同じく、今度は“鉄道ミステリ”を集めたアンソロジーです。
鉄道ミステリーというと、時刻表とにらめっこするアリバイものを
想像しますが、そういった作品は、実は少なかったのです。
しかも、先の作品が“本格”ならば、今回は“広義のミステリー”と
いった感じ。ホラーや怪談、幻想小説っぽいものも多いのです。
で、こっちはこっちですんごい面白い。印象に残る作品が多いのです。
中でも面白かったのが「高架殺人」ウィリアム・アイリッシュ。
疲れた体を引きずるようにして帰宅する刑事が、高架を走る電車の
中から、窓の外で繰り広げられている“人生ドラマ”を何気なく
見ているとき、反対側の座席に座っていた男性が何者かに撃たれる。
頭の回転は速いのに、動きは信じられないくらい遅い刑事が、
やりたくないのに、関わってしまったが最後、その事件解決に乗り出す。
というような話。登場人物たちがとても愛嬌があって、ついっと
物語に引き込まれていきます。しかも、とろいはずのこの刑事が、
むちゃくちゃカッコよく見えるから不思議さー(笑)。
作者の名前だけは聞いたことがありますが、作品は未読。
でも、こんな感じの作品ならば、長編も読んでみたいと思います。
ほかにも、江坂遊のショート・ショート3作がいい味を出してますし、
アリスと上田信彦が2人で書いて上演された舞台のシナリオ「箱の中の殺意」
も収録(なんだかどこかで聞いたことのあるタイトルですが(笑))。
私には犯人はサッパリ分かりませんでしたが、かなり楽しみました。
「有栖川有栖の鉄道ミステリ・ライブラリー」有栖川有栖編(角川文庫)
鉄道ミステリーというと、時刻表とにらめっこするアリバイものを
想像しますが、そういった作品は、実は少なかったのです。
しかも、先の作品が“本格”ならば、今回は“広義のミステリー”と
いった感じ。ホラーや怪談、幻想小説っぽいものも多いのです。
で、こっちはこっちですんごい面白い。印象に残る作品が多いのです。
中でも面白かったのが「高架殺人」ウィリアム・アイリッシュ。
疲れた体を引きずるようにして帰宅する刑事が、高架を走る電車の
中から、窓の外で繰り広げられている“人生ドラマ”を何気なく
見ているとき、反対側の座席に座っていた男性が何者かに撃たれる。
頭の回転は速いのに、動きは信じられないくらい遅い刑事が、
やりたくないのに、関わってしまったが最後、その事件解決に乗り出す。
というような話。登場人物たちがとても愛嬌があって、ついっと
物語に引き込まれていきます。しかも、とろいはずのこの刑事が、
むちゃくちゃカッコよく見えるから不思議さー(笑)。
作者の名前だけは聞いたことがありますが、作品は未読。
でも、こんな感じの作品ならば、長編も読んでみたいと思います。
ほかにも、江坂遊のショート・ショート3作がいい味を出してますし、
アリスと上田信彦が2人で書いて上演された舞台のシナリオ「箱の中の殺意」
も収録(なんだかどこかで聞いたことのあるタイトルですが(笑))。
私には犯人はサッパリ分かりませんでしたが、かなり楽しみました。
「有栖川有栖の鉄道ミステリ・ライブラリー」有栖川有栖編(角川文庫)