「この前ね、桜の木の下でお弁当を食べたのよっ。」
先日、電話の向こうで祖母が言った。
京都の桜は、さぞかし綺麗だろうね。
今日の昼間、実家へモズクを送ったと母にメールを入れた。
直ぐに、母からその返事が返ってきた。
でも、他に もぅ一つ私に連絡があった。
“お祖母ちゃんが帰ってきます。”
昨年の9月、私の知らぬ間に一人 京都で住む事になった祖母が、
以前のように、私の家族の元に帰ってくる事になった。
何て言ったらいいんだろう。
勿論 嬉しいのだけれども、嬉しいとか言う言葉ではない。
“よかった”
この言葉の方が合っている気がする。
でも、同時に母の事が心配になった。
お祖母ちゃんと、また一緒に暮らすと言う事は どぉ言う事だか分かっているの？
お母さんは、本当に大丈夫なの？
っと、私は何度も母に尋ねた。
でも、母は言った。
「大丈夫よ。もぉ、大丈夫。
8ヶ月離れてみて分かったの。だから、大丈夫よ。」
この時の母の声は、とても穏やかで
嬉しそうで、とても優しかった。
母のコノ声を聞いて、私も嬉しいと感じた。
だけど、きっとこれから先 母にも祖母にも
我慢できなくなる事が沢山出てくるに違いない。
お互いが、どれだけ大切に思っていても これはしょうがない事だから。
その時はねっ、私が全部聞いてあげるからねっ。
「もぉ、何も心配する事はないから。
寂しいって感じる事は何もないからね。」
最後に、海の向こうに居る母が優しく言った。
私が、家族と離れてみて分かった事があるように、
お母さんにも、お祖母ちゃんにも 何か分かった事があるんだね。
そぉだよね、私達は どれだけ離れていても 家族だもんね。
また、手紙書きます。
父と母と祖母の宛名で。
