不条理み○きー

当面、きまぐれ一言法師です

「恐怖症」

2006年01月21日 23時54分47秒 | Boyakky

 今日の横浜は、雪で大変だったけれど、その都度思い出すことがある。
 もう、5,6年前のことか?
 忘れもしない金曜日、午後から激しく雪が降り出したことがあった。

 今日も結構降っていたが、そんな比ではなかった。
 見る間に雪が積もっていき、
「いやぁ、帰れなくなるんじゃないの?」
等とその時は笑っていたが、夕方には洒落にならなくなっていた。

 総務からも
「作業のない人は、早急に退社してください。」
と通達も出て、私も6時くらいに会社を出たのを覚えている。

 家路に急ぐ人で、駅のホームはその時間にしては普段より多かったが、まだ、電車がちゃんと動いているので、みな、そんなに焦ってはいなかった。
 私の失敗は、途中、急行から最寄り駅に止まる各駅停車の列車に乗り換えたとき、ちょっと買い物を思い出して、途中下車したことにある。

 もちろん、その間も雪は降り続いていて、見た目にもかなりやばかったので、私も慌てて買い物をして駅に戻ったのだが、丁度、その時、架線故障のため前線普通のアナウンスが流れていた。
 ま、もっとも、最初に載るはずだった各駅停車の列車も、一駅先で止まってしまったのではあるが、それでも、その違いはのちのち大きな違いになる。

 アナウンスを聞いた私は、早速、タクシー乗り場に駆け付けたのだが、そこも既に長蛇の列。
 しかも、長距離が多いのか、タクシーも戻ってこない。
 そこで私は、幹線にでてタクシーを拾おうと考えたのだが、これも大失敗。
 既に、チェーンが間に合わなかった車などが、立ち往生していたため、幹線が駐車場状態でぴくりとも車の列が動かないのである。
 タクシーの戻ってこない理由もそれだった。

 さあ、こうなったら仕方がない。
 私は、意を決して歩くことにした。
 とは言え、家までは約7キロある。
 さっき、一駅進んでおけば大違いというのは、このことで約2キロほど違っていたのである。

 それからが大変だった。
 雪は一時期より勢いをゆるめたが、まだ降っている。
 しかも、雪に対する備えをしていなかったので、ごく普通のスーツにロングコートという出立。
 しかも、靴はローファーであった。

 裏道もあるのだが、そちらは雪深そうだったので、幹線沿いに歩く。
 車の列は、一向に動く気配がない。
 歩道にも、そこそこ雪があるのでそこの滑り止めの浅いローファーだと、あまり急いでいると、スッこけそうになる。
 なので、歩幅を狭くしてちまちま歩く。
 その結果、家路の半分、約3キロ半を踏破した時点で、既に2時間がたっていた。

 その時点で、かなり疲労が溜まり、しかも、ローファーにも大量の雪が入って、足がかじかみ始めていたが、真に大変なのはそれからだった。
 家に帰るには、その場所から、幹線を外れ、脇道にはいる必要がある。
 問題は、その道が昇りだったことである。

 そうなのだ。
 そんなに急ではない坂なのだが、積もった雪の下の方がシャーベット状に為ってしまっているので、ローファーだともの凄く滑るのである。
 そのため、どんなに慎重に進んでも、前に進まないのである。
 何かに番組のコントに、ローションを流して、みんなで坂を上るようなゲームがあったが、まさにその状態。
 足を滑らせても、とっかかりが無く、ほんの数センチ進むだけ。

 他人様から見れば、コントそのものだったろうけれど、やってる本人は大まじめ・・・つーか、真面目にここで体力つきて凍死してしまうのではと、真剣に考えたものである。
 それでもズリズリと、ちょっとずつ前に進み、ようやく家に帰り着いた頃には、既に歩き始めて5時間が経過しようとしていた。

 で、まあ、その時は、それで済んだのだが、以降、なんとなく雪の予報が出ると、ローファーが履けなくなってしまった。
 それだけではない。
 如何にもスーツには不釣り合いな運動靴で出かけてしまう。
 さらには、すっかり防寒体勢で完全私服で出勤してしまうのだ。
 そう、私はすっかり「雪マーク」恐怖症になってしまったのである。

 今でも、その日が平日ならば、雪マークを見た私は、直ちに私服になって会社に出勤している。

 結構、世の中を見ていると、雪の日でもしっかりした革靴を履いている方が多いようだが、ローファーはフィギアスケート並に危険である。
 くれぐれも、無理される事の無いように。

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