作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

ダジャレ表現を究める

2009-07-25 | 作文
 作文講師になって早10年。言葉の森独自の項目指導の中で、私が特に力を入れてきたのはダジャレ表現です。というのは大袈裟ですが、「ダジャレは苦手です。」と小声でつぶやき、作文の中にダジャレを入れることを頑なに拒否する子供たちのために、たくさんのダジャレを考えてきたことは事実です。

 下の文章は、小学校5年生の男の子が書いたものです。(本人の許可を得て掲載しました。著作権は、この生徒にあります。)使われているダジャレのほとんどは、私も以前考えたことのあるものですが、数々のダジャレを見事に文章の中に織り込んだところは、すばらしいの一言です。しかも、この作文のテーマであるアメリカ人と日本人の違いを見事に表現しています。

=====
 日本人とアメリカ人の差は何なんだろう。まず、ごまの数をごまかすのが、アメリカ人。繊細なセンサーでもかなわないというほどきちんとやるのもアメリカ人。「勝ちには価値がある」というのがアメリカ人。「銅賞だった。どうしよう」というのが日本人。「あったかい飲み物があったかい?」と探し回るのがアメリカ人。最初から探して、「しみじみとシジミを食べる」のが日本人。「しかをしかろう」というのがアメリカ人。「豚をぶたないで」というのが日本人。あせりすぎて、「たんすで指を打ったんす」と言うのがアメリカ人。「ねぇ、坊や。寝坊しないでね。」というのが日本人。そう考えると日本人とアメリカ人は、ハトがはっ、と驚くほど差があるのだ。
=====

 これこそ作文におけるダジャレ表現の真髄。私もまだまだ勉強しなければと思った次第です。ということで、ひとつ考えてみました。「「地震が起きても自信たっぷり」なのがアメリカ人。「私が委員長でいいんでちょうか」というのが日本人。」いかがでしょうか。

にほんブログ村 教育ブログ 国語科教育へにほんブログ村
 ↑
ブログランキングのページです。
よろしければ、クリックをお願いします。<(_ _)>

作文コーチング ~五つの意識レベル~

2009-07-20 | 作文
 NLPの本を読み、ニューロロジカルレベルについて知りました。ニューロロジカルレベルとは、五段階の意識レベルのことで、「環境レベル」「行動レベル」「能力レベル」「信念・価値観レベル」「自己認識レベル」を指します。これらの五つの意識レベルは、上位のレベルが下位のレベルに大きな影響を与えます。たとえば、「信念・価値観レベル」は「能力レベル」に大きな影響を与えます。

 この意識レベルを作文に当てはめて考えてみましょう。「作文を書くことは、人間の幅を広げることにつながる」という信念を持っている(信念・価値観レベル)人は、作文が上手になりたいと思う(能力レベル)はずです。当然、作文の勉強にも意欲的に取り組みます。(行動レベル)作文教室に通って勉強しようと思うかもしれません(笑)。(環境レベル)作文を指導する側も、「作文の勉強をすることは、人間性を豊かにする」というように、作文に対してプラスの信念を持っている人ほど熱心に作文の指導に当たるでしょう。

 この五つの意識レベルについて知っておくことは、実際の指導の場面でも大いに役立ちます。生徒の作文をほめたり、注意したりする際に、五つの意識レベルのどこに触れているかに注目し、「自己認識レベル」や「信念・価値観レベル」を否定することのないようにしなければなりません。また、「能力レベル」や「行動レベル」を注意する際は、何が悪かったかに焦点を当てるのではなく、どうしたらよくなるかを重視するべきです。そのためには、作文を書いた後で、マイナス面を指摘するのではなく、作文を書く前により良い作文を書くための指針を与えておくことが非常に重要です。

 「能力レベル」や「行動レベル」をほめる際には、能力そのもの、行動そのものをほめると同時に、下記に挙げた例のように、書き手のアイデンティティー(自己認識)レベルに触れながらほめることができます。

 「文字がていねいに書けている。」→「几帳面である。」
 「時間をかけてじっくり書いている。」→「粘り強い。」
 「短い時間で書き上げる。」→「集中力がある。」
 「理路整然と書けている。」→「物事を論理的に考えられる。」
 「深い感想が書けている。」→「思慮深い。」
 「細かい描写がうまい。」→「観察力がある。」
 「おもしろい作文が書けている。」→「ユーモア感覚が優れている。」

 自己認識レベルで自信をつけた生徒は、ますます積極的に作文の勉強に取り組むでしょう。五段階の意識レベルにプラスの流れを作っていくことが生徒の能力を伸ばすことにつながるのです。

にほんブログ村 教育ブログ 国語科教育へにほんブログ村
 ↑
ブログランキングのページです。
よろしければ、クリックをお願いします。<(_ _)>

よくある表記ミス

2009-07-15 | 作文
 子供の表記ミスのほとんどは、読みを重ねることで直っていきます。もちろん、間違いを指摘する必要はありますが、目くじらを立てる必要はありません(笑)。でも、入試の作文となると話は別です。

◆小学生によくある表記ミス

 ×「こんにちわ」→○「こんにちは」

 ×「すいません」→○「すみません」

 ×「こないだ」→○「このあいだ(間)」

 ×「グランド」→○「グラウンド」

 ×「めんどくさい」→○「めんどう(面倒)くさい」

 ×「かたずける」→○「かた(片)づける」

 ×「たいく」→○「たいいく(体育)」

 ×「言われたとうり」→○「言われたとおり」

 ×「こずかい」→○「こづかい」

 ×「ふとんをひく」→○「ふとんをし(敷)く」

 以上、代表的なものを挙げてみました。このほか、漢字のミス(送り仮名のミス)にも気をつけましょう。

◆おまけ(思わず、「うまい!」と言いたくなった表記ミス)

 ×「水ミング」→○「スイミング」
   ↑
   気持ちはわかります。(^^)

にほんブログ村 教育ブログ 国語科教育へにほんブログ村
 ↑
ブログランキングのページです。
よろしければ、クリックをお願いします。<(_ _)>

作文コーチング ~ライブ指導でやる気を~

2009-07-12 | 作文
 作文は、いつでもどこでも気軽に書けるというものではありません。作文を書き始めるためには、きっかけが必要です。

 言葉の森の通信コースには、電話指導があり、その指導を受けた後にすぐに作文を書き始めることを勧めています。通信教育の場合、教材をいつどのように使って勉強するかは本人に任されていることがほとんどで、本人のやる気が出ない状態が続くと、課題がどんどんたまっていくというお決まりのパターンに陥ります。

 しかし、毎週決まった時間に電話指導があると、それをきっかけに作文を書くことができます。生徒が漠然と作文に書こうと思っていたことを具体的に引き出していくのが先生の仕事です。生徒が意識していることは、ほんの一部かもしれません。その裏側に隠れた意識していない事柄を引き出してあげることが作文を書こうという前向きな気持ちにつながるのだと思います。

 言葉の森のホームページでは、毎週の課題を授業形式で説明したビデオを見ることができます。こちらも大いに活用してほしいのですが、録画されたビデオとライブの電話指導とでは、やはり違いがあるのでしょう。電話での授業を欠席してしまった生徒たちのほとんどは、振替の電話指導を受けることを希望します。

 CDやDVD、活字化された教材など、過去のものを再生するということにも意味はあると思います。教育の現場でも、そのようなツールはたびたび使われています。しかし、特に小学生にとって、一番効果があるのは、ライブ教育です。先生の指導を直接聞いて作文を書くということが自宅にいながらにしてできるという点は、通信教育を越えたライブ教育だと思います。

 顔が見えない状態で、声をたよりに、リアルタイムで生徒の気持ちをつかみ、生徒のニーズに応えなくてはならない電話指導は、決して簡単なものではありません。しかし、先生にとっても、直接生徒と話をし、生徒のやる気を高めることができたとき、それは大きな喜びとなるのです。言葉の森では、担任制をとっているので、生徒の成長をじっくりと見ていくことができるという点も、生徒と先生両者にとってプラスになっています。

 家庭で、保護者の方が作文を指導する場合も、前向きに子供のやる気をうまく引き出す言葉がけをしていただきたいと思います。そのためには、否定語を使わず、子供の発言から多くのものを引き出していくことが大切です。「否定はせず、認めて伸ばす」を心がけてください。

にほんブログ村 教育ブログ 国語科教育へにほんブログ村
 ↑
ブログランキングのページです。
よろしければ、クリックをお願いします。<(_ _)>

中高一貫校入試の作文 ~採点者は、ココを見ます!~

2009-07-08 | 作文
(1)読解力

 文章や資料を元に意見を書くような試験の場合、まず、その文章や資料を的確に読み取っているかどうかが重視されます。普段から、さまざまなテーマの文章に親しんでおくことはもちろんですが、グラフ等の資料から何が読み取れるかを考える練習をしておくことも必要です。

(2)構成力

 構成を意識して書かれた作文は、わかりやすく、採点者に好印象を与えることができます。また、論理的思考ができると判断されます。普段から筋道を立てて考えるくせをつけ、構成を意識して書く技術を習得しておきましょう。

(3)常識

 採点者の目にとまるようにと、突飛な意見や感想を書く必要はありません。学校側が求めているのは、あくまでも常識的な人間です。また、名文を書く必要はありません。わかりやすい文章を書くことに主眼を置きましょう。

(4)表現力

 しっかりした意見を持っていても、それを適切な言葉で伝えられなければ意味がありません。説得力のある作文を書くためには表現力が必要です。表現力は、読書や大人の人たちとの会話によって培われます。時事問題などについて家族で話し合う機会を作りましょう。もちろん、読書の習慣をつけておくことも大事です。

(5)成長度と環境

 意見を裏付ける実例は、一般的なものではなく、自分自身の体験を書きましょう。人一倍努力した話、失敗から学んだ話など、人とは一味違う体験談を書いてみましょう。特別な体験をしていなければならないということではなく、その体験からいかに学び、いかに成長したかという点が大切なのです。自分の話だけではなく、家族から聞いた話を入れると、親子の話し合いがきちんとなされている家庭であることが採点者に伝わります。

(6)誠意

 誠意の込められた答案は、採点者の目にとまります。改めて言うまでもないことですが、ていねいな読みやすい字で書きましょう。また、○○○字以内という場合は、その字数ぎりぎりまで書きましょう。○○○字ぴったりで終わるのがベストです。


にほんブログ村 教育ブログ 国語科教育へにほんブログ村
 ↑
ブログランキングのページです。
よろしければ、クリックをお願いします。<(_ _)>

無料体験学習のご案内

2009-07-06 | コラム
 言葉の森港南台教室では、夏休み特別無料体験学習を実施しています。通常2回の体験学習を、7月・8月の2か月間に3回受けることができます。教材費も指導料も添削料もすべて無料です。教室にいらしていただける小学1年生から5年生の方が対象で、無料体験学習の後、入会される場合は、通信コースに変わることもできます。

 作文指導だけではなく、言葉の森独自の読書指導(本の貸出し付き)も行います。これまで読書が好きでなかった人も、この夏休みは、楽しみながら何冊もの本を読めるようになるはずです。

 また、無料体験学習中、ご希望の方には、中学受験の読解対策、作文入試対策などの勉強に関するアドバイスをいたします。是非、この機会に言葉の森の無料体験学習をお試しください。通信コースの無料体験学習(2回)も随時受け付けていますので、ご利用ください。電話指導があるため続けやすい通信講座です。

 夏休み特別無料体験学習の詳細は、下記のページをご覧ください。

 言葉の森 港南台 2009年 夏の作文無料体験学習

 無料体験学習(通信・通学)


にほんブログ村 教育ブログ 国語科教育へにほんブログ村
 ↑
ブログランキングのページです。
よろしければ、クリックをお願いします。<(_ _)>

音読の目的

2009-07-04 | 音読・暗唱
 音読には、いろいろな目的がありますが、中野孝次さんの次の言葉は、その目的の一つを的確に示すものだと思います。

「意味など問うよりひたすらそれを朗読させる。わかっていても、わからなくても、読むことで、文章のひびき、調子、流れになじませ、からだで日本語の味わいを覚えさせることが大事なのだ。」

 内容ではなく、言葉自体を味わう、これこそが音読の本来の目的だと思います。言語の本質は音声です。黙読だけでは味わうことのできない日本語の特徴を体得することが音読の目的の一つであり、それこそが音読の最大の目的であると言ってもよいと思います。

 言葉の森の音読教材は、学年相当の内容よりもかなり難しいものになっています。ときどき、意味がわからなくてもよいのでしょうかという質問を受けますが、意味がわからなくてもすらすら読めるようになることが大事なのですとお答えしています。

 質の高い文章をすらすら読めるようになること、これは、単純そうに見えて、実は、日本語を自由に操るために非常に重要なことです。黙読だけでは身につかない日本語力をしっかり身につけるために、音読の大切さを再度見直す必要がありそうです。

にほんブログ村 教育ブログ 国語科教育へにほんブログ村
 ↑
ブログランキングのページです。
よろしければ、クリックをお願いします。<(_ _)>

作文コーチング ~作文の書けない生徒~

2009-07-02 | 作文
 作文は、他の勉強よりも心的要素が大きく関わっている勉強です。さらに、評価のむずかしい勉強でもあります。算数のように、「テストで100点を取れるようにがんばりましょう。」とか、「不正解だった問題は、しっかり復習しておきましょう。」という具合にはいかない勉強です。作文とは、一人一人の個性を表すもの、さらに言えば、大袈裟かもしれませんが、その人自身を反映するものです。だからこそ、細心の注意を払って、丁寧に指導していく必要があります。

 教室に体験学習に来る生徒の中には、ときどき、作文が全く書けない生徒がいます。文字は書けるのですから、作文を書けないわけはないのですが、作文用紙を前に、鉛筆を動かすことのできないのです。そのような生徒は、決まって、何を書けばいいのかわからないと言います。最初から何も書けなかったわけではないと思います。書いたものを何らかの形で否定されたために、自分は作文が下手なのだと思い込み、自信を失って、作文に拒絶反応を示してしまうことがほとんどです。

 このような場合は、「今日のこと」という題名で、とにかく文を書かせます。低学年であろうと高学年であろうと関係ありません。「先生が言うとおりに書いてね。」と言って、「ぼくは、今朝7時に起きました。顔を洗って、着替えてから、朝ごはんを食べました。」という具合にこちらで一つずつ文を言いながら書かせます。「朝ごはんは、パンと卵焼きでした。」と言った後、「卵焼きはどんな色だった?」と聞くと、「黄色。」と答えます。「ほかに黄色いものは何かあるかな?」と聞くと、「菜の花。」などと答えます。そこで、「卵焼きの色は、まるで菜の花のような黄色でした。」と書かせ、「ほら、まるで菜の花のようっていうたとえが使えたよ。すごい!」とほめます。

 生徒は驚きます。「え? こんなのでいいの?」という顔をします。そして、また文を言いながら、続きを書かせます。最初から長く書かせる必要はありません。数行でよいのです。最初は、何も書けないと言っていた生徒が数行も書けたのですから、これはすばらしいことです。「わあ、こんなに長く書けたよ。」とほめると、とてもうれしそうな顔をします。

 こういうことを何度か繰り返していると、生徒は、自分は作文が苦手ではないのかもしれないと思い始めます。そして、だんだんと自信をつけていくのです。作文指導は、最初が肝心です。作文に限ったことではないと思いますが、自信がつけば自力でがんばれるようになります。そこまでの過程は、焦ることなく、ていねいに進めていく必要があります。生徒の様子を見ながら、もう少し書けそうという手前でストップしてほめるのがコツだと思います。先生が言った文をただ書くだけというのは、生徒本人の作文にはならないのではないかなどと考える必要はありません。作文が苦手な生徒の場合、最初の目標は、自分の作文を書くことではなく、作文に対する敷居を低くすることなのです。

にほんブログ村 教育ブログ 国語科教育へにほんブログ村
 ↑
ブログランキングのページです。
よろしければ、クリックをお願いします。<(_ _)>