
自民党が結党60年を迎えたのにあわせて、朝日新聞は党員・党友を対象に電話で意識調査を行いました。
その結果、憲法改正を「早く実現した方がよい」は34%で、「急ぐ必要はない」の57%が上回りました。
憲法9条について、「変える方が良い」が37%で、「変えない方がよい」の43%の方が多かったということです。
ちなみに、自民党に一番力を入れて欲しい政策を六つの選択肢から一つ選んでもらったところ、「社会保障」と「景気・雇用」がともに30%で、「外交・安全保障」16%、「教育」9%が続き、「憲法改正」は6%だったのです。
安倍首相は改憲、改憲と言っていますが、足元の自民党員はそういうつもりではないことがわかります。
ちなみに、同じ回答者に対して、「歴代の自民党総裁の中で、最も評価する総裁は誰ですか。1人だけあげてください。」
という質問をした答えは、安倍晋三19%、小泉純一郎17%ということですから、今回の回答者は決して旧来の保守ではなく、今時の自民党員?!方々です。
実は、5月の憲法記念日に合わせて朝日新聞が全国民に同じような質問をしているのですが、憲法を「変える必要がある」43%、「変える必要はない」が48%となっています。
さらに、憲法9条を変えた方がいいですかという質問に対して、「変える方がよい」29%、「変えない方がよい」63%で倍以上になっています。
なお、この世論調査の際の安倍内閣の支持率は56%(支持しないは37%)で最近よりも高くなっています。
安保法案の審議を経て、安倍内閣の支持率が10%前後落ちた今ですと、国民の改憲志向はさらに低下しているのではないでしょうか。
そして、改憲派の最右翼、産経新聞の同じ時期の世論調査でも、憲法改正に賛成が41%、反対が48%で、見出しを
戦後70年談話 “未来志向”を60%が「評価」 TPPの交渉進展「期待する」52%
としてその結果を載せないなど、産経新聞のうろたえぶりが凄かったんです(笑)。
憲法記念日 産経新聞が自分の世論調査で、憲法「改正」に賛成41%・反対48%に大いに焦る(笑)
というわけで、安倍首相がとにかくやりたくて仕方がない改憲ですが、国民一般はもとより、自民党員もまるでそんなことは急いでいないし、望んでもいないことがわかります。
安倍首相は一体誰のために、何のために政治をしているのですか?
5月の調査で憲法を変える必要があるとした43%の人(赤)の中でも、「戦争放棄と自衛隊」について変えたいという人は32%しかいなかった。
逆に、憲法を変える必要がないとした48%の人(青)の中で、そこを大切だと思う分野に上げた人が78%で最高だった。
安倍首相には、集団的自衛権の行使を容認させた!と言うだけでは飽き足らず、憲法、特に9条を「改正」させた唯一の総理大臣になりたい!!という気持ちはありありと感じられます。
よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!
![]() |
安倍壊憲クーデターとメディア支配―アベ政治を許さない |
丸山重威 (著) | |
あけび書房 |
戦争法案廃案、安倍政権退陣の闘い、そしてその後の闘い、真に平和で民主的な日本のためを願っての渾身の書。
![]() |
検証 安倍イズム――胎動する新国家主義 (岩波新書) |
柿崎 明二 (著) | |
岩波書店 |
「美しく誇りある」父のような国家が国民一人ひとりを子のように指導し、守っていくーー。異次元緩和や賃上げ税制など経済政策から教育、憲法改正、安保法制まで、安倍流国家介入型政治に通底するのは「国家の善意」である。その思考と意志を、国会審議や諮問会議議事録など「首相自身の言葉」から探る。
![]() |
安倍政権の裏の顔 「攻防 集団的自衛権」ドキュメント |
朝日新聞政治部取材班 (著) | |
講談社 |
「暴挙の安保法制」はなぜ、いかにして、実現してしまったのか?「言論弾圧」「なし崩し」で国民からもついに総スカンを食らった「安保法制ゴリ押し」の基幹―「集団的自衛権行使容認」の形成過程が目に見えて分かる「永田町・霞が関」水面下の記録!
参考記事
2015.4.27 11:50 産経新聞
【本紙・FNN合同世論調査】
戦後70年談話 “未来志向”を60%が「評価」 TPPの交渉進展「期待する」52%
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が25、26両日に実施した合同世論調査によると、安倍晋三首相が今年夏に発表する戦後70年談話に「植民地支配と侵略」などの文言を盛り込むことにこだわらず、未来志向の考えを示したことについて、60・1%が「評価する」と答えた。「評価しない」は29・8%だった。
小型無人飛行機「ドローン」が首相官邸屋上に侵入した事件を受け、近い将来のテロ発生に「不安を感じる」は85・2%にのぼり、「不安は感じない」の11・8%を大きく上回った。官邸など重要施設上空の飛行規制強化に関しては86・7%が必要だと答えた。
また、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐっては交渉進展に「期待する」が52・7%、「期待しない」が36・0%。交渉決着により日本経済が成長できると「思う」は44・3%、「思わない」は38・0%だった。
一方、憲法改正に賛成は40・8%で、反対は47・8%。賛成者のうち9条改正に60・3%、緊急事態条項の新設に88・2%、環境権の新設に82・8%、財政規律条項の新設に72・3%がそれぞれ賛意を示した。
このほか、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案の今国会成立については賛成36・2%に対し、反対が49・5%。
安倍首相と沖縄県の翁長雄志知事との会談は88・0%が評価したが、政府が目指す米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設については賛成が39・9%、反対が44・7%となった。
安倍内閣の支持率は前回3月の調査より3・4ポイント低い50・2%で、不支持率は35・9%だった。
自民党の党員党友に限った調査なら、もう一歩進んでこの質問が欲しかったと思います。
(問)あなたは、自民党が公表している憲法改正案を、読んでいますか?
本当は「改正」等と書きたくないのですが。
さて、これに「読んだことがある」と回答した人には、更なる質問が必要でしょう。
(問)この憲法案を掲げる自民党が、「自由民主」を党名としていることは妥当だと思いますか?
(問)この憲法案が実際に日本の憲法になったら、日本は良くなると思いますか?悪くなると思いますか?
(問)それでもあなたは、自民党を支持し続けますか?