多分駄文のおじさん日記

我輩は駄文を書くおじさんである。旅、音楽、MLB、株式投資、etc., 日々想いつくままに思いを巡らすのである。

MOMAがマンハッタンに戻ってきた!

2004-11-22 23:12:49 | USA
MOMAがニューヨーク・マンハッタンに戻ってきた、というニュースを見た。
この土曜日のことである。

AP電によると、「2年半ぶりに新装なったMOMAにニューヨーク市民は長い列をなした」とある。
どうもFree Viewing 即ち、ただであった、ということもあったのだろうが、それにしてもNY名物の復活に市民の心の踊りようも想像できるというものだ。(日本では新装なったものに並ぶのは、パチンコ屋程度か!)
最近の米国絡みのニュースは余りに殺伐としたものが多かっただけに、久々に颯爽とした知らせである。

いつもニューヨークへ行くと、必ず訪れるお気に入りの場所が幾つもあるが、美術館で言えばセントラルパークの先にある「メトロポリタン美術館」、その向いにある蝸牛型建物の「グッゲンハイム美術館」、そして、53丁目あたりにある「近代美術館MOMA」であった。私にとってのNY三大美術館である。

どれもそれぞれに特徴があり楽しいのだが、その名の通り、19世紀から現代に至るまでの近・現代美術品を納めたのがこのMOMA(The Musium of Modern Art)である。
初めてここに来たのはもう20年近く前になるが、日本でも馴染みのあるゴッホ、ピカソ、モネなどの教科書等でも見覚えのある絵画が実物として目の前にある感動は大きなものであった。著名作品でも特に囲いなどもなく、すぐ目の前まで近づいて絵の具の盛り上がりを見ることも出来る。画家の息遣いまで聞こえるような至近距離まで近づき絵を鑑賞できる開放度の高さにも驚愕したものだった。その他、ウオーホールのポップな絵や、かなり理解に苦しむ抽象的なオブジェ、小建築物など、バラエティに富んだ作品の多様さにも時間を忘れてその世界に酔うことが出来た。
また曜日によっては、結構遅い時間まで閉館時間を延ばしたり、勤め人にも来場し易い配慮がなされているのも、素晴らしいことだと感じたものだった。

昨年ニューヨークに出向いた時に、メトロポリタン美術館を訪れた後、やはりMOMAにもと思い、ある筈の場所へ行ったのだが幾ら探しても見つからず、自分の記憶力がおかしくなったのかとも心配しながらホテルに戻ったのだったが、その時は新装を前にQueensに隠遁していたらしい。まだ、何かと物騒なアメリカだが、MOMAの復活により、NYを訪問したい理由がひとつ増えた、という気分である。その時までには、世情ももう少し落ち着いていて欲しいと願っている。


MOMAのサイトもなかなか情報に溢れ、楽しい。
実物の迫力には及ばないが、陳列作品の一部を見ることも出来る。是非御覧あれ。
http://www.moma.org/

紫色のアメリカ

2004-11-09 00:18:06 | USA
本日も、我輩の最近の最愛好サイト「暗いニュースリンク」が取り上げた記事が最高!
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/
兎に角、タイムリーに興味深い問題意識をさりげないタッチで紹介されている。
この地図を作成したジェフ・カルバー氏のコメントを引用:

「今日ずっと考えてたんだが、大統領選挙の接戦状態を考慮すれば、赤対青で分かれているグラフィックは、すごいミスリーディングじゃないかと思うんだ・・・で、自分でも地図を作ってみた。」

御覧のように、青色の強いのが民主党有利、より青に近いと民主党の得票率が高いということ。逆に赤色が強いのが共和党有利、と言う見方である。
実際には、このサイトでは、州毎から更に地域を細分化して地方別にこの民主vs共和の得票率を色で表している別の大学教授による分析も紹介している。こうした分析は分かりやすく、また面白い。大したものだ。(日本でもこういう分析やると面白いのでは。得票率はさほど高くない自民党が何となく大敗を逃れた前回の選挙など、このような分析をすると選挙制度に助けられていることが一目瞭然となるのでは。)
『暗いニュースリンク」では、この状況を表して『アメリカはパープル(紫)になった』としている。まさしく言いえて妙である。
先般、アメリカは西海岸全州、そして東海岸中央から北及び五大湖近辺の多くの州でKerryの民主党が勝利し、残りの地図では米国の真ん中大部分をBushが勝利した形が鮮明に出ていたが、実態はどこも接戦が多く、白黒、いや、赤青はっきりするほどの大差でもないとのこと。
州毎の選挙人の算出方法やら、得票多い候補者の選挙人まる取り方式の採用やら、その辺の設定条件のチューニング次第では、また結果も異なってきた可能性もあるのでは。4年前の大統領戦でも勝ったのはBushだったが、得票率では対立候補のGoreだったのだ。負けたほうとしては、納得し難いものがあったものと推される。

青色部分の星、と独立時の13州を表す赤線の部分からなる星条旗、これを機にいっそのこと青と赤の部分は全部紫色にしちゃったら? (アメリカに怒られる?)

Kerryは勝っていた、って言うじゃな~い

2004-11-05 14:02:28 | USA
昨日投稿した、Kerryもっと粘ってよ、のコメントに関連して、11月4日午前11時時点での朝日新聞のサイトに以下のような記事があった。 http://www.asahi.com/special/usaelection/TKY200411030113.html

『2日夜から始まった開票作業で、中西部オハイオ州がブッシュ氏が約279万4000票、ケリー氏が約265万8000票となり、その差は約13万6000票。約17万5000票と見込まれた暫定投票がすべてケリー氏への投票だと仮定すれば逆転の余地があるため、ケリー陣営は州当局に集計するように求めた。

 ケリー陣営は副大統領候補、エドワーズ上院議員が当初、法的措置も辞さない構えを見せたが、暫定投票を集計しても実際に逆転する可能性は極めて低いうえ、法廷闘争に持ち込んでも勝つ見通しはないため、一転、敗北を受け入れることにした。

 ケリー氏は3日午前11時すぎ、ブッシュ氏に電話して「おめでとう、大統領。今、国が二つに割れている。それに対して我々は真剣に何かやらないといけない」と述べ、敗北を認めた。』

これを読む限りでは、Kerryの思ったより早いと思われた敗北宣言の潔さは仕方のないところのようにも思える。
我輩のKerryの粘りのなさへの批判も、単なる表層的なものに過ぎず、これが現実なのか。
アメリカの選挙人登録や開票システムへの猜疑心は過度のものであったか? 
いや私よりもずっと猜疑心が強く(失礼!)、それ以上に情報収集能力と分析力を備えた方はこの世の中ちゃんと居られるものだ。

この方のサイトは面白い。
そのタイトルは、『暗いサイトリンク ‐ 政府があなたに熟考してほしくない由々しき情報』
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/
米国内外の様々な報道機関のコメントを丁寧に拾い、読ませてくれる。最新投稿では、Kerryは勝っていた、と主張する記者の記事を紹介している。大統領選挙に関するあまたのサイトの中でも秀逸の読み物であり、日々愛読させて頂いている。
以下サイト作者ではなく、彼が紹介している記者の記事の抜粋。

『ブッシュはオハイオ州を136,483票差で制した。一般的にアメリカ合衆国では、およそ3%の投票が失格とされることである---選挙用語では「欠陥票」と呼ばれる---投票相手が未定とされるのだ。パラスト記者の調査によれば、オハイオ州で廃棄された票がカウントされていたなら、ケリーが勝利を収めていたと推定される。クリーブランド・プレーン・ディーラー紙の本日の記事によると、同州で廃棄された92,672票に155,000票の暫定票を加えたとすれば、オハイオ州全体で247,672票がカウントされていないという。』

この記事の筆者がどういう立場の者かは存ぜぬが、そもそもやはり怪しい状況が厳然とあり、またそのような状況は単にオハイオだけではないだろうことも、信じてもよいのではないか、という気がする。やっぱりKerryさん、もう少し粘っても良かったんじゃないの?尤も、インチキ・不正は民主党の票にのみ起きることでもないとも思えるが。


しかし、一方ではこんなの。
『オハイオ州の暫定投票、集計続行へ』(再び朝日新聞サイトより)
http://www.asahi.com/special/usaelection/TKY200411040266.html
『2日開票された米大統領選で、最終決着が遅れる原因となったオハイオ州の暫定投票の取り扱いをめぐって、同州当局者は3日、「ケリー上院議員の敗北宣言とはかかわりなく、すべての票を集計しなければならない」と述べた。ロイター通信が伝えた。

 2日夜(日本時間3日午前)から始められた開票では、最終的に選挙人20人が割り当てられた激戦州オハイオをどちらが制するかが、勝敗のカギとなった。

 ブッシュ大統領が約13万6千票リードした3日午前の段階で、未集計の暫定投票が13万5千票から17万5千票あることが判明。このため、ケリー陣営はその集計が終わらないうちは、敗北を認めないとの姿勢を打ち出し、一時、膠着(こうちゃく)状態に陥る恐れも出た。

 こうした事態を受けて同州のブラックウェル州務長官は記者会見で「集計は(投票日の)11日後から始める」と明らかにした。その通りであれば13日以降、集計が始められることになる。ただし、実際の集計をするに当たっては、各投票者の有権者登録の有無など、適格性を確認しなければならないため、場合によっては数週間かかることもありうると見られている。』 (11/04 20:25)


「投票や登録が怪しいのは誰もが知っている事実だけれど、もう敗北宣言出ちゃったんだから良いじゃないの、後から一応形だけは集計を終わったことにするよう帳尻合わせるからさ...。」とこんな声が聞こえて来そうだ。
これがロケットサイエンス発祥国アメリカの持つもうひとつの側面なのである。

長くなったが最後に、本日の日本経済新聞一面のコラムにこんなのがあり。
『今回の大統領選でも、おごそかに勝ちを告げるレフェリーはいなかった。ケリー氏が敗北を認めて「まいった」をし、ブッシュ氏はそれを受け入れて、勝利宣言をした。どこからか権威を借りてきて判定を仰ぐのではなく、対戦車同士が勝敗を決め、敗者は勝者をたたえ、勝者は敗者をねぎらうという図式である。今や訴訟社会といわれる米国だが、開拓以来、力づくの争いを遺恨を残さずにおさめてきたのが、この当事者決着の精神なのかもしれない。』

う~ん、ますますわかったようで分からない、選挙民だ、参謀だ、マスコミだ、世界の世論だ、なんだかんだ言いながら、最後は当事者の判断だけで勝ち負けが決まるということか。

夜でもOhioとはこれ如何に

2004-11-03 23:11:01 | USA
3日午後10時時点(日本時間)での米大統領選挙の開票結果ではBush,Kerry両候補の差は僅少、残るは3州の結果次第らしいが、とりわけ選挙人の人数がその中では20人と最多のオハイオ州での暫定票の結果が重大な結果をもたらすということらしい。


東海岸北部のリベラルな州は、出身地でもあるのか、Kerryが強く、また彼は大票田の西海岸California州やOregon,Washington州も押さえている。一方Bushは中部・南部の州では圧倒的に強い。先ほどTVで寺島実郎氏が語っていたが、米国人のパスポート所有率は僅か10%台。アメリカこそが国家であり、その他の国の存在など認識していない人間がわんさといる国なのである。Bushは敬虔なクリスチャンで宗教心の厚い人々には強い支持を受けているらしい。日本を含めた国際世論がBushに対して批判的であっても、そういった要素を視野に入れることを認める必要のない人間が圧倒的に多いのだ。
アメリカ地図で州別にこれまでのBush,Kerryの勝利州を色塗りしたチャートを見ると、上の2つの角はKerryで、中は圧倒的にBushという形。オセロで言えば、端を取ったKerryの勝ちだが…冗談!)ただ、比較的真っ当な国際感覚を有する人間がKerryが勝利したこれら大都市に多いことも事実であるとは思う。
NY、LA, SF等の大都市のある州でKerryが勝ち、その他ではBushが勝利、というのは、都市部では民主党やその他野党が強く、農村部では圧倒的に自民が強い、という日本の構図にも通じるものを感じるが、どうなのか。



それにしても、ビジネスの世界では、特に金融界等では、ストレートスループロセスが当たり前な最先進のIT社会である米国で、何故にこうも投票・開票に原始的なトラブルが多いのか。不在者投票の扱いにこうも時間が掛かる、というのも、とても先進国とは思えないようなトボケタお話である。

いづれにせよ、Ohio州の結果がとても気になる。今晩はきっと結果は出ないであろう、きっと明日の朝であろう、「おはよう」(Ohio)の声を聞く頃には結果は判明しているだろうか?
(初めて出してしもうたオヤジギャグ!)いや、どうも判明(Bush再選?)は金曜日位まで待たなければならないらしい、大丈夫か、アメリカ!


写真は、一昨日掲載したものの再掲載、NYのTimes Squareです。
知らないうちに写真がはずれており、再掲載しようとしたが出来ず、でこの紙面でもう一度、です。