最後の最後で気づくな。
【名前を間違え続けた研修期間】
新人さんの研修が終わった。
いやー、長かった!
いや、たった数日だった。
でも、密度は濃かった。
今回の新人さんは、物腰の柔らかいシングルマザーの方。
お互いに歳の近い娘がいるとわかり、
しかも彼女の娘さんが、私の娘と同じ地域に住んでいるという偶然。
離婚して子どもを育てる大変さもわかりあえる。
同じ境遇って、距離が縮まるのが早い。
会ったその日から、世間話が盛りあがった。
彼女は平日は本業があり、休みの日にバイトをすることになったらしい。
お子さんの為に、「お金が必要だから」と頑張る姿勢がもう立派すぎる。
そんな彼女の研修もいよいよ最終日。
私はこの日まで、盛大なやらかしをしていることに気づいていなかった。
【名前問題、勃発】
彼女に会う前、店長から聞いていた名前は「Aさん」。
でも、実際に会って自己紹介されたとき、
「Bです。よろしくお願いします」と云われた。
ん? B? いやいや、店長はAって云ってたぞ?
でもまあ、聞き間違いもあるし、Aさんなんやろな。
しかし、数日後、ふいに何故か「Cさん」と勘違いした。
???
「えっ、Cさんだったんだね! ごめん、間違えてた!」と訂正。
すると彼女は笑顔だった。
「Cさんってめずらしい苗字だね」とか話までしていて、
私の中ではもう完全にCさんになっていた。
彼女も終始にこやかで、全くツッコんでこない。
そして、研修最終日。タブレットの画面に映し出された彼女の本名を見て、
私はようやく真実を知った。
「……Bさん……?」
【最終日に知る衝撃の事実】
そう、私はずっと間違え続けていた。
BさんをAさんと勘違いし、その後Cさんと確信し、
結局Bさんだったという驚愕の事実。
何故、そういう事態になったのか。
それは、彼女の名札が、見えなかったから。
私の視力は、0.1以下。
そのくせ、眼鏡やコンタクトをかけない生活に慣れきっている。
見えなくても、なんとかなるから。
それで、彼女の名札を確認していない。
さらに、耳からの情報も、耳が悪いことにより、バグる。
おそらく店長の「Aさん」→Bさんだったのだろう。
単純に、聞き間違い。
しかし、最終日だ。
今さら「ごめん! めちゃくちゃ間違えてた!!」とは云えない。
何事もなかったかのように、スマートに訂正するしかない。
「Bさん、研修お疲れ様でした!!(ドヤ顔)」
完璧だ。最初から知ってた風を装った。
いや、むしろこれは最初から知っていたのでは? という錯覚すら覚える。
でも、Bさん、貴女も何故訂正してくれなかった?
笑顔でスルーし続けたそのメンタル、強すぎない?
名前を間違えた罪悪感を抱えつつ、
ともあれ、Bさんとの研修期間は無事(?)終了。
—— みんな、人の名前を間違えるのは、失礼ですよ。
【ワンオペ × トイレ問題=究極のサバイバル】
新人Bさんが研修をしていた頃、
彼女が最も恐れていたのは
「ワンオペ中にトイレに行きたくなったらどうするのか」 という問題だった。
いや、それほんと、切実よ。
しかし、現実は非情である。
私は、こう答えるしかなかった。
「客足が途絶えるまで、耐えるしかない」
Bさん「……ええええええ!?」(絶望の表情)
私だってこんなこと云いたくなかった。
でも、これが ワンオペのリアル。
【壮絶過ぎた、トイレサバイバル】
実は私、ワンオペデビューしたての頃、 過敏性大腸炎 という爆弾を抱えていた。
まさに地獄。
それでも仕事は待ってくれない。
接客しながらも、 いつ爆発するかわからない腹の爆弾と常に戦う日々。
油汗を流しながらレジを打つしかなかった。
(今ここでトイレに行ったら、お客様が並ぶ…でも耐えられない…でも行けない…でもヤバい!!)
そんな葛藤を繰り返しながら、 私はある境地にたどり着いた。
「もう、開き直ろう」
そう、悩んでも仕方ない!
どうしようもないことに、深刻になっても意味がない!
そして私は、 シニア向けトレーニングパンツ を常備することで、精神的安定を手に入れた。
【究極の対策を編み出す】
しかし、それでもどうしても限界は訪れる。
そこで私は「トイレ行きます宣言システム」という奥義を生みだした。
手書きの紙に、
「只今席を外しております。隣のセルフレジをご利用になるか、しばらくお待ち下さい」 と書いて、カウンターにペタリ。
そう、 「人間なんだからトイレくらい行くさ!」作戦である。
最初はドキドキしたが、案外お客様は理解してくれた。
むしろ、「あ、いいよいいよ~」なんて云ってくれることも。
こうして私は、 ワンオペ × トイレ問題 という人類最大の難題を乗り越え、
病状も小康状態に落ち着いた。 (メンタルって大事)
【Bさん、悩みから解放される】
幸い、Bさんは ワンオペをしなくて済むことに。
よかったね! トイレの心配しなくていいね!
でも、研修が終わっても イレギュラーな出来事は次々に発生する。
だから私は彼女にこう伝えた。
「失敗は必要。そして、失敗しても大した問題にはならない!」
そう、私たちは 適当力 を鍛えることでしか、
生き抜く術がないのだ。(ドヤ顔)
Bさん「……えええええ(不安)」
こうして、また一人、
新人さんが、社会の荒波に放たれていったのであった。
がんばれ、Bさん!!(他人事)
【名前を間違え続けた研修期間】
新人さんの研修が終わった。
いやー、長かった!
いや、たった数日だった。
でも、密度は濃かった。
今回の新人さんは、物腰の柔らかいシングルマザーの方。
お互いに歳の近い娘がいるとわかり、
しかも彼女の娘さんが、私の娘と同じ地域に住んでいるという偶然。
離婚して子どもを育てる大変さもわかりあえる。
同じ境遇って、距離が縮まるのが早い。
会ったその日から、世間話が盛りあがった。
彼女は平日は本業があり、休みの日にバイトをすることになったらしい。
お子さんの為に、「お金が必要だから」と頑張る姿勢がもう立派すぎる。
そんな彼女の研修もいよいよ最終日。
私はこの日まで、盛大なやらかしをしていることに気づいていなかった。
【名前問題、勃発】
彼女に会う前、店長から聞いていた名前は「Aさん」。
でも、実際に会って自己紹介されたとき、
「Bです。よろしくお願いします」と云われた。
ん? B? いやいや、店長はAって云ってたぞ?
でもまあ、聞き間違いもあるし、Aさんなんやろな。
しかし、数日後、ふいに何故か「Cさん」と勘違いした。
???
「えっ、Cさんだったんだね! ごめん、間違えてた!」と訂正。
すると彼女は笑顔だった。
「Cさんってめずらしい苗字だね」とか話までしていて、
私の中ではもう完全にCさんになっていた。
彼女も終始にこやかで、全くツッコんでこない。
そして、研修最終日。タブレットの画面に映し出された彼女の本名を見て、
私はようやく真実を知った。
「……Bさん……?」
【最終日に知る衝撃の事実】
そう、私はずっと間違え続けていた。
BさんをAさんと勘違いし、その後Cさんと確信し、
結局Bさんだったという驚愕の事実。
何故、そういう事態になったのか。
それは、彼女の名札が、見えなかったから。
私の視力は、0.1以下。
そのくせ、眼鏡やコンタクトをかけない生活に慣れきっている。
見えなくても、なんとかなるから。
それで、彼女の名札を確認していない。
さらに、耳からの情報も、耳が悪いことにより、バグる。
おそらく店長の「Aさん」→Bさんだったのだろう。
単純に、聞き間違い。
しかし、最終日だ。
今さら「ごめん! めちゃくちゃ間違えてた!!」とは云えない。
何事もなかったかのように、スマートに訂正するしかない。
「Bさん、研修お疲れ様でした!!(ドヤ顔)」
完璧だ。最初から知ってた風を装った。
いや、むしろこれは最初から知っていたのでは? という錯覚すら覚える。
でも、Bさん、貴女も何故訂正してくれなかった?
笑顔でスルーし続けたそのメンタル、強すぎない?
名前を間違えた罪悪感を抱えつつ、
ともあれ、Bさんとの研修期間は無事(?)終了。
—— みんな、人の名前を間違えるのは、失礼ですよ。
【ワンオペ × トイレ問題=究極のサバイバル】
新人Bさんが研修をしていた頃、
彼女が最も恐れていたのは
「ワンオペ中にトイレに行きたくなったらどうするのか」 という問題だった。
いや、それほんと、切実よ。
しかし、現実は非情である。
私は、こう答えるしかなかった。
「客足が途絶えるまで、耐えるしかない」
Bさん「……ええええええ!?」(絶望の表情)
私だってこんなこと云いたくなかった。
でも、これが ワンオペのリアル。
【壮絶過ぎた、トイレサバイバル】
実は私、ワンオペデビューしたての頃、 過敏性大腸炎 という爆弾を抱えていた。
まさに地獄。
それでも仕事は待ってくれない。
接客しながらも、 いつ爆発するかわからない腹の爆弾と常に戦う日々。
油汗を流しながらレジを打つしかなかった。
(今ここでトイレに行ったら、お客様が並ぶ…でも耐えられない…でも行けない…でもヤバい!!)
そんな葛藤を繰り返しながら、 私はある境地にたどり着いた。
「もう、開き直ろう」
そう、悩んでも仕方ない!
どうしようもないことに、深刻になっても意味がない!
そして私は、 シニア向けトレーニングパンツ を常備することで、精神的安定を手に入れた。
【究極の対策を編み出す】
しかし、それでもどうしても限界は訪れる。
そこで私は「トイレ行きます宣言システム」という奥義を生みだした。
手書きの紙に、
「只今席を外しております。隣のセルフレジをご利用になるか、しばらくお待ち下さい」 と書いて、カウンターにペタリ。
そう、 「人間なんだからトイレくらい行くさ!」作戦である。
最初はドキドキしたが、案外お客様は理解してくれた。
むしろ、「あ、いいよいいよ~」なんて云ってくれることも。
こうして私は、 ワンオペ × トイレ問題 という人類最大の難題を乗り越え、
病状も小康状態に落ち着いた。 (メンタルって大事)
【Bさん、悩みから解放される】
幸い、Bさんは ワンオペをしなくて済むことに。
よかったね! トイレの心配しなくていいね!
でも、研修が終わっても イレギュラーな出来事は次々に発生する。
だから私は彼女にこう伝えた。
「失敗は必要。そして、失敗しても大した問題にはならない!」
そう、私たちは 適当力 を鍛えることでしか、
生き抜く術がないのだ。(ドヤ顔)
Bさん「……えええええ(不安)」
こうして、また一人、
新人さんが、社会の荒波に放たれていったのであった。
がんばれ、Bさん!!(他人事)