唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

内侍権勢

2006-09-12 08:50:14 | Weblog
「甘露の変で李訓・鄭注達は確かに罪があったが」

「しかし王涯・賈餗などは無罪でまきこまれただけだ、殺害は間違いであった」

「そろそろ冤罪は取り消さねばならんな」

と宣宗皇帝は考えていた。

方策を相談しようと学士の韋澳を招いた。

近臣の宦官達にわからないように詩のやりとりで意見を聞いた。

澳は長く沈黙していたがやがて帝に問うた。

「現在と以前では宦官の権勢はどちらが強いと思われますか」

「現在と以前では皇帝の威権はどちらが強いと思われますか」

帝は答えず目をとじ首をゆらしてさらに長く沈黙した。

やがてつぶやいた

「無理かな、無理かな」

周辺では宦官達が冷ややかに見まもっていた。

名君といわれた宣宗の晩年のことであった。
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