作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

作文検定合格のための項目別段階指導<3>

2007-11-19 | 作文
~作文検定合格のための項目別段階指導~

<3>思ったこと

(1)「思いました」という言葉を使って、思ったことを書いてみましょう。思ったことは、作文の最後だけでなく、途中にも書いてみましょう。

◆「楽しかったです。」「おもしろかったです。」ではなく、「思いました」を使う練習です。

「ぼくは、楽しいなあと思いました。」

「私は、とてもきれいだなあと思いました。」

「ぼくは、また明日もてつぼうの練習をしようと思いました。」


(2)思ったことを長くくわしく書いてみましょう。

「ぼくは、とても楽しかったのでまた明日もけんちゃんといっしょに遊べたらいいなあと思いました。」

「私は、なんてきれいな花なんだろう、帰ったら早速この花の名前を図鑑で調べてみようと思いました。」

「ぼくは、明日は今日の何倍も鉄棒の練習をして、絶対に逆上がりができるようなるぞと思いました。」


(3)「もし……だったら」と、想像したことを書いてみましょう。

「もし、私がお母さんだったらあんなにきびしくしからないのになあと思いました。」

「もし、病気にならなかったら、今ごろはみんなといっしょに楽しく遊んでいるのになあと思いました。」

「もし、あと3センチ背が高かったら、ジェットコースターに乗れたのになあと思いました。」


(4)自分の気持ちだけではなく、ほかの人の気持ちも推測して書いてみましょう。

◆「たぶん」「きっと」などという言葉を使うと書きやすくなります。

「太郎君は、たぶん、とてもくやしい気持ちだったと思います。」

「お母さんは、たぶん、本気で私のことを心配していたのだと思います。」

「妹は、きっと私が手を貸してくれるだろうと安心していたのだと思います。」

作文検定合格のための項目別段階指導<2>

2007-11-19 | 作文
~作文検定合格のための項目別段階指導~

<2>たとえ

(1)「まるで~みたい」「まるで~よう」という言葉を使って物の色や形を表してみましょう。

「まるでりんごみたいに赤い夕陽」

「まるで菜の花のような色をしたたまご焼き」

「まるで雪のように白いマフラー」

「まるで満月のように丸いお皿」

「まるでたわらのような形のおにぎり」

「まるでサイコロのような形の消しゴム」


(2)「まるで~みたい」「まるで~よう」という言葉を使って物の手ざわりや音、味などを表してみましょう。このとき、「□○□○」という繰り返す言葉を一緒に使うのも効果的です。

「まるで猫の舌のようにざらざら」

「まるで氷のようにつるつる」

「まるで綿のようにふわふわ」

「まるで鈴のような音」

「まるでガラスを引っかくような音」

「まるで大だいこを打ち鳴らすような音」

「まるでレモンのようにすっぱい」

「まるで薬のように苦い」

「まるではちみつみたいに甘い」


(3)「まるで~みたい」「まるで~のよう」という言葉を使って、自分の気持ちや感覚を表してみましょう。

「まるで雲に乗っているような気分」

「まるで地獄への階段を降りて行くような気持ち」

「まるでお姫様になった気分」

「まるで海の中にもぐっているような感じ」

「まるで遠い異国に一人でいるような気持ち」


小学1年生の作文指導(言葉の森の指導法)

2007-11-07 | 作文
◆はじめの一歩

 小学1年生になって、ひらがなの学習をすれば、作文を書くことはそれほどむずかしくありません。最初から自分の力だけで文章を書かせるのではなく、子供の話を引き出しながら一文ずつ口述筆記をさせていると、あっという間に自力で文を書くことができるようになります。このときに大切なことは、とにかくほめることです。多少表記の間違いがあっても、一人で文を書くことができたという点を評価してあげてください。

◆文が書けたら

 主語述語のある文が書けるようになったら、名前や数字をくわしく書くように指導します。友達の名前、時刻など、名前や数字を使ってくわしく書けるものはなるべく詳細に書いていきます。これは小学1年生でも簡単にできます。簡単にできるということは、それだけほめる機会が増えるということでもあります。名前や数字がくわしく書けたらどんどんほめてあげてください。

◆たとえ表現

 小学1年生でもできる表現の工夫の一つとしてたとえが挙げられます。「まるで~みたい」「まるで~のよう」という言葉を使いながらたとえの練習をしていきます。特に小学生の作文では、このたとえが印象的に使われているかどうかが作文の出来を大きく左右します。だからこそ、小学1年生のうちからたとえに慣れておくことが大事です。最初のうちは、「まるでりんごのように赤い」、「まるでお月様のように丸い」など、簡単なたとえで構いません。作文の中に必ず一つはたとえを入れるという指導をします。

◆会話

 会話が入ると作文が生き生きとしてきます。誰かが話したことをそのまま書くように指導します。最初のうちは、カギかっこの書き方を手助けしてあげる必要はありますが、会話の内容を思い出して書くこと自体はあまり苦にならないようです。小学1年生だからこそ、飾らずに、ありのままの会話を生き生きと書くことができるのかもしれません。その人らしさが表れた会話は、作文の質を高めます。最初のうちは短い会話で十分ですが、慣れてきたら、長い会話を入れてみましょう。さらに味のある作文になります。

◆思ったこと

 出来事だけではなく、そのときの気持ちを書くことは作文の大切なポイントです。小学1年生のうちは、思ったことを自分らしく表現するのはまだむずかしいのですが、「楽しかったです」「おもしろかったです」など、単純な表現にならないよう工夫しましょう。これには、「思いました」という言葉を使って自分の気持ちを書くように指導をすると効果があります。

◆表記

 小学1年生の段階では、表記についてはあまり厳しく指導しない方がよいでしょう。読みを重ねていくうちに、表記ミスは必ず直っていくものです。ミスを指摘して正していくよりも、読みの練習をすることによって、自然にミスをなくしていく方が子供も指導する側もストレスが少なく、効果が高いようです。

◆投稿でやる気を

 朝日小学生新聞や毎日小学生新聞の投稿欄には、小学1年生の作文が掲載されることも少なくありません。いい作品が書けたら、どんどん投稿してみましょう。言葉の森の生徒の作品は、ほとんど毎週、小学生新聞に掲載されていますが、もちろん、中には小学1年生の作品もあります。

◆音読も欠かさずに

 小学1年生から言葉の森の勉強を始めると、自習の習慣がつきやすいという利点があります。音読は、読解力・表現力をつけるためには欠かせません。音読の自習は、時間にすればせいぜい10分程度なのですが、毎日続けることがむずかしいのです。小学校1年生のうちに、この自習の時間を生活の中に組み入れてしまえば高学年になっても、中高生になっても、自習の習慣がずっと続きます。音読によって、普段の読書だけでは補えない語彙力や文のリズムなどを身につけていきましょう。 言葉の森では、読解マラソンを推奨しています。小学1年生の長文はこちらをご覧ください。
 http://www.mori7.net/marason/marason_sample.php?yama=a&gakunennjunn=1

作文検定合格のための項目別段階指導<1>

2007-11-04 | 作文
~作文検定合格のための項目別段階指導~

<1>会話

(1)カギかっこを使ってだれかの話したことを書きます。

私は、
「おはよう。」
と言いました。

 このようにカギかっこの前と後は行をかえて書きます。
 カギかっこの書き方をしっかりおぼえましょう。


(2)カギかっこの書き方に慣れたら、長い会話を書いてみましょう。20字以上の会話です。

 その人の言ったことをそのまま思い出して書いてみましょう。

 その人の言葉づかいや方言、言葉のくせなどをそのまま書くと味のある会話になります。

お母さんは、
「早く起きなさい。昨日、おそくまでテレビを見ていたから起きられないのよ。だから、早く寝なさいって言ったでしょう。」
と言いました。


(3)そのときの表情や声の様子や動作を加えてみましょう。

 表情や動作を書くときは、「……な顔で」「……な声で」「……ながら」という言葉を使うと書きやすいです。

妹は、
「大丈夫?」
と、心配そうな顔で言いました。
私は、
「平気、平気。」
と、笑いながら言いました。

先生は、
「静かにしなさい。いつまでしゃべっているんだ。もう休み時間は終わったぞ。」
と、大きな声で言いました。

太郎君は、手を振りながら
「じゃあ、またね。」
と言いました。


(4)「言いました」を使わずに表情や動作で会話を書いてみましょう。

おばあちゃんは、
「よく来たね。」
と笑いました。

お母さんは、
「わあ、100点なんてすごいね。」
とうれしそうな顔をしました。

私は、元気よく
「はい。」
と手を挙げました。

お父さんは、
「お父さんは、運動会ではいつも一番だったんだぞ。おまえもがんばれ。」
とぼくの肩をぽんとたたきました。