「貢賦を送る船が止まってしまっています」
「このままでは倉庫が空になってしまいます」
悲鳴のような通報が東都から京師に続いた。
建中の初め、淄青節度使は淮西と通じて反旗を示した。
そのため掠奪を懼れて江淮からの進奉が止まってしまった。
「誰かを送って淄青を抑えねばいかん」
「誰かおらんのか」と宗はいらだった。
「張萬福はどうだ」
「淮南節度使からの報告では耄碌して使い物にならないかと・・・」
「ほんとうか?、まだそんな年ではないはずだが」
「頑固者なので節度使が誹謗しているのかもしれませんが」
「呼べ、萬福を、奴なら名前だけでも使える」
萬福が出頭すると、耄碌どころか元気いっぱいであった。
「淄青軍を抑えてくれるか」と宗
「何でもないことです」と萬福
濠州刺史として所部を率いて現地に急行した萬福は
大運河の岸に馬を進めて、対岸の淄青軍をにらみつけた。
その姿をみて
「萬福だ、萬福が来た!」と淄青軍は目に見えて動揺した。
その目の前を進奉船は次々と通過していった。
淄青軍は手出しをすることがなかった。
「このままでは倉庫が空になってしまいます」
悲鳴のような通報が東都から京師に続いた。
建中の初め、淄青節度使は淮西と通じて反旗を示した。
そのため掠奪を懼れて江淮からの進奉が止まってしまった。
「誰かを送って淄青を抑えねばいかん」
「誰かおらんのか」と宗はいらだった。
「張萬福はどうだ」
「淮南節度使からの報告では耄碌して使い物にならないかと・・・」
「ほんとうか?、まだそんな年ではないはずだが」
「頑固者なので節度使が誹謗しているのかもしれませんが」
「呼べ、萬福を、奴なら名前だけでも使える」
萬福が出頭すると、耄碌どころか元気いっぱいであった。
「淄青軍を抑えてくれるか」と宗
「何でもないことです」と萬福
濠州刺史として所部を率いて現地に急行した萬福は
大運河の岸に馬を進めて、対岸の淄青軍をにらみつけた。
その姿をみて
「萬福だ、萬福が来た!」と淄青軍は目に見えて動揺した。
その目の前を進奉船は次々と通過していった。
淄青軍は手出しをすることがなかった。