不条理み○きー

当面、きまぐれ一言法師です

「再構築」

2006年10月30日 01時04分11秒 | Tokusatsu

 某氏より「メイキング大当たり」の報を受け、慌てて購入したのがゴジラ モスラ キングギドラ大怪獣総攻撃である。

 と言う訳で、喜んで扉絵には、バラゴンから首を出すスーツアクトレス「太田理愛」嬢を掲載しているが、割とマジメな所感中心ですので悪しからず。^^
 例によって、ネタバレしないように注意するが、先入観を持ちたくない方は、以下、読まないでください。


 では、改めてタイトルクレジット。



 監督 金子修介と怪獣と言えば、言わずと知れた「平成ガメラ」シリーズだが、恐らく東宝は遅ればせながら「平成ガメラ」の「リアルっぽさ」を「ゴジラ」にも取り入れようとしたのだと思う。

 だからと言って、金子修介本人に監督させることはないと思うのだが、金子自身も多分困ったのだろう。
 ガメラの場合は、旧作品をあまり引きずることなく最初から世界を構築できたのであるが、流石にゴジラは今更「最初から」という訳にもいかない。
 そこで、金子の採った苦肉の策は、なんと第一作以降の全ての作品を「無かったこと」にすると言う大胆な作戦だった。

 個人的には、その試みは半分だけ成功したのかも知れないと思う。
「え?無かったの?」という事実さえ受け入れてしまえば、冒頭から続く「平成ガメラ」的、ハードな展開にもすっと入り込めるからである。

 しかし、最初に違和感を覚えるのは、やはり「ゴジラ」の成り立ちにおかしな講釈を付けたところである。
 まあ、他の三匹の肩書きである「護国三聖獣」の設定に併せたのかも知れないけれど、「ゴジラ」をオカルトで語っては、後のシリアスなバトルも台無しに成っている気がする。

 また、サブキャラを「ガメラ」とダブらせたり、評判の悪かった「米国版ゴジラ」を彷彿とさせるシーンが結構あって、最初はニヤリとしたものの、終盤にはちょっとウンザリしてしまった。

 もちろん、良いところもある。

 第一作に繋がる話として、「ゴジラ」のイメージを恐ろしい物に戻したのはよかったと思う。
 聞いた話では、同時上映の「ハム太郎」目当てで押し寄せていたガキ・・・いや、お子様達が、あまりの恐怖に泣き叫んだとか。
 他に第一作を彷彿とさせるシーンが盛り込まれているので、古いファンの方は捜してみると良いだろう。

 それから、街中のシーンや箱根のシーンなどで、実際の風景と合成することでゴジラやバラゴンのサイズを際だたせた所もよかったと思う。
 昔、よく怪獣に追いかけられる夢を見た物だが、バラゴンが大涌谷で迫ってくるシーンは、その夢を思い起こさせた。

 結論としては、「雰囲気」を楽しむには良い出来である。
 だが、細かいところを突っ込み始めると、ガメラよりも突っ込みどころ満載なのは確かだ。
 その内情として、100%金子監督の意志に沿った出来ではないらしいこともあるのだろう。
 添付されていた資料には、最初の「三聖獣」には「モスラ」と「キングギドラ」は入っておらず、これも東宝の古株怪獣「バラン」と「アンギラス」だったとか。
 そちらの方が、もっとしっくりする感じはする。

 何てったって、古株の東宝怪獣ファンにとっては、小美人のいない「モスラ」や、悪役でない「キングギドラ」なんて、「クリープを入れない珈琲のような物」だからである。
 と、言う訳で、私の評価は・・・
 ★★★☆☆ 星みっつ

 怖いゴジラをカラーでみたい方には必見です。

 あ、もちろん、メイキング的には ★★★★☆ 星よっつ
 あと一つ、何が足りなかったかは、ご想像にお任せします。



ゴジラ モスラ キングギドラ大怪獣総攻撃

東宝

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