「カントク」の采配

　3/10の記事のkenさんからの米がきっかけで、久しぶりに「STARWARS　IV A New Hope」【アマゾン】を見た。
　
　ポイントは、
「『新たなる希望』で、「帝国のマーチ（ヴェイダーのテーマ）」の原型があったか？」
という点だったが、どうも限りなく敗北臭いので、この話はもう触れない。（おい
^^;

　ところで、現在、この「スターウォーズ　トリロジー」に収められているのは、１９７７年公開のオリジナル作品ではなく、１９９７年に作製２０周年を記念して(?)最新のデジタル技術を追加して再編集された＜特別版＞であるが、私はこれがどうしても好きになれない。

　確かに追加されたシーン、取り直されたシーンは、ジョージルーカス自身が作っているだけに、出来るだけ自然に挿入されているのであるが、公開当時、劇場のスクリーンまん前の席で、首を痛くしながらみた、あの旧作のテンポや迫力が失われた気がするのである。

　一つには、「シリーズ化」された事を受けて、その辻褄を合わせるシーンも挿入された為であると思う。

　代表的な例がこれ。
　ミレニアム・ファルコン号のハンガーで、ジャバ・ザ・ハットと出会うシーンだ。

　このシーンは、最初の撮影当時から存在していたのだが、その時は「ジャバ」を人が演じており、また、シーン自体は上演時間を「２時間」以内に収めるためにカットされたシーンである。

　後に、帝国に捉えられたハン・ソロが、殺されずにカーボン冷凍された理由が、ジャバの懸けた賞金の所為であり、「Return To Judi」の最初に繋がる事を考えると、第一作に必要なシーンではあるが、私には「A NEW HOPE」単体で見たときに、不要な説明がましいシーンにしか見えない。

　実際、当初の公開時には、一作目で名前だけであったジャバが三作目で登場した時に凄い違和感は無かった。
　しかも、ジャバは登場していないが、酒場で緑のグリード君が登場して、
「ジャバが怒っているぜ」
云々説明しており、それが正確な説明で無いとしても、十分に足りていた気がする。

　映画は基本的に「監督」の作品であり、絵画でも画家が気に入るまで筆を重ねるように、映画監督も何度も、手直しをしたくなる気持ちは解る。
　しかし、きちんと「客」に何を伝えたいかを明確にしておかないと、訳がわからなくなる。

　あくまで私見であるが、この手直しは「ジョージ・ルーカス」個人の自己満足としか、私には思えないのだ。
　監督が自己満足に走っちゃうと、もう、誰も付いてこないと思うのだけれどねぇ。