作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

作文コーチング ~五つの意識レベル~

2009-07-20 | 作文
 NLPの本を読み、ニューロロジカルレベルについて知りました。ニューロロジカルレベルとは、五段階の意識レベルのことで、「環境レベル」「行動レベル」「能力レベル」「信念・価値観レベル」「自己認識レベル」を指します。これらの五つの意識レベルは、上位のレベルが下位のレベルに大きな影響を与えます。たとえば、「信念・価値観レベル」は「能力レベル」に大きな影響を与えます。

 この意識レベルを作文に当てはめて考えてみましょう。「作文を書くことは、人間の幅を広げることにつながる」という信念を持っている(信念・価値観レベル)人は、作文が上手になりたいと思う(能力レベル)はずです。当然、作文の勉強にも意欲的に取り組みます。(行動レベル)作文教室に通って勉強しようと思うかもしれません(笑)。(環境レベル)作文を指導する側も、「作文の勉強をすることは、人間性を豊かにする」というように、作文に対してプラスの信念を持っている人ほど熱心に作文の指導に当たるでしょう。

 この五つの意識レベルについて知っておくことは、実際の指導の場面でも大いに役立ちます。生徒の作文をほめたり、注意したりする際に、五つの意識レベルのどこに触れているかに注目し、「自己認識レベル」や「信念・価値観レベル」を否定することのないようにしなければなりません。また、「能力レベル」や「行動レベル」を注意する際は、何が悪かったかに焦点を当てるのではなく、どうしたらよくなるかを重視するべきです。そのためには、作文を書いた後で、マイナス面を指摘するのではなく、作文を書く前により良い作文を書くための指針を与えておくことが非常に重要です。

 「能力レベル」や「行動レベル」をほめる際には、能力そのもの、行動そのものをほめると同時に、下記に挙げた例のように、書き手のアイデンティティー(自己認識)レベルに触れながらほめることができます。

 「文字がていねいに書けている。」→「几帳面である。」
 「時間をかけてじっくり書いている。」→「粘り強い。」
 「短い時間で書き上げる。」→「集中力がある。」
 「理路整然と書けている。」→「物事を論理的に考えられる。」
 「深い感想が書けている。」→「思慮深い。」
 「細かい描写がうまい。」→「観察力がある。」
 「おもしろい作文が書けている。」→「ユーモア感覚が優れている。」

 自己認識レベルで自信をつけた生徒は、ますます積極的に作文の勉強に取り組むでしょう。五段階の意識レベルにプラスの流れを作っていくことが生徒の能力を伸ばすことにつながるのです。

にほんブログ村 教育ブログ 国語科教育へにほんブログ村
 ↑
ブログランキングのページです。
よろしければ、クリックをお願いします。<(_ _)>