多分駄文のおじさん日記

我輩は駄文を書くおじさんである。旅、音楽、MLB、株式投資、etc., 日々想いつくままに思いを巡らすのである。

青唐辛子

2005-04-10 23:29:43 | Singapore
シンガポールから一時帰国したH氏よりおみやげを三点頂いた。
いつもお土産買うにも何かと「笑い」や「話題」を提供するH氏ならではのSelectionである。

1.「マンゴー」、本当は検疫の検査をされたら国内持ちこみは許されない筈なのだが、見つかることなく無事に(?)パス。掟を破って入手した禁断の果実はおいしかった。

2.「味付け 青唐辛子」
これはついこの前までその存在さえ知らなかったのだが、愛読している「シンガポール絵日記」4月7日付け記事にて偶々この青唐辛子の存在を知るに至った。
奇遇なことである。
http://pattaya.exblog.jp/
味付けじゃなくて酢漬けだとKaonoiさんは書いてある。
同サイトのCommentの往来も薀蓄漂い、読んで楽しい。
H氏によると「ビールの友としては最適」とのことで、賞味するのが楽しみである。
Kaonoiさんの写真にある青唐辛子とはメーカーは違うようだが、英語の商品名Pickled Green Chilliの下には味付け 青唐辛子、と日本語で表示がある点ではともに全く同じである。面白いものだ。

なお、H氏、今回の帰国に際して、当初は一緒に成田に迎えに行ったS氏と我輩にのみ最初はこの青唐辛子をお土産として買ったらしいのだが、今回の帰国でも多くの知人にも会うことからこの青唐辛子を結局は10個ほど買ってきたという。
「旅の達人」も標榜するH氏ゆえ、当初はリュックサックひとつの軽装で帰国の予定であったらしいが、このお土産を積みこむゆえに荷物も増えてしまった、重たい重たい、とこぼされておった。
文字通り、「Chilli(チリー=青唐辛子のこと)も積れば山となる」である。

3. 「インド音楽CD」 
シンガポールにはLittle Indiaというインド人街がある。ここにはCDショップも多く連なっており、インド音楽のCDが数枚で日本円4-500円程度の安価で売っておる。
音楽とともにカレーや線香の混濁した匂いが伝わってきそうだ。
昨年10月に訪問したときのちょっと濃すぎる異国情緒の記憶が甦ってきた。

ごちゃ混ぜの国シンガポール(48) Boat Quay

2005-01-12 00:24:10 | Singapore
悠久の時を過ごしたビンタン島から一船繰り上げてシンガポールに戻ることが出来た。雨模様の街ではあったが、何もない真空の時間に浸った後だけに、喧騒の都会に懐かしさを感じてしまった自分に思わず苦笑い!
H兄のアパートで一休みのあと、雨も幸運にも上がり、夕食に向けまた街へ繰り出ることとした。

シンガポールの中でも我輩のお気に入りのひとつとなったのがBoat Quay, Englishではボートキイ、Singlishではボーキーと呼ばれるこの地は、摩天楼の足元に佇む低層のレストランや店屋が行儀良く立ち並んだ大人のワンダーランドだ。 シンガポール川沿いに緩やかな弓なりに形成されたこの界隈は、遠目からはディズニーワールドの一風景のようでもある。

川沿いの部分にはそれぞれのレストランが屋外にテーブルを用意してあり、外で見事な夜景を眺めながら食事をすることが出来る。中華料理は勿論、タイ、インド、日本、イタリア、ジャワ、レバノン、その他レパートリーは広い。JazzやRockのLiveの店もあった。

この界隈に入り最初に遭遇する店が、ロンドンの街でよく見かけるアイリッシュ・パブ風で、心惹かれた。ローカルとインタナショナルがごちゃ混ぜになった妙なバイタリティ、超近代的な摩天楼の谷間の懐かしい夜店の安堵感、いやこの喧騒は微妙なコントラストの味付けを得てなかなか楽しいよ。次はどんなびっくりおもちゃ箱に遭遇するのか、というようなワクワク感もあり。通りを進んでいくと、店への呼び込み活動も声の大きさ、しつこさとも、次第に熱を帯びてくる。呼び込み諸君も生存競争に向け、大変だ。

あちこち歩いたうえで、このボーキーに戻り、食事のために入ったのがForum Seafood [富興海鮮]というお店。ここでシンガポール川に浮かぶフラトンホテルの威容を見ながら食べたカニは何とも言えない美味であった。うーん、観光名所での美味しい食事、如何にもごく普通の海外旅行の感激ではあるが、ストライ~ク!である。

ビンタン島: バンヤン・ツリー・ビンタン Part-1

2005-01-07 00:24:57 | Singapore
シンガポール滞在中のウィークエンドを利用して、一泊二日でインドネシア領のビンタン島を訪れた。
週末は、都会を逃れ、少しリッチなリゾートホテル・ライフを送るのも悪くないと思い、来星前に現地駐在のH兄に相談したところ、雨期との心配もあったが、兎に角行ってみようということになったのだ。現地では最高級とされるバンヤン・ツリー・ビンタンというホテルを予約、アジアのビーチの高級ホテルの格別の雰囲気への予感に胸は高鳴る。

中心地から空港へ向かうその途中、車で約20分程度のところにあるフェリー乗り場から高速船に乗り、1時間弱で到着。ホテルの車に送迎され、ホテル着。
さっそく日本の女優さんと言われても不思議ではない、美人の受付さんに案内され、ウエルカムドリンクを飲みながら、受付、そして部屋へ案内される。

こりゃ凄い。凄い凄いとは聞いておったが、特別の空間である。
先ずは、それぞれ一戸建てなのだが、門構えが秀逸。
戸建の前にこうして別の門を設けることで、期待感の高まり方も違ってくる。
なかなか心憎い演出である。

そしていよいよ部屋に入ってまたまた吃驚!
全体が黒檀の落ち着いた造りで、それだけでも高級感があるが、その中に天蓋付き、白いレースで覆われたベッドが中央にでんと構えておる。

うーん、これは女性ならだれもが女王様になってしまうようなベッドだ。
どうもおじさん二人で来る部屋とは一寸違いようだ、と我々おじさん二人は顔を見合わせ思わず苦笑い。
なお、ベッドはどうもこのタイプの部屋では、全てキングサイズベッドであり、ツインベッドではない。H兄が部屋がツインベッドではない、と予約時に東京に連絡してきた時には、また彼のいつもの悪い冗談かと思い、「新婚旅行を楽しみましょう」と返事を出したのだが、ここは本当に新婚さんやら恋人同士で来る場所なのだ、と気付いたのはもう後の祭り。
まあ、それでも、この素晴らしい部屋に来れた感激が、全てを上回った。

部屋の扉を開くと、広い2段階のベランダがある。
一段高いところには、大きなマットのようなものが敷かれている。
これはもしかして、とそのマットをはがすと、やはり、ジャグジーである。やったやった、である。森の木陰から透けて見える水色の海を眺めながらのこのジャグジーに漬かる気分といったらもうどんな開放感どんな超越感なのだろうか。言葉では言い尽くせない、もう最高、という気分である。これは、素晴らしいホテルに来た。胸は更に高鳴る。

(続く)

写真豊富なこちらのサイトを御覧ください。
http://ptaro2009q.exblog.jp/

ごちゃ混ぜの国シンガポール(47) 「新婚情報」

2005-01-06 00:35:37 | Singapore
チャイナタウンに向かうタンジョン・パガー通り沿いに並ぶは洒落たレストランやバー。
端正な建物の中、整然と店が並んでおり、何やら昔の映画に出てきそうな場所である。
その中で妙な看板を発見、「新婚情報」とは一体何の店であろうか?!

ハネムーン用の旅行相談所? 新婚夫婦のより良い新婚生活のためのコンサルタント? いや伴侶を見つける結婚相談所のことか? もしかして、新婚さんを狙った覗き見の情報でも提供しているのか、と最後にはあらぬ妄想まで展開する。
正解は、どうも結婚式に纏うウェディングドレスの店らしい。店内を覗くと確かに、純白の洋風ウェディングドレスが飾られておる。
この通りには数店に一店はこの種の店であり、結構繁盛もするのであろう。
それにしてもこの名前はえらく想像力を刺激する。看板を見つけてから、店頭に辿り着くまでには随分妄想は拡大しておった。漢字文化はやはり面白い。

ごちゃ混ぜの国シンガポール(46)-シンガポール駐在員の生活

2005-01-05 00:18:01 | Singapore
シンガポールのネタも今回で46回目。
僅か3泊4日の旅、しかもそのうち1泊2日はビンタン島への旅であったことを考えると、よくこうしてあることないこと書きつづけている、と我ながら感心!

さて、今回の旅で、宿の提供のみならず、シンガポールの街中(国中、というべきか)をご案内頂いた駐在員H兄の生活ぶりを(本人の承諾を得ずして、勝手に)書くことにしよう。記憶あやふやな部分もあり、誤記あったらお許しを。

まずは住まいについて。
10月の赴任前に、現地不動産屋の案内で何箇所かのサービス・アパートメントを見た後に決めたのが今の棲家であるとか。マリーナ地区とチャイナタウンの中間点あたりにある勤務先から車で15-20分くらいの、便利の良い場所にある。地下鉄駅も最寄に2駅あるという。ほぼシンガポールの中心地にあり、徒歩でも多くの著名地に行ける至便な場所だ。

ほぼ新築に近いこのアパートは一階は厳重なガードとホテルの如きフロントマンが何人か居る安全な建物。実際に運営は某大手ホテル・グループらしく、高級感がある。そのホテル・グループの宣伝ブロシャーを見ると、このアパートを称して"A Lifestyle of Luxurious Living"、贅沢な住まいのライフスタイル、と標榜しておる。住人には若干の日本人の他、西洋人が多いようだった。中国人も何人か見かけたが、これは現地の人ではないのであろう。

共用の食堂はウィークデイ毎朝、食べ物飲み物好きに取ることが出来る。我輩も2日間ここでお世話になった。また、屋上にはプール+ジャグジーがあり、開放的な空間で毎日がリゾート気分。夜は摩天楼を眺めながらの水泳、となかなか贅沢且つロマンチックな気分を満喫できる。単身おじさんには有難い自動の洗濯室や、運動不足解消のためのジムもあり、もう申し分のない施設となっている。

部屋はリビング+2ベッドルーム。ベッドルームにはそれぞれ風呂・シャワーとトイレが完備しており、我輩もそのホテルのような部屋にお世話になった。まことに、単身赴任おじさんが一人で住むにはかなり贅沢な造りであり、羨ましい環境である。前任者に比べるとかなり格上の住まいであるというが、見事に会社側にはこの部屋で押し切ったと言うから、流石上席者の貫禄である。シンガポールにおける物価水準、というか、購買力平価からすると、その家賃の1.5-2倍ほどはする価値がありそうだ。東京都内であれば、家賃軽く100万円、というような施設に見であろう。シンガポールの現地人から見れば、選りすぐりの「外人さん」にしか住めない場所である。

余談だが、TVはあまり正直面白い放送はなく、チャンネル数も少ない。
冬ソナのような韓流ドラマが結構流れており、ここでもブームなのかと、驚いた。日本人にとって有難いのはNHKのチャンネルがあるということ。これで最低限以上の日本情報が確保できることは、おじさんにとっても大きな救いであろう。日本とは1時間の時差があるシンガポールであるが、熱帯の国で午後4時過ぎに大相撲九州場所を見ている気分には妙なものがあった。ここでは、NHKの受信料は払わなくても良いのだろうなあ。

このほか、居間に隣接してキッチンも当然ある。
しかし、嘗て書いたように、シンガポールは外食天国で、極めて安価でバラエティに富んだ食べ物が街の至るところにあり、全く不自由しない。むしろ、食事を作り後片付けをする手間を考えると、自炊すること自体、効率の悪い作業にさえ思えてくるぐらいである。
H兄も全くその考えであり、彼のキッチンにある大型冷蔵庫の中には、ミネラルウオーターの大壜が数本と、タイガービールの缶約1ダースが無造作に横並びにされているだけであった。

居間の広さからも、ここは棲家というだけではなく、もしかしたら、ここで仕事さえ出来るのではないかと思われる環境であった。まあ、SOHOでもあるまいし、やはり仕事と棲家は当然別、というのがビジネスマンの普通の精神性であるが、起業家であれば、在宅勤務可能な棲家でリーゾナブルな家賃であれば、もしかして、東京で起業するよりはコスト上は割安なのではないか、と思い始めたりもした。


ごちゃ混ぜの国シンガポール(43)-「悪の帝国ビル」 

2004-12-30 00:40:03 | Singapore
西友やPARCOのあるブギス・ジャンクションから回教寺院サルタン・モスクに向かう途中一角の広大な平地に何やら巨大な新しいビルが聳え立っている。その名をParkview Square Buildingと言う。
確かに、周辺の公園(と言うか何もないただの広い空き地)を見下ろす何とも恐ろしげ、威圧的なビルである。

近くに寄りその佇まいを見ると、成金趣味の極みである。至る所に金メッキの装飾が施され、桁外れの財力を誇示しているようだが、どうも金ピカ装飾のどれもが何とも言えぬ悪趣味で悪寒を誘う。この異常な金信仰は、恐らくユダヤ人の臭いがぷんぷんするな。米国の大手投資銀行あたりが背後に居そうな気がする。MRT駅からもやや離れ周辺にも目ぼしい建物がないせいか、あまり人の出入りも多くないが、時々如何にもというような金髪のビジネスマンやキャリアウーマン風が肩で風切って出入りしている。暑いシンガポールの中では、何となくうすら寒い風景である。

そのビルの中二階部分はビルの前庭から一般でも入ることが出来るが、建物の上に横並びで人物の銅像が数体並んでいる。良く見ると音楽家であったり政治家であったり、軍人らしきであったり、何だか並べている基準も良く分からない。兎に角、ビルのオーナーかデべロッパーかは定かでないが、自分の好きな人物を並べているだけ、という滅茶苦茶な人選のように見え、首をひねらざるを得ない。兎に角、金は掛けていることは一目瞭然だが、哲学がないのだ。成金そのものが哲学だ、と言われたら、もうどうしようもない。

ビル入り口ではものものしい警戒が敷かれているが、敢えて中へ突入した。一階ロビーは一部だけ一般が入れるスペースがあるものの、壁の隙間から拡がる大部分は日本の寺の本堂のような感じの宗教的な異様なスペース。その本道も黄金色に包まれている。ちょっと新興宗教っぽい陳腐な臭いもしなくもない。これが一体何を意味するかも分からない。

先程の意味不明の銅像といい、このビルの圧倒的財力をゆうするオーナーは何を考えておるのだろうか。写真を撮影せんとしたが、警備のこわもてインド人に文句を言われ、このビルを後にする。
我輩と姫兄はこのビルを「悪の帝国ビル」と名付け、蔑視してその場を去ったが、どなたか、このビルの正体をご存知の方はいらっしゃいませんか。

それにしても、このブギス地区、かつてはおかまバー等が溢れ猥雑な街だったという。今でも、ブギスマーケット等極めて庶民的な大安売りの市場があり賑わっている。その地区にこの「悪の帝国ビル」が屹立しているのも、流石「ごちゃ混ぜの国」の面目躍如である。


[余談]後で調べて分かったが、一階ロビーに広がっているのは宗教とは関係なく、Barが収容されていると言う。そんなら写真撮影禁じた意味も良く分からないが。
館内外の様子、このサイトでお楽しみあれ。
http://www.parkviewsquare.com/tpl/main.htm
左側にあるIntroduction をクリックすると恐ろしい動画でお楽しみ頂けます。
ちなみに、このデベロッパーは台湾資本系で、現在香港及びシンガポールに本部を構える会社だとか。ユダヤではなかったようです..。

[お知らせ] 読者の皆さん、日頃のアクセス有難うございます。写真を拡大した同じBlog「多分駄文のオジサン日記」を下記アドレスで新設してますので、覗いてやって下さい。少しヴィジュアル的には改善したかな、と思ってます。
http://ptaro2009q.exblog.jp/

ごちゃ混ぜの国シンガポール(42)-ヒルトン・ホテル 

2004-12-26 22:19:43 | Singapore
嘗て一度書いたが、1989年初めてシンガポールに来た時に1週間滞在したのがヒルトン・ホテル。米国名門銀行のコミュニケーション研修、ということで、ホテルに缶詰になり、英語でビジネスの様々な事態を口頭・文章で表現する、という日本人にとっては苦手な研修だった。

この熱帯にある国のホテルでは、特に夏場はもうこれでもか、というほどに部屋の冷房をがんがんと効かせてくる。強度の冷房が最大のサービス、最大のごちそう、とでもホテル側は勘違いしているのか、幾ら寒い、と言ってもなかなかマイルドな室温にはならずに参った。2日目辺りから風邪をひいてしょっちゅう鼻水をかんでいる米国人が何人か出てきたが、むべなるかな。我輩も同様に肉体が芯から冷えてしまったことを良く記憶しておるが、最後は皆上着をしっかり着込み毛布のひざ掛けなどをしながらの研修であった。

さてその時のシンガポールの街については、あまり明確な記憶もない。
殆ど外出は出来ず、宿泊していたヒルトン以外では、精々近くの伊勢丹あたりを歩いた程度であった。
当時はヒルトンはオーチャード・ロードの中心、また商業施設の中では、伊勢丹が盟主、というようなぼんやりとした印象が残っておる。
しかし、あれから十数年経過した現在の人の流れ・賑わいからすると、オーチャード・ロードの中心はそのずっと東側の高島屋であり、ホテルの一番手は目立ち方からすると、マリオットである。ヒルトンはもう場所的には、西のはずれに追いやられており、建物そのものも古色蒼然として殆ど存在感がない。若者が足を運ぶエリアには見えない。ここにも、かつての横綱級ホテルの盛者必衰の流れが見えるわけである。誇り高きヒルトン・グループが今後どのように攻勢をかけてくるか、見ものである。

なお、同じヒルトン系列のコンラッドホテルは、ベイエリアに近いシティホール近くにあり、モダンかつ高級な意趣で売っておる。

ごちゃ混ぜの国シンガポール(41)グッドウッド・パーク・ホテル

2004-12-26 20:32:56 | Singapore
オーチャード・ロードを背にしてマリオットのところからスコット・ロード沿いに小高い丘を上がっていくと、5,6分で右手に広い敷地の庭にとんがり屋根のホテルが見える。グッドウッド・パーク・ホテルである。

ガイドブックを幾つか読んだが、「ラッフルズと並ぶシンガポールの超高級コロニアル・ホテル」とのキャプションがついている。 このホテルは1900年にドイツ人の社交場として建てられたのが始まりと言う。確かに、端正な庭の手入れの良さや全般に整備された施設全般はドイツ的な潔癖さ、生真面目さを垣間見ることが出来、好感度は高い。

建物は聊か小ぶりでそう威圧的ではなく、全般に古い建物だけにややゴージャスさには欠け、超高級、と言うには若干過大評価という気がしないでもないが、あの賑やかなオーチャードのすぐ近くにも拘わらず静寂な大人の空間を楽しめる珠玉のホテルであることは間違いなさそうだ。ちょっと誉め過ぎか。ここのアフターヌーン・ティも名物らしいが、今回はそのチャンスを逸した、残念。

シンガポールとドイツ、という、ちょっと組み合わせとしては考えにくいものがこの地にちゃんと存在していることも面白い。


ごちゃ混ぜの国シンガポール(40)-マリオット・ホテル 

2004-12-26 09:19:49 | Singapore
シンガポールの最も賑やかな場所、オーチャード・ロードのMRT地下鉄駅向かいの四つ角に面してそびえっ立っているマリオットホテル。世界のあちこちと言ってもアメリカが中心であるが、随分と個人的にもお世話になっている。

オーチャード・ロードとスコッツ・ロードとの交差点に位置した絶好の立地で、良くこのような場所を確保したな、と感心するが、八角柱の高層ビルで中国風の屋根が乗っかっており、その存在感をアピールしている。

オーチャード・ロード付近には数多くのホテルが林立している。
シャングリラ、フォーシーズンズ、グランドハイアット、シェラトン、ヒルトン、リージェント、マンダリン、ル・メリディアン等など、そうそうたる顔ぶれである。当然多くの人が集まる繁華街であり、シンガポールのステータス・シンボルを出来るだけ良い形で得るための場所取りは重要であった筈。この中で、この最高のロケーションを確保した当時のマリオットの政治力や資本力のありようががどういった状況だったのか、非常に興味のあるところだ。中国風寺塔に似たタワーに仕立てあげたところに何かいわくがあるような気がしてならないが。どなたか、その辺の経緯をご存知の方がいらしたら是非ご教示願いたい。


ごちゃ混ぜの国シンガポール(39)-スイスホテル 

2004-12-25 21:04:36 | Singapore
ラッフルズ・ホテルからワンブロックのところにある超高層ビルが、スイスホテル・ザ・スタンフォード。
地上226m、71階建ての高さは、ホテルとしては世界最高とのこと。
元来はウエスティン・ホテルだったものがスイスホテルにより買収・改装されたものらしい。

スイスホテルというのは、十年以上前には殆どその名も聞かないホテルであったが、ここ数年積極的な買収を重ねてグローバルなホテルグループとして台頭して来た。シンガポールのこの世界最高層のホテルまで手に入れたということだ。

兎にも角にも無用に高い建物だ。目の前には遮る建物もなく、いきなり聳え立つこの建物はランドマークとしては有用であるにしても、何故にこんなところにこんな高い建物を造るんだろう、という印象しか湧いてこない。東南アジアではこのところ高層建築ブームが続いており、隣国のマレーシアあたりにもかなりの高層建築が出来ているようだが、シンガポールも対抗意識むき出しで、勢いで造っちゃった、というようなことなのだろうか。
夜景を見るために、最上階のレストランへ行くのは有りにしても、正直とてもこのホテルに泊まろうという趣味は持ち合わせていない。

ラッフルズの横のこの高層ホテル、という組み合わせも意味ありげだ。
ホテルの様式としては、詩的なラッフルズとコンクリートの塊のようなスイスホテル、低層と超高層、歴史とモダン、と、ことごとく対照的な佇まいである。
が、実は調べてみると、ラッフルズホテルは現在スイスホテルの資本系列に入っているようだ。
どこかの段階で、スイスがラッフルズを系列化に入れたのだろう。

チョッと想像もしていなかった組み合わせに驚くと同時に、スイスホテルに隣接したショッピングセンターやホテルを含めたコンプレックスをラッフルズ・シティと名乗っているのも合点した次第だ。調べてみるものだ。

ごちゃ混ぜの国シンガポール(38)-フラトン・ホテル Part-2

2004-12-25 12:18:21 | Singapore
フラトンの中に入る。

ラッフルズでは、門前払いを食っており、また同じ扱いをされる可能性もある、とやや神経を尖らせた。格からすれば、同じ扱いを受けても全く不思議でない、それほどにこのホテルの威圧感には聊か緊張させられた。
我輩もH兄も相変わらずのTシャツ・短パン姿で、タキシード姿のドアマンやその他のホテルマンからも厳しくチェックされることになるのか。

しかし、恐る恐る中に入り進んで行くも、意外にも誰からもお咎めはなく、すんなりと内部に入ることが出来た。
入って驚愕、中は大きく吹き抜けが拡がっており、どうも外壁部分には客室があるものの、中は完全に広く大きな空間がゆったりと建物全体を支配している。
何と言う貫禄であろうか。目の前に見える極太のコンクリートの円柱2本がこの建物の歴史と風格を物語っているようだ。まさしく、「横綱」という言葉が脳裏に浮かんだが、図抜けたホテルであることを知らされた。
このように最上級のホテルでも、文句もなく出入りを許してくれる度量の大きさに、ラッフルズでは得られなかった敬意と親愛感をこのホテルに抱くに至った。
是非宿泊の機会を持ちたいものだ、と思った。

ごちゃ混ぜの国シンガポール(37)-フラトン・ホテル Part-1

2004-12-23 23:42:01 | Singapore
マーライオン像を正面から撮影すると必ずその背景に映るこの建物がフラトン・ホテル。写真で見るよりも遥かに重量感があり、荘厳さを感じさせる建物である。ウオーターフロントに面して位置していることから、何やら巨大豪華船をも想起させる。

人はホテルに一体何を求めることであろうか。
安らぎ、非日常の空間、格別の時間、豪華さ、快適さ....。
このフラトンにはこのような要素が確実に備わっているように思われる。

1928年に創設されたこの建物は役所、郵便局などに利用された上で現在に至っている、というが、荘厳な外観と、中の贅沢な空間は、数あるシンガポールの高級ホテルの中でも横綱級の格を感じさせる。いや、欧州や米国の歴史あるホテルと比較しても、決して引けを取らない堂々たる構えをしているし、日本のホテルでは恐らく比類するものは残念ながらなかろう。

色んな顔を持っており、その点外観だけでも多様な楽しみを感じることの出来る稀有なホテルである。幾つかのフラトンの表情の中で、我輩は正面玄関の顔が悪くない、と思っておる者である。

ごちゃ混ぜの国シンガポール(36)-ラッフルズ・ホテル Part-2

2004-12-23 22:45:19 | Singapore
門前払いされたこのラッフルズ・ホテルだったが、翌日もまた来てしまった。

と言っても、我々おじさん二人組、ホテルに入るために正装して来たわけでもない。
そんなことしてこのホテルに伏せる積りは全くない。昨日と同じTシャツ短パン姿である。
まあ、正面突破はもう考えないもんね、入れるところだけ、ちょっと見てやるよ、という半分負け惜しみ気分で、中庭などを徘徊。しかし、どうもよそよそしい空気だ。

回廊部分の一角に大きなギフトコーナーがあり入ってみると、高級そうな飲食物、雑貨小物、色々の品が並べられている。やはりか、と思ったが、あまり街では一般に見かけなかったが、日本のおばさん軍団が、大声でお土産を品評しておる。ここだけは気高いシンガポールの最高級ホテルではなく、どうも日本のデパートの特売場と同じ空気だ。
そういう我輩も、この日本人おばさんをシニカルな眼で見ながらも、やはりシンガポールでお土産品を買うなら誰もが知っていそうなラッフルズで買ったものなら喜ばれるか、と日本人根性丸出しで紅茶等何品か買ってしもうた。ああ恥ずかしや。

ごちゃ混ぜの国シンガポール(35)-ラッフルズ・ホテル Part-1

2004-12-23 22:25:38 | Singapore
シンガポールと言えば、ラッフルズ・ホテルと連想されるほど、このホテルは有名だ。
姫兄宅から10分ほど歩くと見つかるこのホテルは、もうその外壁を見たときからオーラを感じさせる。

正面に立ち、その白亜のコロニアル風の美しい容姿を見ると、「流石ッ」の一言しか出てこない。(語彙が貧しいなあ!)正面からパチリパチリと写真撮影に及ぶ人は数知れない。こちらも負けじと、何回もシャッターを切る。

さてそれでは、と次に正面玄関から中に入ろうとする。
どうも、入り口は1箇所しかなく、おまけにその幅は極めて狭い。
掻き分けて中に入ろうとすると、中には大きなクリスマスツリーや、鮮やかな色の花々が豪華な花瓶に差し込まれている様子が垣間見られ、一種格上の空気を漂わせておる。

と思ったその瞬間だったが、「Execuse me, sirs, because of our dress code, you cannot come in the lobby....」とか何とか早口で我々を諌めたインド人のドアマンが居った。
どうも短パンTシャツの日本人おじさん2人組は当ホテルの服飾規程により入場できませぬ、ということだ。
ガイド本を読み、このラッフルズでは、宿泊客以外には入れないところが多いということはインプットされていたが、ロビーとレストランは観光客もOKだと理解していた。まさかDress Codeに入場禁止されるとは思ってもおらず、多少むかつくも、どうしょうもなく、早々とラッフルを去る。
どうも、急にこのホテルへの想いも醒め、まだシンガポール名物は他にもあるわい、という気分になったのであった。 

「高級ホテルに泊まるということは非日常を楽しむということ、それなら日常の服はやめ、非日常的なファッションで過ごしたい」-帰国後に読んだ或る本にこんなことが書いてあった。なるほど、と頷くべきなのか。敷居の高さが単に厭味にしか感じられないのでは、あまりに狭量ということなのであろうか。

ごちゃ混ぜの国シンガポール(34)-アートする街 Part-8

2004-12-23 21:31:17 | Singapore
シンガポールにはユニークな建築物が数多くある。
その中でも特筆ものは、この「エスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイ」、その形状から通称ドリアンと呼ばれる建物である。

2002年10月オープンというからまだ開館から間もないようだが、劇場とコンサートホールの複合文化施設であるという。マーライオンの対岸を再開発したこの地域はショッピングモールやレストラン街も併設されており、シンガポールの新しい人気スポットになっているようだ。ウオーターフロントに佇む名物建築、という点では、シドニーのオペラハウスをも彷彿とさせる。

シンガポールでは多くの日本ではあまり食べることのない果物を楽しむことが出来るが、「ドリアン」はそのひとつ。そのドリアンの形状をドームの形状に重ね合わせる発想は非常に面白い。
屋根にある無数の突起は近くで見ると単に鉄板を立てて並べているだけだが、これは日よけの役目を果たしているとも言われており、デザイン・芸術性だけではなく科学的にも有用なようである。

ドリアンの味ってどんな味、と訊かれて、「う○○の味」と答えた人がいる。実際には、大味なものから超高級品まで様々であり、当たり外れもあるようだ。こちらでは「果物の王様」と呼ばれ「嫁さんを質に入れても買いたいドリアン」とも言われているようだが、ちょっとあの独特の匂いが受け付けられないと言う人も確かに居るのではないか。(日本人には比較的多いように思われる。)
そういう御仁には、この「エスプラネード」は一瞬どっきりする建築物にも思えるのではないだろうか。