365日の空

空を見ていると会いたくなる人は居ませんか?空は その人の所まで繋がっています。
そう思って私は今日も空を見上げています

見えない香りと 消えない音と

2010年04月14日 | 空を見上げて
本日の竹富島、雨のち曇り 気温22度  雲:高層雲。







庭の井戸に雪が降っていた。
ほのかに黄色みがかったその水玉模様は、
フクギの枝から落ちていた。
指先にチョコンと乗ってしまうほど小さい花びら一枚。
竹富島に降る雪は、
小さな花びらだったなんて、今初めて気付いたよっ。


香りの持ち主を探しに出かけた。
目にした事はないけれど、
その香りのする方へ行けば会えるんじゃないかと思って。
金木犀に似たその香りは、きっと以前に聞いた夜香木。
嬉しい事に木々が余りに多すぎて、
私には、その香りの持ち主が誰なのか分からなかった。

その代わり、見なれた景色の中に楽しさを幾つも見つけた。
夕顔の蔓がクルクルと月桃の葉を包んでいる。
何て面白いんだろう。
自然の力ってホントに凄い、面白いって、
胸がワクワクした。
森のお化けが差してる様な、食わず芋の大きな葉っぱは、
やっぱり立派で絵になるなって。
名も知らない丸い小さな蕾の先は、
皆空に向かってツンと伸びていた。

普段通り過ぎるだけの道の中には、
面白い事がいっぱい詰まっていた。

もぉ直ぐ家に辿り着く。
人も車も居なかった。
しんと静まり返っていて、何て静かなんだろうと思って耳を澄ました。
鈴虫の羽の音、鳥の囀り、山羊の親子が話す声、
そして遠くで牛がモォーっと鳴いていた。

全然静かじゃなかったんだって、
この島から音が無くなる事はないんだって分かった。

この島は、生きてるんだって本当に気が付いたのはこの時だった。

近付いてきた今住む家の赤瓦を確認しながら
消えない音の中で

空を見上げて。