多分駄文のおじさん日記

我輩は駄文を書くおじさんである。旅、音楽、MLB、株式投資、etc., 日々想いつくままに思いを巡らすのである。

社外取締役

2005-03-31 23:40:49 | Weblog
ニッポン放送の社外取締役が3人一斉に辞任したという報道を目にした。
通常株主総会などを通して身を引くことは多いものの、こうしたタイミングでの辞任は珍しいという。日本ではこの「社外取締役」というのは、あまり馴染みのない役割のようで社会的にも認知度は今ひとつである。

そもそも日本では「取締役」というのも、会社の出世街道の第一の大きな到達点、やっと重役の一員となり、経営の執行に携えるという感覚だろう。米国の場合は、全く異なっており、この取締役、Director,は経営の監視役であり、執行役ではない。経営の執行を監視する言ってみれば株主の利益を代表する立場で経営に物申すことが最大の任務である筈。米国企業の場合、取締役会の過半数以上がこの「社外取締役」から構成されている。彼らが平気でCEOを首にする例は枚挙に暇がない。最近CEOをクビになったというHPの女性社長・フィオリーナ女史も、この社外取締役の意見によるものである。

ニッポン放送の社外取締役を辞任した久保利弁護士や野中ともよ女史は著名人であちこちに肩書きを持つようなひとであるが、これまで騒動の渦中にあったニッポン放送の社外取締役としては、殆ど目に見えて判るような言動は見えてこなかったのが実は個人的にはずっと不思議でならなかった。このような時ほど、社外人として客観的冷静なコメントを経営陣に対して言うべきだったはずだが....。

そして、今日の突然の辞任である。
「一身上の都合」で雁首そろえて辞めていく、というのも非常に解せない。
所詮は「社外」人、火中の栗は拾わず、単に臭い物には蓋、君子危うきに近づかず、ということだけであれば、日本のコーポーレート・ガバナンスなど無きに等しいものと言わざるを得ない。
3人一緒の辞任の真相は如何に?

春はすぐそこ?

2005-03-31 00:08:58 | Weblog
午前中は米国本社のカウンターパーティとなる者と急遽電話会議を行うこととなった。
急にやる、と言われ、午前中に予定していたことも後回しにして、会議の準備。
同じ内容でも、英語でやるとなると、どうしてもそれなりの準備をしなくてはならない。
1を言うにしても、10の用意をするくらいの心得でないと、なかなか本番では言いたい事を言い切れないものなのだ。
実際には約束の時間に先方担当者の自宅に電話をしたが、どうも会社に戻った、との奥さんの声。米国東海岸時間では夜9時過ぎだが、一旦戻った自宅からまた他にも急用があり、再び会社へ行ったらしい。まことに、猛烈会社人間である。
こちらは準備で疲れ、また時間を延ばされて疲れ。先方は自国語で思いつきで喋れるが、こっちは大変だよーッ! まあ11時半過ぎにやっと30分ほど話が出来、何とか無事状況報告も終わり一安心。

気が付けば3月もあと2日を残すばかりとなった。
昼休みは、近くの靖国神社を久しぶりに歩くことにした。
昨年今頃には既に開花していた桜、今年はまだのようである。
地方から来たらしい大型観光バスなども何台か並んでいるが、「サクラ咲く」にはまだ至らず、空回りの態。境内には、露店のテント小屋を組み立てている危なさそうな人たちがそこらに沢山たむろしている。
春はもうすぐ、というところだ。
桜満開、も良いが、その前のまだ白々しい空気もそれなりに悪くない。

夜会社を引けたのは、午後8時を回った頃。
W杯バーレーン戦があるせいか電車がかなり空いている。皆早く帰宅しているのだろう。
自宅最寄り駅の前に巨大なショッピングセンターがオープンした。
AEON(ジャスコの経営)が中核となり、多くの専門店が入った4階建ての大型店である。
今のところに引っ越した頃は、駅の周辺は全く何もない空白地帯で、景気の停滞でその空白期間が少なくても10年近く続いていた。
駅前の巨大な空き地が埋められ、立派な商業施設が出来たことは喜ぶべきことである。
最近は食料品・日用品の店舗に加えて、キラーコンテンツと呼ばれる、専門の人気店をこうしたショッピングセンターに入居させるのが必須パターンのようだ。
当SCにも、Right On, Tower Record, Sports Authority, Starbucks,等などお馴染みの人気店が顔を並べている。やっとこの地域にも遠出をせずともそれなりの買い物が出来る施設が出来たようだ。
少し気分的にも、春が来た、という気がしてきた。


電器コーナー、大型TVの前には人だかり。新しく出来た大型ショッピングセンターを見て回りたいが、やはりサッカーが気になる、という人が沢山集まっている。
W杯後半ももう終了に近い時間帯だった。1-0で日本リード。
先ずは良かったね、というところだ。

明日も早朝からまた別の人間と、電話会議の予定。
Webexという画面のプレゼンテーションを見ながらの会議となる。これまた、疲れるなあ。
人生は長い、さあそろそろ寝よう。

マーフィーの法則(2)

2005-03-30 00:47:58 | Weblog
「マーフィーの法則」をYahoo!で検索していたら、面白いページを続々発見。
ここに謹んでご紹介!
ぷりてぃ~みるくさんのHPより、ベスト5を選ばさせてもらいました。
http://www.geocities.co.jp/Foodpia-Olive/1934/murphy.html

● 満員の時、自分の立っている前の席だけが空かない。
● 財布の中の10円玉の枚数は、必要な枚数より1枚少ない。
● お客様からのトラブルコールは昼休みの5分前にかかってくる。
● はりきって「もしもしぃ~」と電話に出たら、Fax送信音だった。
● ビデオに撮ってまで見たい番組は、必ず野球中継が延長する。

もうひとつ、面白いサイト。
「WEB板マーフィーの法則」 以下、傑作集!
http://sagisou.sakura.ne.jp/~sakuchin/kazumi/07/74.html

● プロフィールに「嫌いな人」という項目がある場合、そこに書かれているのは管理人の人柄である。
● 掲示板に書き込みがないことをしきりに気にする管理人のサイトほど、日記とかに内容がない。
● ネットマナーな著作権などについて、やかましく書いているサイトの管理人ほど無法者である。
● 掲示板閑古鳥で外そうと思って久々に覗いた時に限って、「はじめまして」などの中途半端なかきこみがある。
● 同じジャンルで、若い女性がやっているコンテンツ貧困なショボサイトと、
男がやっているコンテンツ充実サイトのイケてるデザインサイトでは、前者の方が盛り上がっている。
● 自己顕示欲が強い。もしくは他人を見下してるヲタに限って、自分をおとしめる痛いコンテンツ名がある。

もう、このサイト、面白過ぎ!
個人的にも思い当たる節あり。
「マーフィーの法則」、結構とほほで悲観的のようだが、底に流れる楽観主義はこれ即ち「人生の知恵」なり。
本当に面白い。
アメリカ人が起源の割りには、面白すぎる!

マーフィーの法則

2005-03-30 00:14:21 | Weblog
毎日新聞朝刊一面の下にある「余禄」というコラムがある。
朝日新聞で言えば、「天声人語」にあたるものだ。
本日のの同コラムにはふと、「マーフィーの法則」というのが引用されていて、懐かしく思った次第。トラブル相次ぐ日本航空への警告の導入部分に、この法則のことを紹介している。
『マーフィーの法則』: 今から遡ること20数年前の大学生時代に、経営学の講義を受けた時に初めて知った聊か諧謔的な法則であった。誰しもうすうす感じている世の「法則」だが、なかなか良い塩味が効いている。

最初に知ったのは、「会社の上層部に行けば行くほど、人はその無能さが明らかになる」とか、そんな内容の警句であった。
事務レベルで良い仕事をした人間を経営レベルに上げた途端、全くこれまで発揮されていた能力が発揮されず、むしろ経営の能力もないことが露呈してしまう、というような、人を皮肉った内容である。しかし、結構こういうことは実務上ホントに良くあることで、そうそう、と頷いてしまうのだ。
元々は米国空軍基地の技術者だったマーフィー氏だが、テスト飛行機のトラブル調査の途中に、「失敗する可能性のあるものは必ず失敗する」という法則を見出したという。
ここから数々の傑作バリエーションが生み出されてきた。
「傘を買ったら、雨が止む」とか、「車を洗ったら、雨が降る」とか、もう枚挙にいとまはない。
自家製マーフィーの法則を造り出すのも一時ブームになったことがあったと記憶する。

「探し物は最後に探す場所で見つかる」 -これもマーフィーの法則。
実は昨晩、遅い帰宅であったが、生命保険の更新で、これまでの保険証券が必要だとのこと。
夜中でもう疲れていたにも拘らずあちこち探したが見つからない!
日頃の整理が悪いなあ...。探し方が悪いのか、もう集中力も途切れた時間帯であった。
3ヶ月ほど前に保険会社に勤めていた知人に更新にあたっての条件見直しをお願いして、直接その保険証券を見せた記憶があるので、そんなにとんでもないところに仕舞った筈はない、すぐ見つかる筈、と思っていたのだが、遂に昨晩は見つからなかった。

本日早朝起きて、やはり、少し他の心あたりの場所を探したが、見つからない。
そのときにこの「マーフィーの法則」の新聞コラムを見て、探し物をしているときに探し物の法則を見た偶然性と、その法則が「最後に見つかる」とあったので一寸希望を持てるのかな、という感覚を持つに至った。

しかし、実際には、更に幾ばくかの努力をしたものの、残念見つからず!
会社に行く時間になり、ギブアップでした。
「探し物をしていたら、前に探しているものが出てきた。」
「失くしたら困るものほど、なかなか見つからない。」
うーん、我輩にはあまりにもあまたのマーフィーの法則がまとわり付いておる。

ところで、Murphy's laws siteというサイトを発見。
種類別に色々な法則の紹介や、その法則を打ち破る法、なんていうのもある。
英語ですが、面白いデスヨ。
http://www.murphys-laws.com/murphy/murphy-true.html

Washington D.C.(4) 議事堂がお出迎え

2005-03-29 00:15:22 | Washington D.C.
日曜の朝、BethesdaからMetro地下鉄に乗って20分余りで、WashingtonD.C.の中心に到着。
駅から降りたすぐのところにある本屋で一息整え、いよいよ街を歩く。

目指すは国会議事堂。
2ブロックほど坂を下り歩き、左手遠方にその姿が見えた。
いよいよWashingtonに来た、と実感。
宝石箱のような街を歩く興奮を覚える。
寒さは相変わらずだが、次第に胸は高鳴る。


SBI現る....

2005-03-27 11:12:47 | Investment
今の会社に入る前、その前の会社を辞めてから1年ちょっと浪人をしていた期間があった。
その間趣味で(?...本当は、生活のため、と言いたいところだが....)株の売買等を少々やっていた。
朝からリアルタイムの株価ボードと1分刻みの分足チャートを睨みテクニックを駆使するデイトレ手法や、割安割高、要は買われ過ぎ、売られ過ぎの銘柄をチャートや計量手法を具現するPCソフトを用いて収益機会の高い銘柄を捕まえ逆張りするスイングトレード、などの手法で売買をするのである。
出来るだけ科学的にセオリーに忠実に売買をしようとは心がけるが、一方、現実にお金の絡むこのゲームは「欲望と恐怖」の狭間を行ったり来たりする一種心理ゲームの様相が強い。

自分にとって相性の良い銘柄、悪い銘柄、色々ある。
ソフトバンクインベストメント=SBI(8473)も良くお世話になった銘柄であった。
一般個人投資家の間ではITバブル崩壊後でも最も出来高の高い所謂デイトレ銘柄だったソフトバンクの子会社としてSBIも同様に、『値動きの良い銘柄』として個人の取引対象として人気が集まっていた。
SBIの当時の業績はM&Aも次第に軌道に乗り上向きであったが、どうも株価自体は情けない動きが多く、なかなか上に突き抜けない。良い情報(業績の上方修正や合併・買収、子会社上場などの好材料)が有っても、買いが続かずすぐに値がだれてしまう習癖がある。従って、このパターンで上がったところで信用の売りを建てると、値下がりにより利益を得ることが出来る。こうしたことで小銭を稼ぐことしばしばであった。

しかし好事は続かぬこと多し。
好材料が続出し、業績見通しが良くなり、高値の壁を突き破って珍しく株価が上昇し続けた。
通常一定の株価圏を往来するボックス圏を抜けると、その間のエネルギーが溜まっていることから上放れ、下放れでどちらか一方に強いエネルギーが働くことが多い。ということで、やや高値圏に突入したものの先高観強いと10人が10人感じるだろうという局面でこのSBIを、珍しく「売り」ではなく「買い」で建てたことがあった。
確かに最初は好調であったが、上昇が続いたこともあり利食いが入り、株価は下がった。
これは良くある好調な株の一過性の状況であることが多く、そのまま持続したが、実際には、やはりこのSBIの株の習性を良く理解している、と言うか、この株を信用していない投資家は多かったのだろう、利食いのあと、通常は押し目買いが入るのだが、逆に、一旦の押しが小さくなかったこともあり、売りが売りを呼び、大きく株価は下落。大幅な下落は更にパニック売りを呼びまた大幅下落が続くことになった。見通しは結局悪くないが、買いが多すぎて上がらないとなると皆慌てて逃げていく。、結局買ったあと一週間で15%強簡単に下がってしまった。(無念、損切りできぬ我が身が情けない、とほほ...)
と言うことで、SBIは我輩にとってはなかなか癖の悪い銘柄である。結局は、小さく稼いで大きく損をする、という下手くそ投資家の典型的なパターンをこの銘柄で踏んでしまった。
株価が上がったところで、新株発行、とか、結構既存株主の利益を希薄化するようなことも平気で行う会社であり、(平気で)投資家を裏切っておる。
言っちゃ悪いが、全く油断ならないなあ、という印象がある。

「人の家の玄関から土足で入り、仲良くしましょうやと言っているようなもの」とホリエモンを評してかの北尾氏は物分りの良い大人の発言の如きを放ったが、そこまで言えるほど彼は清廉潔白だとは思えない。
百戦錬磨の図太い策士であり、決しておとぎ話の「白馬の騎士」で終わるような器ではないだろう。
彼の出現で、これまでのホリエモンや日枝会長、亀淵社長ら出演のライブ劇場も様相は一変してきた。これまでの役者さんはそれなりのキャラクターではあれど、何かプロの経営者としては軽量級のイメージがあったが、北尾氏という重量級の役者出現でドラマのニュアンスも変わってきたようだ。ちょっとばかり重い感じになってきた。
どうもSBIへの聊か苦い思い出もあり、このドラマの味も苦々しいものになって来たナア。

Washington D.C.(3) Bethesda Part-2

2005-03-26 23:57:45 | Washington D.C.
長い空の旅を終えWashington D.C.の郊外Bethesdaに到着して一晩流石に良く眠れた。
日曜日なので朝早めからWashingtonの中心地へ行き、前回も行った美術館を中心に街巡りをしようと決めていた。

取り合えず朝9時前にはHotelを出る。
かなり寒い! すぐに地下鉄に乗る前に昨晩歩いたレストランや書店のあるところを明るい中、再び歩く。夜とはまた違った景色だ。

この寒さの中でも結構ジョッギングをしている人が多い。それも年配の人が多いのが特徴的だ。犬の散歩、というのも結構居るなあ。こちらは日本の我が町とも変わらぬ景色だ。

時々日陰に雪の残りが見えている。
3月とは言え、まだ春は遠そうだ。
さてそれではWashingtonに行こう。


W杯 ‐途中で寝てしまいました

2005-03-26 11:24:09 | Weblog
12万人も入るスタジアムで男だけの大応援、いや異様な雰囲気だ。
満員の甲子園球場の2倍の人数の轟音は、アウエーチームには凄まじいプレッシャーになる。
物は投げ込まれる、鳩の死骸や火炎弾も雨あられで降ってくる無法地帯だ。
W杯はどうもサッカーと言う名を借りた国同士の戦争のようなものである。

TVで前半戦見ているうちに眠たくなって寝てしまったが、先制点取られる前の段階で客観的に見て、既にスピード・パワーで日本は随分見劣りしているように見えた。特にイランFWのドリブルの突破力やフィジカルの強さは印象的。日本にはあまり煌めくプレイは見えない。20分ほどうとうとと前半戦見たところで結果は0-2で負け、と読み、仕事の疲れもありそのまま寝てしまった。勝負は強いものが必ず勝つとは言えないが、日本の勝機あるとすれば、その勝負のアヤに恵まれた時だけか、という感じがしていた。

朝起きて結果を知る。1-2だと。
負けは覚悟していたが、残念。それでも1点とったか!
1-1から決勝点取られたのか、0-2から1点返したのか。どうも後半0-1から追いついたことを知る。それなら惜しかったね、ということだ。
あのスタジアムの圧倒的な雰囲気の中、追いついたことで勝利への欲もちらつき防御が甘くなったのか?不利なアウエーでの強敵との戦いでは、こうした状況で勝ちを狙いに行くのか引き分けで良しとするのかの意識が今ひとつハッキリしていないような印象を受けたがどうか? 

それにしてもイランのスタジアムの雰囲気、そして同日早い時間に行われた北朝鮮vsバーレーンの北朝鮮のスタジアムの様子をTVで見る限り、それぞれそのお国柄を象徴するような各様の極端な不気味さがあった。Bushの言う「悪の枢軸国」が2カ国も居るトンでもないグループに日本も入ったものだ。平和ボケした日本ではそこまでの異様な応援風景など造っても造れない。

FIFAのサイトを見て、今回の2次予選では、いづれも1戦目には今ひとつだった西アジア勢が勝ち、日本・韓国・北朝鮮の東アジアは負け。韓国がサウジに0-2で負けたのも一寸意外であったが、妙な符牒の合い方だ、とつまらぬところで感心(プラス一寸安堵)。
'West Asia back on track' と見出しがあり、西アジア勢が本来の勢いを取り戻した、と書いてある。http://fifaworldcup.yahoo.com/06/en/index.html
まだ先があるという点では、日本はもう一度陣容・戦略を根本的に練り直して頑張って欲しいものだ。

「ずるい!」 ??

2005-03-24 19:11:50 | Weblog
カメちゃんこと亀淵ニッポン放送社長は、新株予約権発行差し止めに関する高裁の判決後記者会見に臨み、「昔はディスクジョッキーもやっていて若い人は好きだけれども、今回のライブドアのやり口は違法行為すれすれで、ずるい」と発言しておった。
我が高校時代の揺ぎ無いアイドルだったカメちゃんを、こんな形で見るのは残念至極。
あの時のスピード、ユーモア、軽妙さは何処へ行ってしまったのか。

どうも放送局ではTVラジオを問わずCM制作なども広告代理店との間では契約書を交わすことなく仕事をする、という今どきには信じられない実態があるようだ。この「契約社会」の世の中でまだこうしたビジネスマナーがまかり通っている業界があること自体、不思議でたまらない。
しかし、密接な人間関係・信頼関係に依存した、閉鎖的かつ、どんぶり勘定の特殊なビジネス慣行世界にどっぷりと浸かった人達からすると、堀江氏の場外取引による抜き打ちの同社株大量取得は「ずるい!」と思わず表現してしまったのであろう。(ニッポン放送の新株発行権やポニキャ二株のフジTVへの譲渡案などニッポン放送側も結構「ずるい!」と思うが....。)
あまりに人間的な、率直かつ平易な感情である。カメちゃんらしい、と言えば微笑ましいが、東証上場企業のトップにしては、随分ナイーブな発言だ。

今や完全にグローバル化した資本市場の中では、狼やハイエナの如きが違法行為すれすれで買収を仕掛けてくることなど日常茶飯事。ホリエモンが言うように、上場するということは買収されるリスクも覚悟の上で資本市場にアクセスすることなのである。資本市場には、純粋な資本家も居れば、短期のサヤ抜きや様々な飛び道具・トリックを仕掛ける悪意の投機家もあまた居る。
立つべき土俵を理解せずに、それをもって「ずるい!」と泣き言を言うのは、敬愛するカメちゃんには悪いが、上場企業の経営者としては情緒的過ぎて、かつ、かなりピントのずれている発言、と言わざるを得ない。

しかし、今日の新聞その他の報道を見て驚いた。
ライブドアがニッポン放送の経営権を握った場合には、現在の番組を降板する、と宣言する者が続出しているという。
タモリをはじめ、脚本家の倉本聰、市川森一、野球解説の江本孟紀、オールナイトニッポンのDJもやった中島みゆき、等そうそうたる面々だ。
まさかカメちゃんの「ずるい!発言」に憐憫を感じたわけでもなかろうが、やはりこの閉鎖的世界で志を同じくする連中は、経営が変わった会社、特に訳の判らぬ生意気なTシャツのお兄ちゃんには反感を持つわけか。

買収されたニッポン放送は今までのニッポン放送ではなくなるということ、他のラジオ局と同じになってしまうので出演する理由はない。(中島氏)阪神首になり、仕事がないときに拾ってくれたのがニッポン放送、その恩義は忘れていない。(江本氏)

ここにも「ずるい!発言」に相通じる日本的情緒的な世界がある、と思わず苦笑してしまった。

Washington D.C.(2) Bethesda

2005-03-23 23:42:16 | Washington D.C.
Washington-Dullas空港から向かった宿泊地がBethesda、べセスダという。
空港から3,40分ほどのところにあるワシントン近郊の都市、というか街である。
この街には、大きな病院があり、街の看板となっている。
かつての米大統領John F.Kennedyが最後の外科手術を受けた病院がここBethesdaだったというのは有名な話。どうも手術結果が良くなかったが、その背景には色々な政治的な陰謀があったとか、一寸謎めいたストーリーが尾ひれをつけて語り継がれているようだ。

宿泊はHyatt Regency。
街のメインストリートに面し、ワシントンに繋がる地下鉄駅にほぼ接続した至便な場所にある。
前にも書いたが、かつては一泊$150程度で泊まれるコストパフォーマンスの良いホテルであったが、改装を理由に値段は倍になってしまった。これは不当である。ただ、Weekendは少し割安にして$200程度。決して安いとは思えないが、この街には不思議な魅力があり、取り合えず週末だけはお世話になることにしたわけだ。

到着したのが夜8時半頃。
外気はかなり冷たく、恐らく氷点下の世界。
外を歩いている者は居ない。
取り合えず、食事をしに外へ出る。ホテルから3,4分歩き、Mongolian Beefの店へ。
この店はユニークで、自分で好きな種類の肉、野菜、ソースを選び、さらにご飯をドンブリに盛り、それを店のコックに炒めてもらう。チャーハンのような出来栄えだがこれが美味い。何回でもお代わりでき、その度に選ぶ具も変えていくことが出来、楽しい。
1年半前にこの街に初めて来た時にもこの店に2度ほど来た。今回も是非ここで食事をしようと思ったわけだが、聊か興奮しすぎて一回目はご飯を盛るのをすっかり忘れ、チャーハンではなく、ただの肉野菜炒め、となってしまった。

そして、その後、また小雪散る暗闇を歩き、レストランが並ぶメインストリートへ。
ここだけは人も多い。世界の各国の料理がこのレストラン街で賞味できる、なかなかお洒落な街並みなのである。
お目当てはBarnes & Noble、いわずと知れた全米に大チェーンを張る有名書店である。
この3階建ての本屋さんは夜の11時まで営業していることから、老若男女があまたゆっくりと本を楽しんでいる。地べたに座り込んで書物に没頭している女学生なども居る。中には広いStarbucksがあり、ここでコーヒーを飲みながら購入した本を読んでいる人々の風景もなかなか絵になる。またCDショップも併設されているが、ここは聴きたいCDをスキャンして実際にCDの最初6曲の頭部分を試聴することが出来る。

兎に角、楽しい時間を色々なコーナーで見つけることが出来るスペースなのである。時差ぼけにも拘らず、閉店時間の11時までの約2時間もこの店で過ごした。多くの人が閉店まで粘っていたようだ。
外へ出るとまた厳しい寒さ。書店の中に居た多くの人も霧散し、また厳寒の暗闇を歩きホテルに戻る。
長い旅の一日が終わった。
この一日は36時間くらいの一日であった。

指紋

2005-03-23 00:37:07 | Weblog
12時間以上の空の旅を終え、米国New Ark Liberty空港に到着。
乗り換えで次の便に乗るのだが、その前に入国審査がある。
いつからか厳密には知らぬが最近、米国入国に当たっては指紋を取られる、ということを耳にしていた。9・11事件以来テロには極端に過敏な米国であるが、海外の異分子の侵入には特に警戒が強まっているようだ。

実際にはどこでどのように指紋を採取するのだろうか。
見た目には、どこで行われているか判らない。やっていないのかも知れない。
と思っていたところで、入国審査の列が進み、我輩の番となった。
パスポートを差し出し、手続きが終わるのを待つ。
大体こういうところの審査官は無愛想な輩が多く、人を犯罪者のように睨み付けポーンとパスポートを返してくるようなのが常である。
こちらも悪いことをしている訳ではないが、妙に緊張する。

嘗ての昔話だが、家族3人で入国審査官の前に立ったことがある。
難しい顔してパスポートに判を押している審査官から、横にぽかんと立っている嫁さんを指して「この女性はあんたのワイフか?」と尋ねられた。
何を意図した質問か良く分からなかったが、Yesと答えたら、ちょっと助べえそうな表情に豹変した審査官、「Lucky Guy!」と言う。 きっとこの寒いギャグ、時々使っているのであろう。

さて、今回パスポートを返してもらえそうかな、と思ったら、右手の方に件の指紋採取機があった。右手人差し指をそこに置け、と言っている。いきなり右、と言われても、どちらが右か一瞬判らなくなる。しかし、ははぁん、これかぁ、という感じだった。
指紋というと、例のハンコの朱肉にべたっと指をあて、指紋を取るとティッシュペーパーで赤く汚れた指を拭き拭き、という屈辱的なシーンしかイメージになかった。まさか、電子的にスキャンする方式は夢にも思っていなかった。
右と左とそれぞれ人差し指を入れ替わりに指定場所に置き、ハイ終了。
指を拭く必要もなく、あっけなく終わった。
実は帰国時の搭乗前にも、やはり指紋採取を強制された。出て行く奴にまで指紋採取もないもんだ、とは思いつつも、今度は全く違う形式。ゲーム機のようなところで、自発的に指紋を取りにいくのだが、両指の指紋を取り、最後に顔写真まで撮られる。

上にも書いたが、どうも指紋というと屈辱的な匂いが離れない。
警察から指紋を強制されたことが何回か有る。
学生時代下宿にあった自転車に夜無灯火で乗っていたら、自転車泥棒と思われ警察署で調書を取られた時(このときは帰りパトカーに乗せられ下宿まで帰還した。)、駐車違反で罰金を払いに行く時に印鑑を不所持だったので、代わりに指紋をくれ、といわれた時。
いずれも権力から犯罪者扱いされ極めて不快であった。印鑑の代わりに指紋、などはふざけるな、と拒否をしたが、どうも指紋と聞くとこうした暗いイメージしか思い浮かばない。きっとあの朱肉の色を拭き取る作業自体が酷く哀しく屈辱的で、プライバシーも何もあったものではない、という潜在意識が強くある。

ここ最近では、指紋はむしろポジティブな意味で脚光を浴び始めているようだ。
銀行預金などスキミングで知らぬうちに金が引き出される事件が続出したが、本人認証の手段としての指紋が銀行側からも新しい手段として注目されて来ている。情報保護のための入出室の認証など、安全管理にも一役買っているようだし、随分かつての状況と異なって来ている。

しかし物事は何事も表裏があり、手軽で便利になった分だけ、指紋のお世話になるということの裏では、プライバシーも色んなところにばら撒かれているのでは、国家からの管制も強化されるのでは、という心配も一方ではしなければならない。また、技術の進歩の陰で、それといたちごっこをする不正のための技術進歩もある。いつの間にか知らない人間に個人の情報が漏洩するリスクは決して小さくもない。気が付いていたら全く丸裸状態、ということもあながち冗談ではなくなる世界になっていくのではないかと聊か危惧の念拭えない。(...という程には、たいした個人情報もないのだが。)

福岡地震

2005-03-21 09:15:03 | Weblog
一昨日土曜日の朝の食卓時の妻の話題。

斜め向かいの洋風住宅に住む奥さんから聞いた話だということで、何の話かと思ったのだが、その旦那さんが急に自宅のタンスやその他家具に地震時の倒壊に備えて補強器具をひたすら取り付けたという。これまでそのご夫婦間では、やろうね、という言葉をしていてもさっぱり旦那さんは動かなかった、という。毎晩深夜帰宅が続き、そんなことに気が回る状況でもないだろうことは、自分自身の感覚からも充分わかる。その旦那さんが先週末急に何の前触れもなく、いきなり補強器具の取り付けに没頭された、という。

それだけの話なら、「あっそう...!」で終わる話なのだが、その旦那さんというのは、日本でも最大手建設会社に勤務している専門家である。工学博士であり、なんと原子力発電所の設計がその専門分野という大インテリである。
かつては米国シカゴにて勤務、今でも米国や欧州にも頻繁に出張している、その分野での(恐らく)大家、と言っても良い方である。最も安全性には神経を要する原子力発電所の設計であるから、地震についての知識は常人の比である筈もない。
その旦那さんが地震の事故防止に突如動いた、というのは何を意味するのであろうか?
やはり大地震の有力なる前触れを科学的にも掴み危機意識を持ったということが、このような行動を促せたのか。

そんなことを考えていたまさに翌日、福岡で大地震が発生した。
震度6弱、もしかして神戸大震災並みの被害に及ぶかとも心配したが、そこまでには至らなかったのは不幸中の幸いであった。
発生地は噂される関東・東海圏ではなく、九州。
それも地震では殆どノーマークだった福岡・佐賀というのは意外であったが、かなりゾッとした。
被害の状況も死者こそ1名に留まってはいるものの、やはり家屋倒壊・損傷、道路亀裂等など小さからぬことが報道で明らかになって来た。
現地での早期の復旧を祈念すると同時に、やはり、「他人事ではない」との思いは益々強くなってきた。


College Basketball

2005-03-20 23:40:39 | Weblog
米国に到着、夜は寒いので殆どホテルの部屋に居る。
部屋の中では大体テレビをつけている。

米国で生活した方、旅した方はご存知だろうが、ESPNという一日中スポーツ番組を専門に流しているユニークな放送局が有る。ここは大人気で、オリジナルのESPNのチャンネルの他、ESPN2, ESPN Classic というチャンネルも持っているほどだ。生放送に加え、ダイジェスト版のスポーツニュースが繰り返し繰り返し放映される。時差ぼけで夜中の2,3時に目が覚めたときには無理に寝ようとせず、いつもESPNを見ることにしている。

さて、米国到着の土日、ずっとこのESPNで流れていたスポーツは何か?
野球でもない、フットボールでもない、バスケットボールなのだ。
それもプロのNBAではなく、アマチュアの大学のバスケットボールなのだ。
兎に角これを一日中ずっと放映している。大リーグなどスプリングキャンプなので殆どマスコミはニュースとして取り上げていない。大リーグで放映されるのは、ステロイド問題の話題だけ。やはり開幕しないとニュース価値はない、ということなのだろう。

この大学バスケットボール、試合があるときは、各地の試合が2元、3元で生放送される。東海岸、中地区、西海岸、米国は時間帯もずれているのでちょうど連続で生放送してもかなりの時間となる。現状は、職場の同僚によると、全米大学トーナメントに出場する64大学がいよいよファイナライズするかなり白熱した状況らしい。
日本で言えば、甲子園の高校野球に出場する学校を決める前の全国各地の地区大会の準決勝、決勝の様子を、他のスポーツを交えず、ほぼ一日繰り返し放送しているようなイメージをもって頂くと判りやすいことだろう。

以下は敬愛する米国人元上司と二人でDinnerを取った時の話。
仕事の話が続き、聊か重苦しかった雰囲気だったが、話題を変えたい、少しリラックスした雰囲気を取り戻したい、という二人の気持ちが一致してスポーツの話になった。ひとくさり野球の話をした後、聊か不思議に思っていたカレッジ・バスケットボールについて尋ねてみたのだ。

-米国人は自分の卒業大学に対する思い入れが事のほか強い。(確かに職場でも、おとなしい奴が急に叫び出して、何かと思ったら、自分の出身校がこの大学バスケットで惜敗した、との情報をサイトで知ったとのことだった。Pittsburg出身のお兄ちゃんだった。)
-当然、賭けの対象にもなるという。或る意味で、成熟したNBAであればチームの実力差がはっきり出てくるが、大学チームの場合、力の差がありシードの上位校でも結構下位校にアップセット(番狂わせ)を食らうことが少なからずあり、賭けの儲けも時に莫大となることもあるそうだ。
-この凄まじい人気により放送局が眼を着け、現在のように一日中大学バスケットが放映されるようになったという。出身校への思い、郷土意識の高揚、という点では上述のように、日本の甲子園高校野球に相通ずるものがある。
-一番盛り上がるのは、近県ならぬ近州のライバル校同士の戦い。プロ野球のMLBでもヤンキースとメッツのNY地下鉄シリーズ、ドジャースとエンジェルスのハイウェイシリーズ、等、日本でもJリーグでは静岡ダービー、大阪ダービー等など世界で色々のものがあるが、地理的に近い実力校・伝統校同士の戦いはRivalry(ライバル意識)に火が着くという。

それにしても、TVを見ていると、これがプロではなく大学生のプレイか、というほどの力強さ、巧みさにはしばし驚かされる。ダンクあり、コンビネーションの良い空中プレイあり、3点シュートの確率も結構高い。こうしてみると、米国のバスケットボールの裾野の広さ、底辺の広がりを感じざるを得ない。パワーとスピードなどの身体能力の高さも驚異的な選手が何人もいる。
天才、と呼ばれた田臥勇太がなかなかNBAに定着出来ないのは残念だが、これだけ優秀な大学選手が数多く予備軍としている状況を見せられると、田臥クンの苦闘も納得せざるを得ないのかなとも思われるほどである。


Washington D.C.(1) Washington-Dullas Airport

2005-03-19 21:52:33 | Washington D.C.
成田-New Ark 12時間、New Arkから別便の小型機でWashington-Dullasへ更に1時間。やっと目的地に到着だ。
自宅を出てからは既に17,8時間は経過している。
時刻は現地時間では土曜夜の8時だが、日本時間だと日曜朝の10時。
その間の睡眠は3,4時間程度だから、僅かな睡眠で昼を迎える時刻である。
頭はやはりボンヤリ。

到着したWashington-Dullas空港のBaggage Claim(荷物引取り所)へ行く前に見つけたお店で見つけたTシャツが笑える。流石に「政治の都」、というところだが、ムンクの叫びにかこつけた"Bush Again?" はなかなかパンチが効いている。

12時間+のお疲れFlight (To New Ark)

2005-03-19 12:22:23 | Weblog
米国出発は3月5日(土曜日)。

夕刻5時半出発のコンチネンタル航空のNew Ark行きに乗る。
New Arkから更に1時間ほど別便に乗り、最終目的地のWashington D.C.へ向う。
最終のホテルまでの所要時間は合計14-15時間の長旅だ。
米国東海岸への旅は1年半ぶり。これだけの長旅は久しぶりである。

出発前のビジネスファーストクラスの特権は、特別待合室を利用できること。
「さくらルーム」なるところでしばしビールを飲み、搭乗時刻を待つ。
客の数も少なく、ゆったりしている。
ここでは全て無料で酒類含めた飲み物や軽いスナックを頂くことができる。
しかし、ここで腹に詰め過ぎると飛行機の中で食べられなくなる。自重、自重。

ビジネスファーストクラスは満席。
1Bという一番前、通路側の席であった。(長旅では、通路側席がセオリーである。誰にも気兼ねなくいつでもトイレに行ける、というのは結構無視できぬ精神的ファクターなのである。)
コックピットに近く、キャビンアテンダントの行き来も多く若干騒がしい。
乗客は殆どが米国人。隣席のおじさんも米国人だった。
もっと多いかと思ったが、当クラス客室の日本人客は数えるほども居ない。
ここにも日米の景気差があるのか、単に米国の飛行機会社ということだけなのか。
何だかこちらは敵国の捕虜のような気分。

ちなみにご参考までだが、このビジネスファーストクラスの所謂スチュワーデスさん、皆どっぷりと体格の良い米国のおばさん達である。体重だけで言えば、我輩の何割増しかの巨大な体躯をしたおばさんばかりである。顔のことはもう述べるまでもない。エコノミークラスに比べて乗務員にも容姿面での格付け高い女性が居るというのは、米国航空会社に関してはやはり幻想である。残念ッ!

日系、或いは、アジア系航空会社では妙齢美貌の女性がアサインされているのが通常で、このクラスでは時にハーレム気分に恵まれることもある。
かつてシンガポール航空のビジネスクラスに乗ったときには、乗客数少なく、例の細身でセクシーな民族衣装風制服をまとった美貌のスチュワーデス2,3人が代わる代わるに我が名前を呼びながら王様気分で奉仕を頂いた夢のような経験もあったが、米国の飛行機ではそれは夢のまた夢なり。どーん、とおばさんから差し出された食事を食べる時は、飼い犬のワン公のような気分になってしまう。

出発前に親愛なるH兄からは、飛行機の中ではスチュワーデス(注:最近はキャビンアテンダントと言わなければならない)のお姉さんに添い寝してもらって、と楽しいはなむけのメールを頂いておったが、これらの米国おばさんに添い寝してもらうと、4,5秒で我輩の体はつぶれてしまいそうである。

日本人のCAも居たが、こちらもメンタリティは日本人の顔してるが殆どアメリカ人というおばさん、こちらがノロノロしていると、ぶっ飛ばされそうである。喋っている日本語も聊か覚束なく、こちらとしては、日本人ならちゃんと日本人らしく振舞えよ、という気分。(もう、しょうがないか...。敵国?の飛行機会社なのだから...。)

コンチネンタル航空のビジネスファーストの座席はなかなか良い。
座席幅は56cmでゆったり。座席配列も、2-2-2と余裕の設計。また、座席全体が前方へスライドしリクライニング170度のベッドポジションへと移行すれば、前後の長さは約2mとなり、ほぼ水平状態で就寝可能の優れものだ。これで二往復目となるが、長時間飛行の場合には極めて有難い。実際に、2,3時間は熟睡できた。

フライトの前半は、次から次に飲食物が運ばれてくる。
これはエンタテインメントでもあり、苛めでもあった。
搭乗時のWelcome Drink、離陸からまもなくしてRefreshmentの飲み物、この辺で既に腹は膨らみ始める。 
そして食事が始まる。
シーフード、サラダ、寿司などが入った前菜コースプラス、ワイン、ビールで既に充分腹は満たされた。
 
しかし、そこから更にメインディッシュが出てくる。
我輩は和食を選んだが、アナゴ煮を含めてもう充分。全部完食も出来ずだが、その後デザートのチーズとコニャック、ワイン、果物。やっと終わりかと思ったら、コーヒーと巨大量のアイスクリーム。 断るのも一寸勿体無いか、という貧乏人根性で一応差し出されたものは頂いたが、正直もうこれは米国流の飽食の世界だ。日本人のように多くの種類を少しづつという美徳はなく、これでもかこれでもか、力づくで次々飲食物が出てくるのは、まさにワンコそばの世界。もういいよ、許してよ、という気分。

米国人と違って日本人の胃は小さいのだ。日本人おじさんともなると、美食家では有りたいと願うが、もう大食漢ではないのだ。
最後は食べ物の匂いが漂うだけでも、もう本当に勘弁して頂戴、ゴメンナサイ、と言う気分であった。
食べ終わった後でも、何か要らないか、としょっちゅう声を掛けられる。
うーん、参りました。静かに放っておいてください。

まあそんなこんなして、時折映画やゲーム(いずれも余り面白くなく、長続きせず)したりしながら時間をつぶし、3,4時間は夢の中、というような感じで12時間が過ぎ、NewArkに上陸となった。やれやれ、自分自身にお疲れさん!