宮部お得意の“人情モノ”。こよみというだけあって、
町人のさまざまな物語が季節を追って描かれていきます。
しかしながら、どれも切ない。大きな事件が起こるわけでもなく
(たまに起きるけど)、一生懸命生きている町人たちの
取るに足らない話ばかりなのですが、だから余計に切ないねえ。
ああ、もう、どれもこれも、ホントに切ない(^^;)。
でも、「器量のぞみ」と「首吊り御本尊」は心温まりました。
不器量で大女のお信が、評判の美男子に見初められる「器量のぞみ」。
見初められた理由は、もちろん“器量がいいから”。あまりにも
馬鹿にされているとお信は怒りますが、実際会ってみるといい人。
いい人なんだけれども、いや、だからこそお信は心配になって…。
「首吊り御本尊」は、奉公人の神様のお話。
奉公先から逃げ出した捨松は、案の定連れ戻され、しかも後日、
大旦那様に呼ばれることに。身を引き締めて大旦那様と対面した
捨松でしたが、床に伏せっていた大旦那様は思った以上に優しく、
一幅の掛け軸を取りだして、捨松にある話をしてくれます。
全12作のうち、2作しか「ほろり」とする話はなく、
残りは全部切ないのです(うるうる)。とはいっても、
宮部のこと。切ない中にも優しい言葉にあふれ、
後からじわじわ心に染みてくるのですね。
宮部の人情ワールドを堪能したいなら、ぜひに。
「幻色江戸ごよみ」宮部みゆき(新潮文庫)
町人のさまざまな物語が季節を追って描かれていきます。
しかしながら、どれも切ない。大きな事件が起こるわけでもなく
(たまに起きるけど)、一生懸命生きている町人たちの
取るに足らない話ばかりなのですが、だから余計に切ないねえ。
ああ、もう、どれもこれも、ホントに切ない(^^;)。
でも、「器量のぞみ」と「首吊り御本尊」は心温まりました。
不器量で大女のお信が、評判の美男子に見初められる「器量のぞみ」。
見初められた理由は、もちろん“器量がいいから”。あまりにも
馬鹿にされているとお信は怒りますが、実際会ってみるといい人。
いい人なんだけれども、いや、だからこそお信は心配になって…。
「首吊り御本尊」は、奉公人の神様のお話。
奉公先から逃げ出した捨松は、案の定連れ戻され、しかも後日、
大旦那様に呼ばれることに。身を引き締めて大旦那様と対面した
捨松でしたが、床に伏せっていた大旦那様は思った以上に優しく、
一幅の掛け軸を取りだして、捨松にある話をしてくれます。
全12作のうち、2作しか「ほろり」とする話はなく、
残りは全部切ないのです(うるうる)。とはいっても、
宮部のこと。切ない中にも優しい言葉にあふれ、
後からじわじわ心に染みてくるのですね。
宮部の人情ワールドを堪能したいなら、ぜひに。
「幻色江戸ごよみ」宮部みゆき(新潮文庫)
昔から宮部は好きなのですが、とりわけ時代モノは良いですよねー。何より宮部は子供(とくに少年)の描き方が素晴らしいと思いませんか。もしこれで宮部に興味をお持ちになられたら、現代モノですが「我らが隣人の殺人」という短編集に収録された「サボテンの花」を読んでみてください。宮部を愛さずにはいられなくなりますから(笑)。
時代モノのおすすめは「ぼんくら」ですね。こちらも、子供たちがとてもいい味を出してます(^-^)。続編に「日暮らし」がありますが、こちらはまだ未読なのです。
「首吊り御本尊」良いですよねえ。少し前に読んだのですが、この作品を読んだ時の感触は今でも思い出せる程、インパクトが強かったです。