今日のウチの近所は、朝晩は冷え込んだものの、昼間は穏やかな日差しでちょっと暖かい一日だった。
都内の桜も今日が盛り、とニュースで盛んに伝えられている通り、うちのマンション内のちょっとした桜並木も、今日は満開だった。
それだけではない。
寒の戻りで咲き遅れていた「雪柳」や「タンポポ」も花を開き、最近まで「もくれん」と「うめ」くらいだったマンション内が、急に華やいだ。
こういう日は、カメラでも取り出して、近所をブラブラしながら花の写真など撮って回ると、なかなか良さそうな日だったのだが、どうも、そうは旨くタイミングが合わないらしい。
この週の前半くらいから子供が風邪っぽかったのだが、それが順繰りで回っていて、どうやら今日は私のところまで来たらしく、朝から鼻がぐしゅぐしゅして、鼻の奥がつんとする、いかにも
「ああ、もう、かぜひくぞぉ」
という感じだった。
更に、そういう日に限って、ちょいと大き目な家具が届く事になっていて、朝っぱらから、家の中の家具の大移動が始まっていたりした。
それでも、午前中は何とかなったのだが、一段落して昼飯を食ったあたりから、めちゃめちゃだるくなり、飯を食い終わる早々、ごろんとリビングに寝転がった。
ちょうど、リビングからマンションの裏山が見える。
目隠しに育成されている竹林の横に、一本、大きな桜が見える。
その桜が、ゆっくりと風に吹かれて左右に揺れている。
よく見ると、数枚、花びらがはらはらと散っている。
まさに散り初めという感じだ。
「あー、いい感じ。撮っておきたいなぁ」
と思う。
その気持ちに追い討ちをかけるが如く、ニュースが告げる。
『明日は、雨が降り、風も強いでしょう。
桜は、大半散ってしまうかもしれません。』
「やばー、撮らなきゃ。」
と思うのだが、鼻具合が悪化してきて、妙に鼻詰まりになる。
これまた不思議なもので、鼻が詰まると、頭もボーっとして、途端にやる気がうせてしまう。
霞がかかったような頭で、更にボーっと外を眺めていたら、だんだん、頭まで痛くなってきた。
ここに来て、終了。
風邪薬を飲んで、布団を敷き、真剣に一眠りした。
幸い、「早めの○○ロン」という謳い文句ではないが、早めの薬と昼寝のお陰で、夕方にはなんとか普通の状態に戻ったのだが、今年はこの盛りの時期を撮り逃してしまったなぁ、と、まだ、予報が当たるのかどうかも解らぬというのに、ちょとひとりで黄昏ていたりしたのである。
え?・・・いや、だからね・・・。
「鼻」の所為で「花」がちゃんと御撮影できなかったという、只それだけのお話。
お後がよろしいようで。