
天理図書館

開館90周年記念展 -新収稀覯本を中心に-
期間:10月19日(月)〜11月8日(日)
文明十二年着到和歌断簡 後土御門天皇ほか自筆
着到和歌とは、前もって決めた参加者が同じ場所へ行き、あらかじめ定められた題を100日間にわたって1人1首ずつ毎日読む形式のこと。
本紙は歌題を「名所松」とし15首が記される。詠者は後土御門天皇、三条西実隆、甘露寺親長、冷泉政為ら。
賦何人連歌 伝・宗長筆
世に「水無瀬三吟百韻」として知られる後鳥羽院250回忌追善の為、宗祇とその高弟肖伯と宗長が長享2年(1488)正月22日に催し水無瀬社御影堂に奉納した連歌百韻。
本書は懐紙三つ折原装のまま伝来しており、御影堂に奉納された原懐紙と考えられている。
連歌新式追加并新式今案等 里村玄仍筆
本書は二条良基の「連歌新式」と一条兼良の「新式今案」を牡丹花肖伯が大幅に補訂して完成させた連歌作法書。それを慶長2年(1597)常陸の佐竹又七郎(佐竹北家・義廉)の依頼によって里村紹巴が子の玄仍が筆写させ贈ったもの。
松花堂行状記 佐川田昌俊自筆
寛永16年(1639)9月18日松花堂昭乗が無くなると、親交のあった佐川田昌俊は故人を追慕してその事跡を書した。
巻首には松花堂の書した「不二山」の題字を備える。「不二山」は佐川田昌俊が隠棲した草庵「不二山黙々寺」の事で昭乗と昌俊の交流の深さがうかがえます。
石清水八幡献物帳 松花堂昭乗自筆
松花堂昭乗が石清水八幡宮に三具足や金胎両部曼荼羅2幅などを寄進した際の一覧を自ら書したもの。
奥書には寛永十六年(1639)三月の年紀があり没する半年前の事だと分かる。
珍しい書を沢山拝見できました。特に水無瀬三吟百韻は本当なら中々に凄いものです。