「甘露の変で李訓・鄭注達は確かに罪があったが」
「しかし王涯・賈餗などは無罪でまきこまれただけだ、殺害は間違いであった」
「そろそろ冤罪は取り消さねばならんな」
と宣宗皇帝は考えていた。
方策を相談しようと学士の韋澳を招いた。
近臣の宦官達にわからないように詩のやりとりで意見を聞いた。
澳は長く沈黙していたがやがて帝に問うた。
「現在と以前では宦官の権勢はどちらが強いと思われますか」
「現在と以前では皇帝の威権はどちらが強いと思われますか」
帝は答えず目をとじ首をゆらしてさらに長く沈黙した。
やがてつぶやいた
「無理かな、無理かな」
周辺では宦官達が冷ややかに見まもっていた。
名君といわれた宣宗の晩年のことであった。
「しかし王涯・賈餗などは無罪でまきこまれただけだ、殺害は間違いであった」
「そろそろ冤罪は取り消さねばならんな」
と宣宗皇帝は考えていた。
方策を相談しようと学士の韋澳を招いた。
近臣の宦官達にわからないように詩のやりとりで意見を聞いた。
澳は長く沈黙していたがやがて帝に問うた。
「現在と以前では宦官の権勢はどちらが強いと思われますか」
「現在と以前では皇帝の威権はどちらが強いと思われますか」
帝は答えず目をとじ首をゆらしてさらに長く沈黙した。
やがてつぶやいた
「無理かな、無理かな」
周辺では宦官達が冷ややかに見まもっていた。
名君といわれた宣宗の晩年のことであった。