多分駄文のおじさん日記

我輩は駄文を書くおじさんである。旅、音楽、MLB、株式投資、etc., 日々想いつくままに思いを巡らすのである。

ごちゃ混ぜの国シンガポール(39)-スイスホテル 

2004-12-25 21:04:36 | Singapore
ラッフルズ・ホテルからワンブロックのところにある超高層ビルが、スイスホテル・ザ・スタンフォード。
地上226m、71階建ての高さは、ホテルとしては世界最高とのこと。
元来はウエスティン・ホテルだったものがスイスホテルにより買収・改装されたものらしい。

スイスホテルというのは、十年以上前には殆どその名も聞かないホテルであったが、ここ数年積極的な買収を重ねてグローバルなホテルグループとして台頭して来た。シンガポールのこの世界最高層のホテルまで手に入れたということだ。

兎にも角にも無用に高い建物だ。目の前には遮る建物もなく、いきなり聳え立つこの建物はランドマークとしては有用であるにしても、何故にこんなところにこんな高い建物を造るんだろう、という印象しか湧いてこない。東南アジアではこのところ高層建築ブームが続いており、隣国のマレーシアあたりにもかなりの高層建築が出来ているようだが、シンガポールも対抗意識むき出しで、勢いで造っちゃった、というようなことなのだろうか。
夜景を見るために、最上階のレストランへ行くのは有りにしても、正直とてもこのホテルに泊まろうという趣味は持ち合わせていない。

ラッフルズの横のこの高層ホテル、という組み合わせも意味ありげだ。
ホテルの様式としては、詩的なラッフルズとコンクリートの塊のようなスイスホテル、低層と超高層、歴史とモダン、と、ことごとく対照的な佇まいである。
が、実は調べてみると、ラッフルズホテルは現在スイスホテルの資本系列に入っているようだ。
どこかの段階で、スイスがラッフルズを系列化に入れたのだろう。

チョッと想像もしていなかった組み合わせに驚くと同時に、スイスホテルに隣接したショッピングセンターやホテルを含めたコンプレックスをラッフルズ・シティと名乗っているのも合点した次第だ。調べてみるものだ。

ごちゃ混ぜの国シンガポール(38)-フラトン・ホテル Part-2

2004-12-25 12:18:21 | Singapore
フラトンの中に入る。

ラッフルズでは、門前払いを食っており、また同じ扱いをされる可能性もある、とやや神経を尖らせた。格からすれば、同じ扱いを受けても全く不思議でない、それほどにこのホテルの威圧感には聊か緊張させられた。
我輩もH兄も相変わらずのTシャツ・短パン姿で、タキシード姿のドアマンやその他のホテルマンからも厳しくチェックされることになるのか。

しかし、恐る恐る中に入り進んで行くも、意外にも誰からもお咎めはなく、すんなりと内部に入ることが出来た。
入って驚愕、中は大きく吹き抜けが拡がっており、どうも外壁部分には客室があるものの、中は完全に広く大きな空間がゆったりと建物全体を支配している。
何と言う貫禄であろうか。目の前に見える極太のコンクリートの円柱2本がこの建物の歴史と風格を物語っているようだ。まさしく、「横綱」という言葉が脳裏に浮かんだが、図抜けたホテルであることを知らされた。
このように最上級のホテルでも、文句もなく出入りを許してくれる度量の大きさに、ラッフルズでは得られなかった敬意と親愛感をこのホテルに抱くに至った。
是非宿泊の機会を持ちたいものだ、と思った。

破綻家計

2004-12-25 00:51:30 | Weblog
この家の年間所得額は629万円。

従って月給は12ヶ月割りとすると、57万円。
実はそのうちの3分の2の38万円はローン返済と田舎への仕送りとなる。残り19万円で生活できるか。結局、食費を減らし、贅沢はせず、切り詰めるものは切り詰めなければならないが、最低の食生活、水道高熱等の固定費を払うと、19万円では実際生活できない。

子供への養育費は当然先細り教育費用の捻出もままならず。その結果として、子供の学力低下は著しい。子供は知力も気力も減退し、今までは見下ろしていた他の友人にも簡単に成績は抜かれていく。また、年老いていく親への経済的な支援も段々減ってきており、年寄りにも自活してもらわぬとならぬ、と居直る。

家計の3分の2はローン返済だが、これも金利暴騰したら唯でさえ火の車の家計が、完全に破綻する。借金は利息が膨れ上がり、返しても返しても、むしろ負債がどんどん大きくなっていくばかり、そのうち所得を上回ることも眼に見えている。
しかも、家計の大黒柱たる父親は、家の安全が大事だ、と家族や周囲の反対をよそに、用心棒代を随分払っている。
医療費や家の修繕費、払わねばならぬものは山ほどある。
結局支払いする現金もなく、止む無く使ってはいけないと誓っていたカードローンで賄うが、借金は増えるばかり。
毎月毎月40万円近くの借金をしている....。


...とこれは、幸か不幸か、我輩の家計の話ではない。

24日に決まった2005年度予算政府案の歳入と歳出を、平均的な勤労者世帯(年収629万4000円)の毎月の家計に当てはめるたお話である。
国の財政が、通常の家計では考えられない危機的な状況にあることがよく分かる。―月収52万でも3分の2は過去の借金の返済と仕送りに消え、毎月40万円近くを新たに借金し続ける。こんなことは普通の家庭では成り立たないお話である。それが国家レベルでは平気で...。――

上記のように書くと、如何にこの国家の収支が破綻的な状況に置かれているかが驚きと戦慄を持って理解される。
ここまでこのように放置されてきた原因は何なのか。誰が舵取りをしていたのか、また、それに対して明確な責任体制はあったのか。

数十兆の歳入というとあまりに桁が大きく実感が湧かぬが、もうほぼ禁治産者状態と言っても良い状況である。
帳尻合わせのため税金、社会保障費等じわじわではあるがその割合は年々増加し、気付いたら所得の大部分が天引きされてしまい、可処分所得は極く僅か、というような時代が意外と早く到来するのではないか。
諸外国では、これらのコストが高くつく国も少なくはないが、その場合には概ね社会のインフラは充分に整備されており、結果的には、払ったものが充分に報われる世界となっていることが多い。
しかし、残念ながら我が国の場合、大きく天引かれたコストが個人に還元されるメカニズムにはならないであろう。何とも情けない国になったものである。
もうまともな人間は国を捨てる、という決断も、当たり前のように選択肢のひとつになってきた時代であることをこの面からも改めて感じる次第である。