知る人ぞ知る特撮界の巨匠、雨宮慶太監督の「鉄甲機 ミカヅキ」を、やっと手に入れてまともに見ることが出来た。
ストーリーについての感想は、ちょいとまだ、纏まっていないので、つぎに回すとして、今日は「造形」の話。
扉の絵は、超古代王国ガイラの国の神官「ザメ」である。
いわゆる「敵キャラ」なのだが、監督自身が「父性がテーマ」と言っていて、ロボットが中心となる無骨な物語の中で、唯一、圧倒的に女性を主張しているキャラでもある。
本編中は、設定が「幽体」であるため、画像の特殊処理と共に登場するので、なかなかシッカリとその姿を見極めることは難しいが、この右の画像を見れば判るとおり、特殊メイクの主な部分はその頭部であり、他は「ボディ・ペイント」で処理されている。
DVD-BOXに納められたメイキングによれば、そのメイクには朝4時から昼の12時近くまでかかったそうであり、女優さんの疲労は、想像を絶するものがある。
実は、雨宮監督は、以前、「仮面ライダーJ」でも、こんな風に女性のボディラインを強調したキャラを登場させている。
それが、この「ハチ女」である。
見れば判るが、こちらの「ハチ女」の方は、顔の一部が露出しているモノの、原則として「ボディ・スーツ」と呼ばれる所謂着ぐるみである。
恐らく、今回もこんなスーツタイプにした方が、装着に必要な時間はずっと少なかったに違いない。
費用はスーツタイプの方が、予備などを用意する手間を考えるとかかるのだろうが、女優さんへの負担は圧倒的に少ないし、その分、撮影に十分時間を使えるのではないだろうか?と思える。
まあ、私がスーツに拘るのは、着ぐるみ好きな所為もあるのだが。^^;
だが、スーツにせずに、ボディペイントにした理由は、BOXの付録のデザイン画集やメイキングに登場するデザインを見れば、直ぐ判る。
このメイクの出来映えは、本当にデザインそっくりなのだ。
結局、自分の造形へのこだわりを優先させる為に、ボディペイントという仕上げ方法を選択したのだろう。
その証拠に、監督がこのメイクに立ち会ったばかりではなく、自ら仕上げのためにペンを取る様子が記録されている。
デザイン兼監督の面目躍如たる物である。
雨宮慶太氏。
特撮という特殊な領域にあって、なかなか一般的な評価を得るのがむつかしいのだが、常にこだわりを持っている特撮映画人だと私はおもっている。
まあ、中には、ちょっと「なんだそれ?」って、笑ってしまうものもあるけれどね
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私もメイキングに期待してDVDBOXを買いました。
(中古を探し回りました)
今放送している「GARO」にもザメのように
ヌードにボディペインティングな女性キャラが登場していて、
「やっぱりこういうの好きなんだなー、雨宮監督」
と思いました。
「GARO」見ましたよ!
そう言えば。
やっぱり、好きなんですねぇ。
でも、冷静に考えると深夜帯の「GARO」はまだしも、放映時間が確か夕方だった「ミカヅキ」で、これはええのんかしらん?等と、余計なこと考えちゃいました。