきファンで、いつも出版を心待ちにしているのですが、上巻を購入してからしばらく放置していました。「模倣犯」みたいな感じかなと思うと、ちょっと心構えがいりまして。映画化もされ、人気の前作ですが、あまりに犯人が極悪なのと、前畑滋子に魅力も感じられなかったので。
ノロノロと上巻を読み進みましたが、読み始めると加速がつくのが宮部みゆき!
下巻はほぼ徹夜で読むことになりました(ああ、またクマがぁぁ・・・

いつもに増して、登場人物の心情と身の上が細かく描かれており、ただのオバサン依頼者に思えた敏子や、迷いながらもこの事件を調べる滋子に気持ちがのっかります。
そして、事件の謎、「残酷で理不尽だけどどうしようもない事」が滋子によって明かされていくのですが、どうしても今の世の中とダブり、悲しく、憤り、疲れます。そんな中、敏子の存在に癒されました

あとがきには著者が、「姉が殺されて床下に眠っている」という夢を見たのが発端で出来上がった物語だとありました。そこからこんな小説になるとは、改めて宮部みゆきって凄い人だと思いました。
でも、次は時代ものでお願いしたいかなぁ~~~