作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

音読の目的

2009-07-04 | 音読・暗唱
 音読には、いろいろな目的がありますが、中野孝次さんの次の言葉は、その目的の一つを的確に示すものだと思います。

「意味など問うよりひたすらそれを朗読させる。わかっていても、わからなくても、読むことで、文章のひびき、調子、流れになじませ、からだで日本語の味わいを覚えさせることが大事なのだ。」

 内容ではなく、言葉自体を味わう、これこそが音読の本来の目的だと思います。言語の本質は音声です。黙読だけでは味わうことのできない日本語の特徴を体得することが音読の目的の一つであり、それこそが音読の最大の目的であると言ってもよいと思います。

 言葉の森の音読教材は、学年相当の内容よりもかなり難しいものになっています。ときどき、意味がわからなくてもよいのでしょうかという質問を受けますが、意味がわからなくてもすらすら読めるようになることが大事なのですとお答えしています。

 質の高い文章をすらすら読めるようになること、これは、単純そうに見えて、実は、日本語を自由に操るために非常に重要なことです。黙読だけでは身につかない日本語力をしっかり身につけるために、音読の大切さを再度見直す必要がありそうです。

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