新型コロナワクチンの4回目接種は、60歳以上の人、18歳以上の基礎疾患がある人のほか、医療従事者や高齢者施設等の従事者らが対象となっている。

新藤氏は、4回目接種について「打ちたい人に枠を広げていくのは必要だ」と述べ、対象年齢の引き下げを目指す考えを明らかにした。

オミクロン株対応のワクチンが今秋以降に追加接種に導入される方向となったことを踏まえ、新藤氏は現状「5カ月以上」を前提としている接種間隔を見直す可能性にも言及した。

大阪府の吉村洋文知事も、4回目接種の対象拡大に同調。「(現行の)ワクチンは余る。廃棄の問題も出てくる。(4回目接種の対象を)60歳から少しずつ下げていく方針を国が示せば、あすからできる」と述べた。同時に、感染拡大の波と接種間隔がずれていると指摘し、「高齢者に対しては(接種間隔の)5カ月枠を取るべきだ」と主張した。

日本感染症学会専門医の寺嶋毅氏(東京歯科大学市川総合病院教授)は、現在の感染状況をみると、オミクロン株対応ワクチンの今秋以降の導入を待たずに現行ワクチンの4回目接種を受けたほうがいいとの認識を示した。4回目接種の対象拡大については、「希望者には接種の機会を設けてもいい」とした上で、「接種の上乗せ効果について、感染予防効果はプラス50%、期間は10カ月ぐらいだときちんと伝えた上で『打てますよ』というのは必要」と話した。

以下、番組での主なやりとり。


梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):
厚労省は、ファイザー社とモデルナ社が開発中のオミクロン株対応ワクチンを使って秋以降に追加接種を準備する方針を固めた。このワクチンは、オミクロン株を含むすべての新型コロナウイルスに対して高いレベルの重症化予防効果を持つとされる。

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):
4回目接種について、政府は対象を医療従事者や高齢者施設の従事者にも広げた。オミクロン株対応ワクチンが今秋以降出てくるなら、接種間隔を考える必要がある。オミクロン株対応ワクチンを待った方がいいのか、4回目接種を受けられる人は受けた方がいいのか。

寺嶋毅氏(東京歯科大学市川総合病院教授、日本感染症学会専門医):
今の感染状況を見ると4回目接種を受けられる人は受けたほうがいい。ただし、4回目接種は上乗せ効果とその有効期間、特に感染予防効果の期間はある程度限定される。そういう意味ではオミクロン株対応ワクチンが出た場合には、やはり高齢者、基礎疾患のある人、医療従事者などに順次接種していくのがいい。接種間隔で言えば、現在の3回目接種、4回目接種からちょうど4カ月から5カ月経った頃に、新ワクチンがある程度供給されていることが望ましい。

松山キャスター:
新藤さんは、オミクロン株対応ワクチンに期待しているか。

新藤義孝氏(自民党政調会長代理、党新型コロナ対策本部長代理):
今これだけ感染が拡大しているから、4回目のワクチンを打てる人は打った方がいい。問題は、59歳以下の人たちで4回目のワクチンを打ちたいと思っているのに打てない人がたくさんいること。そういう人たちに道を開く工夫を党の中で言っていこうと思っている。

梅津キャスター:
具体的には対象年齢の引き下げなどを検討していくということか。

新藤氏:
そうだ。4回目を打ったあと、接種間隔は5カ月を前提にしているが、3カ月で追加接種できる国もある。4回目接種を受けたあと、接種間隔変更の可能性はある。秋以降と言ってもいつになるかわからないのだから、心配だなと思ったら、まず打てる人は4回目を打ったほうがいい。

松山キャスター:
4回目接種について各国では年齢引き下げの動きがある。接種対象を拡大すべきか。

吉村洋文氏(大阪府知事):
今の対応の話をするのであれば、(接種間隔の)5カ月枠をはずすべきだ。その上で高齢者施設の従事者や非常にリスクの高い人にどんどん打っていくということをやったほうがいい。この5カ月枠があって、今の感染拡大の波とちょっとずれてしまっている。波が少し早めに来ている。特に高齢者に対しては5か月枠を取るべきではないか。この先の対応の話をすれば、確かに今ワクチンは余っている状態だ。4回目接種の対象年齢を下げ、希望する人に接種することも大切だ。

松山キャスター:
4回目接種の対象年齢を下げることは現実的に可能か。

寺嶋氏:
希望者には接種の機会を設けてもいいと思うが、効果がどのくらいあるのかはきちんと知らせる必要がある。4回目の上乗せの効果は、感染予防効果がプラス50%、その期間は10週間程度。それをきちんと伝えた上で、打てますよ、というのは必要だ。

新藤氏:
そこは大事だ。対象は基礎疾患のある人というが、基礎疾患が何かの定義はない。22日に茨城県知事がとてもおもしろいことを呼びかけた。運動不足の人や喫煙者だとか、重症化リスクが心配な人は医師に相談してみたらどうか、と。誰でも病気になる可能性はあるわけだから、工夫をしたらいいのではないか、と。全員一斉にというわけにはいかない。60歳なら打てるのに59歳は打てない。打ちたい希望がある人には任意で打つ枠を広げていくのは必要だ。

橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事、元大阪市長):
大阪では若者がワクチンを打たないということで、その分余っていると思う。これを例えば、4回目接種の対象を「50歳以上」に広げることは国のルールが出れば可能なのか。

吉村知事:
可能だし、それはすごくありがたいことだ。僕もそれをやるべきだと思っている。打ちたくて打てない人はいて、我慢している人もたくさんいる。

橋下氏:
いま年齢で縛られているからできないだけで、ワクチンもあるし、あとはルールが変われば対応できるということか。僕は4回目を打ちたい方なのだが。

吉村知事:
そうだ。それはできる。基礎疾患の定義はあるが、その中で「医師が認めた者」はOKになっている。医師が認めるのは非常に幅が広いから、だから医師に相談してという考え方はある。ワクチンは余る。ワクチン廃棄の問題も出てくる。60代から少しずつ対象年齢を下げていくという大方針を国が示してくれれば、あすからできる。

梅津キャスター:
ここまで新藤さん、吉村さん、寺嶋さんにご出演いただいた。ありがとうございました。

 

 

吉村知事 コロナ濃厚接触者待機期間は「いろいろなルールをつくって感染対策をやった上で廃止すべき」

[ 2022年7月24日 16:24 ]スポニチ

大阪府の吉村洋文知事
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 大阪府の吉村洋文知事が24日、フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」(日曜前7・30)にリモート出演。新型コロナウイルスの流行「第7波」の急拡大を受け、政府は22日、感染者の濃厚接触者の待機期間を、7日間から5日間に短縮することを盛り込んだ追加対策を発表したことに言及した。

 抗原検査で2回続けて陰性を確認できた場合は陽性者との接触から3日目に解除する。国内では23日には、新規感染者が20万人を超え、4日連続で過去最多を更新している。感染拡大が続く中での短縮に専門家から異論も出ているが、欠勤を余儀なくされる濃厚接触者が増え、社会経済活動を維持できなくなる恐れが出てきたため見直しとなった。

 吉村氏は、濃厚接触者の待機期間について「廃止可能だと考えてますし、廃止すべきだと思っています。ただこれはもちろん濃厚接触者の制度そのものをなくすのではなくて、濃厚接触者の制度はきちんと残したうえで、自宅で隔離するというのは、僕はそれはちょっと違うだろうと思っています。というのも社会機能を維持していくということを考えた時にさまざまなインフラの場面において、自宅にすべて隔離していくということになると、なかなかこれは維持できなくなってきます、感染が広がってくると。今ももうそうです」と指摘。

そして、「医療機関においても今、実は医療需要が物凄く増えていますが、逆に医療従事者の方が陽性者になったり、あるいは濃厚接触者になって、そこで仕事ができないという現象が生じています。つまり医療需要が増えているのに、逆に医療で働く人の数が減っていくと。いわばワニの口が開くような形になっています」と説明した。

 そのうえで「これは医療の現場だけでなく、ほかの重要な社会機能でも同じようなことになっていますので、僕はこの待機期間を廃止すべきだと思っています」と持論を展開し、「もちろん米国など各国でやっているようにワクチンで分けるとか、さまざまな対策を取るべきだと思ってますし、濃厚接触者の方は、自分が濃厚接触者だということは分かってますので、その期間はマスクをちゃんと着けてもらうとか、あるいは仕事以外の最低限の外出は控えるだとか、いろいろなルールをつくって感染対策をやった上で、ただ自宅でずっと待機しとくんだということをやると、社会機能、さまざまなインフラ機能を含めて持たなくなってくる。だから僕は廃止すべきだと思っています」とし、

「この点については僕だけの考え方ではなくて、大阪府の専門家会議を開いて、さまざまな皆さんの意見を聞いたうえでも、これは感染対策は取ったうえで、自宅に完全隔離するのはやめるべきじゃないかというのが基本的な考え方です。そういう趣旨ですので、今回、短くなったということでは賛成ですけれども、これはなくすと。ただ感染対策はしっかり取って、その中で活動するということに踏み切るべきだと思っています」と自身の考えを述べた。