西友やPARCOのあるブギス・ジャンクションから回教寺院サルタン・モスクに向かう途中一角の広大な平地に何やら巨大な新しいビルが聳え立っている。その名をParkview Square Buildingと言う。
確かに、周辺の公園(と言うか何もないただの広い空き地)を見下ろす何とも恐ろしげ、威圧的なビルである。
近くに寄りその佇まいを見ると、成金趣味の極みである。至る所に金メッキの装飾が施され、桁外れの財力を誇示しているようだが、どうも金ピカ装飾のどれもが何とも言えぬ悪趣味で悪寒を誘う。この異常な金信仰は、恐らくユダヤ人の臭いがぷんぷんするな。米国の大手投資銀行あたりが背後に居そうな気がする。MRT駅からもやや離れ周辺にも目ぼしい建物がないせいか、あまり人の出入りも多くないが、時々如何にもというような金髪のビジネスマンやキャリアウーマン風が肩で風切って出入りしている。暑いシンガポールの中では、何となくうすら寒い風景である。
そのビルの中二階部分はビルの前庭から一般でも入ることが出来るが、建物の上に横並びで人物の銅像が数体並んでいる。良く見ると音楽家であったり政治家であったり、軍人らしきであったり、何だか並べている基準も良く分からない。兎に角、ビルのオーナーかデべロッパーかは定かでないが、自分の好きな人物を並べているだけ、という滅茶苦茶な人選のように見え、首をひねらざるを得ない。兎に角、金は掛けていることは一目瞭然だが、哲学がないのだ。成金そのものが哲学だ、と言われたら、もうどうしようもない。
ビル入り口ではものものしい警戒が敷かれているが、敢えて中へ突入した。一階ロビーは一部だけ一般が入れるスペースがあるものの、壁の隙間から拡がる大部分は日本の寺の本堂のような感じの宗教的な異様なスペース。その本道も黄金色に包まれている。ちょっと新興宗教っぽい陳腐な臭いもしなくもない。これが一体何を意味するかも分からない。
先程の意味不明の銅像といい、このビルの圧倒的財力をゆうするオーナーは何を考えておるのだろうか。写真を撮影せんとしたが、警備のこわもてインド人に文句を言われ、このビルを後にする。
我輩と姫兄はこのビルを「悪の帝国ビル」と名付け、蔑視してその場を去ったが、どなたか、このビルの正体をご存知の方はいらっしゃいませんか。
それにしても、このブギス地区、かつてはおかまバー等が溢れ猥雑な街だったという。今でも、ブギスマーケット等極めて庶民的な大安売りの市場があり賑わっている。その地区にこの「悪の帝国ビル」が屹立しているのも、流石「ごちゃ混ぜの国」の面目躍如である。
[余談]後で調べて分かったが、一階ロビーに広がっているのは宗教とは関係なく、Barが収容されていると言う。そんなら写真撮影禁じた意味も良く分からないが。
館内外の様子、このサイトでお楽しみあれ。
http://www.parkviewsquare.com/tpl/main.htm
左側にあるIntroduction をクリックすると恐ろしい動画でお楽しみ頂けます。
ちなみに、このデベロッパーは台湾資本系で、現在香港及びシンガポールに本部を構える会社だとか。ユダヤではなかったようです..。
[お知らせ] 読者の皆さん、日頃のアクセス有難うございます。写真を拡大した同じBlog「多分駄文のオジサン日記」を下記アドレスで新設してますので、覗いてやって下さい。少しヴィジュアル的には改善したかな、と思ってます。
http://ptaro2009q.exblog.jp/