昨日、私的に凹んで断念した話題。
「落語」が静かなブームなのだそうだ。
新宿の「末広亭」も、浅草の「浅草演芸ホール」も、客足が伸びていて、それも若い層が増えているらしい。
理由は簡単。
「タイガー&ドラゴン」
TOKIOの長瀬智也とV6の岡田准一を主演に据え、脚本は「ピンポン」「木更津キャッツアイ」の宮藤官九郎。
ストーリーは破天荒だが、落語の解説にもなっているとあって、確かに「落語」を知らなかった人にはうって付けだ。
脇を、笑福亭鶴瓶や西田敏行が固めていて、長瀬、岡田の軽薄な演技をフォローしているので、落語好きも、へへっと少し苦笑気味ではあるかもしれないけれど、ちゃんと見ることが出来る。
元々舞台装置やセットを必要としない落語は、それ故にTVには馴染まず、衰退の一途をたどりつつある様に思える。
貴重な文化であり、「芸」である落語に、今回スポットが当たり、若い人が見に行くのは一落語ファンとして嬉しい限りであるが、まだまだ、ブームでしかない様で、笑福亭鶴瓶がインタビューに答えて、
「まあ、ブームはすぐ終わるでしょ。後にどんだけ残ってくれるか。
それが、噺家の腕のみせどころやね。」
と言っていた。
その通りだと思う。
知らない人は、極端に言うと「一人芝居の笑い話」程度に思っているかもしれないけれども、いろんな演目をみてみると、喜怒哀楽愛憎がいろんな形で描かれていて、文化や人の心まで見て取れる「芸」なのである。
しかも、その表現は結構ひねりが聞いていて、単純ではない。
うっかりすると、莫迦共の集まりのような話が、よく聞けば、その名前にあった役割をきちんと持たされていて、それに従って演じきっているのである。
ときおり、「粗忽長屋」や「あたま山」などのように、今聞いてもシュールな作品まであるのである。
それゆえ、話の奥も深く、あはははと笑って聞き終わって、その後ふと思い出し、
「ああ、そういう意味もあったのか!」
と、ハタと手を打つ事も結構ある。
結構、単純に見えて、複雑な話の構成になっていたりするのである。
例えば、私が好きなマイナーな話で「反魂香」という話がある。
少し長い話で、演じられる事も少ないようなので、好きな割りに殆ど覚えていないのであるが、粗筋はこうだ。
「反魂香」とは、陰陽の秘術、「反魂の術」になぞらえた物で、その香を焚くと、死者と出会えるというモノである。
主人公は、長屋の浪人がその「反魂香」を持っているのを気がついて、ねだり始める。
実は、主人公も、3年前にかみさんをなくしているのである。
しかし、流石に「陰陽の秘薬」だけあって、なかなか譲ってはくれない。
浪人の執拗な拒否に業を煮やした主人公は、薬屋に飛び込む。
もちろん、そんな薬は売っていないのであるが、たまたま売っていた、越中富山のはらぐすり「反魂胆」を勘違いして、しこたま買いだめして帰るのである。
当然、かみさんは現れず、事態は急展開するのであるが・・・。
その詳細はさて置き。
この主人公。
莫迦ばっかりやっているが、可愛いのである。
かみさんをあの世から呼び返そうと四苦八苦して、ばかげた事ばかりやっているのだが、不思議とその帰ってきて欲しいという感情が、見る人に伝わるのだ。
そうすると、泣ける話の一つもないのに、笑いながら泣きそうになったりするのである。
そんな風な感情の表現をする「芸」が他にあるだろうか?
無いと思うのだ。
それで居て、難解なのかといえば、結構誰でもわかる平易な話も入って居る。
何度も言うけれど、話が多層になっているので、何度も楽しめるのである。
という事で、も、キッカケは何でもいい。
ジャニーズ肖りでもいい。
若いファンの人にも、そのあたりに気づいて欲しいものだと思う。
もう少し、落語ブームになって、好きなときに好きなだけ聞けるようにして欲しいのである。
以上、ちょっと記事もブームに便乗してしまったぷよぱぱでした。
お後がよろしいようで。
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岡田くんかっこいいし♪
ドラマ見て、落語聞きに行きたいな、と思ったミーハーな一人です。
笑ったり、ちょっと胸がキュンとしたり、なるほど、と思ったり、奥深いな~、って思います。
やっぱり歴史があるものってそれだけの面白味があるものですね。
きっと落語があつかっている「人間」という題材が、何時までたっても「変わらない」部分があるのですね。
だから、ドラマとしてみても面白いんだと思います。
一度、新宿で「寄席オフ」やりますか?!
行きますよ~、新宿!
早速、牛会・文化部を発足しますか。^^
ちなみに、新宿・末広亭の周りは、おもいっきし飲み屋ですから、2次会はのめや歌えで・・・。
って、普通の牛会?!
するってぇと、なんですかい?
倒れているなぁ、れぷりかんとってぇ訳ですかい?
そいつぁていへんだぁ!
実際、ディック的なシュールさがありますよね。>粗忽長屋。