ZENTAI以前

　昨日、あまりに古い話を掘り返していたら、連鎖的に古い話が沸いて出て、懐古モードになってしまった。
　私がZENTAI／着ぐるみにハマったキッカケは「ラム」の着ぐるみショーに出会ったため、と言って来たが、この「懐古の嵐」の中で、もしかして「ラム」に出会わなければたどり着いていたかも知れない、もう一つの「アイテム」に気づいたのである。
　話は、１９の夏まで遡る・・・。

　夏休みのバイトを「ファミレス」にしたのは、特に理由はなかった。
　とにかく、初日に、なれない制服に着替えて、各持ち場に挨拶に回っていると、「あら？」っと、女の声がした。
　振り返った私は、とても大人びた女性の姿を発見し、一瞬、「誰？」っと思ったのであるが、次の瞬間に顔見知りの子であることに気づいた。
　同じ高校出身で、そのとき私が一番入れ込んでいた子・・・の親友の「Kちゃん」である。
　高校の時は、全然パッとしない子であったのだが、（すまん^^;）その時は、非常に大人びて奇麗に見えた。

　「おう、おまえもここでバイト？」
　「そう。でも、私はシフトが昼だから、時間あわないわね。がんばってね^^」
　Kちゃんは、そういって微笑むと、軽く手を振ってロッカールームに消えた。
　私の胸が、その後ろ姿を見て、ちょっと「きゅん」となった。

　で、仕事の説明も上の空で、その日は一日、「きゅん」と来た訳を探し求めていた。
　髪型も変わっていたし、仕事柄薄くではあるが、化粧もしていた。
　高校の頃の規則通りの髪型や制服に比べて、彼女には今の格好の方が似合っていた。
　でも、あの「きゅん」は、それだけではない、と思ったのだが、その日は理由は思い当たらぬままだった。
　
　バイトを始めて何日かした後、急に昼のシフトを手伝ってくれ、と言われて、いつもより半日はやく店に出た。
　レジには、店の制服を着たKちゃんがいた。
　「ういっす」
　「おはよー。」
　　声をかけてすれ違い、ロッカーに行こうとして、ふと、思いついて振り返ってKちゃんを見たとき。
　「あ」
　また、「きゅん」が来た。
　そして、私は全てを理解したのである。

　「きゅん」の正体は、彼女の「制服」にあった。
　この「ファミレス」には、制服が二つあって、一つはブラウスとスカートの組み合わせなのであるが、もう一つは少々野暮ったい「ワンピース」の制服であった。
　で、私が「きゅん」と来たのは、「ワンピース」の「制服」・・・と言う訳でもなく、その背中にある「ファスナー」に「きゅん」と来てしまったのである。

　それに気づいてしまった私は、もうKちゃんの背中を正視できなかった。
　Kちゃんが、レジにいてにこやかに笑いかけている間中、私は沸き起こる「ああ、あのファスナーを下ろしたいっ」という欲望と戦っていた。
　
　幸いにも、若き欲望に対して私の強靭な「理性」が打ち勝ち^^、Kちゃんとの良好な友好関係を続ける事が出来たが、間違いなく、その時点では、「ファスナー」に対する欲望が刷り込まれていたと思う。

　そして、Xデーを迎えるのである。
　もし、Xデー・・・「ラム」との出会いがなければ、私の「着ぐるみ／ZENTAI癖」も顕在化せず、どちらかと言うと私は、「ワンピース」を脱がせる方に走り、このようなBlogの書き込みもしていなかったに違いない。
　しかし、逆に「ファスナー」の洗礼があったからこそ、Xデーのインパクトが、あれだけ大きかったのだ、という事も出来ると思う。
　少なくとも、ZENTAIや着ぐるみを脱がせてあげるために、「ファスナー」をおろす一瞬は、今でも「至福の一瞬」であることは間違いない。

※うーん、明日はいい加減に懐古モードを脱さねば・・・。