多分駄文のおじさん日記

我輩は駄文を書くおじさんである。旅、音楽、MLB、株式投資、etc., 日々想いつくままに思いを巡らすのである。

大地震と危機管理

2004-12-27 23:59:34 | Weblog
昨日スマトラ沖で発生したマグニチュード9.0の大地震は、この百年でも4番目に大きな地震であったと報道されている。実態が明らかになるにつれ、被害者の数も増加しており、死者は2万人を越える悲惨な事態となった。

今年は、日本を含め、台風・猛暑・地震と、自然の異常さや災害が世界的に多い年であった。何かの偶然、というよりは、温暖化等人間の所業により自然現象を構造的に変えてしまった故の災害も増えてきたと思われる。しかし、地震となると、もうこういったものさえ越えた災害と言わざるを得ない。何か人間に対する自然からの警鐘なのであろうか。実際には、警鐘、以上に信じられない規模の甚大な被害をもたらしてしまった。

この11月にはシンガポールに行ったが、今回の被害のあった東南アジアのビーチを幾つか訪れており、何だかこの災害も決して他人事とも思えない。一歩間違えば、自分に降りかかってくることだってあったのだ。
津波に関しては現地の人々は過去体験もなく、その怖さを軽視していた向きもあったようだが、人の命など、一瞬のうちに流されてしまう恐ろしさを今回の災害で厭と言うほど知らされた。
年末の休暇シーズンに入り、多くの日本人が様々な観光地・リゾート地を訪れ、中には不幸にも行方不明になられた方も少なくないと聞く。

一部報道にて見知ったが、未曾有の大惨事を前にして我が国政府の対応は相変わらず後手に回っていたという。日本人の安否確認のために外務省が緊急連絡室を設置したのは、地震発生後5時間経ったあと。また、総理大臣は、外務省が安否確認に奔走している間に、築地の映画館で映画鑑賞、その後も銀座のホテルで作家と会食。緊急事態の認識が先ずは持ちえず、その後も陣頭指揮もせず、というのは、自分の属する派閥の親方で前首相がかつて米国潜水艦に沈没させられた研修船の事故を知らされてもゴルフを続けていたのと同じ、何とも情けないものだ。

そもそも日本人は「安全と水はただ」という発想が遺伝子に染み付いており、危機管理については極めて鈍感な感性しか持ち合わせていない向きが強かった。しかし、もうどこで何が起こっても不思議ではない現代に然るべきアンテナを張り、有事と思われる事態にはすぐに対応できる体制と意識を持ち得ない人間を国のリーダーにすることほど、悲惨なことはない。