唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

法を乱す

2006-09-07 20:08:25 | Weblog
「もう軍政はぐちゃぐちゃだな」

「宦官野郎がなんでも口を出す」

「皇帝の信用を得ているから始末に負えない」

義成軍姚南仲は節度使とはいえなんの実権もない。

すべて監軍の薛盈珍が勝手にやってしまう。

気に入らない幕僚は勝手に追放したりする。

事ごとに両者が対立し、部下達は困り果てていた。

どちらかというと盈珍が悪い。

ところが

「南仲なんぞ首をはねてやる」と盈珍は誣告状を作成し
京師へ送った。

それと知った部将曹文洽は使者を追い殺した。

そして自らも告発状を残し自殺した。

驚いた皇帝は盈珍を召還した。

南仲も讒言を懼れて入朝してきた。

「盈珍が、お前のじゃまをしたようだの」と皇帝

「いいえ、私のじゃまをしたわけではありません」と南仲

「ほう??」

「陛下の法を乱したのです」

皇帝は黙然としていた。

南仲は罰されることなく右僕射に任ぜられた。

しかし盈珍もまた罰せられることはなかった。
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