大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

ぽぽろはNPO大阪障害者センターの子育て・教育支援部門です。
大阪市鶴見区今津北にあります。

妥協!?折り合い!?

2010年02月10日 | 児童デイサービス
毎週水曜日にやってくる、3年生のSちゃん。
以前、プリン効果という記事で、お友達とのけんかで立ち直れないほど落ち込んだと書きました。
あれから、この2ヶ月の間にいろんな変化が見られつつありましたので、報告しておきます。



まずは、Sちゃんに、ぽぽろは楽しい場所、また来たいと思ってもらう為に、Sちゃんの好きなことにとことん付き合う事からのスタートでした。


Sちゃんの好きな事と言えば・・・metro
(以前も運転手をめぐって、けんかになった)電車の車掌&運転手さんです。

私もSちゃんに近づけるよう、絵本を見て、少しだけ電車の名前を覚えました。(私、鉄子になれるかも!?笑)


up最初は、ほぼ1対1の関係で、お友だちが乗ってきても、お互いにほとんどかかわりはありませんでした。
少しずつお友だちを乗せての交流や、運転手を譲ったり出来るようになるといいなーと思っていました。



そして、冬休み明けの様子。



この日のごっこあそびで、なんとか、Sちゃんをこの輪の中に!!とひそかに狙っていました。

家族4人で、温泉旅行yuに出かける為に電車に乗りますという設定にして、
Sちゃんの言う、姫路行きの電車に乗り(leftSちゃん、多分乗ったことがあるのでしょう)温泉に案内してもらいました。
温泉に到着して、温泉に入ってる図upが、前回も紹介した上の写真です。笑
Fくん、Mちゃんの2人は、ほんとに体ゴシゴシやってました。私も髪の毛洗ってもらったしねsmile




その後、到着した旅館の夕食をめぐって、Sちゃんが予想せぬ出来事発生!!
用意してくれたものとは違うものが食べたいと言う、お客Mちゃん、Fくん。
Mちゃんは鍋をアピール、Fくんはお寿司をアピール。
「そんなものはありません!!」
「夕食はハンバーグで決まっているのです!!」
と怒るSちゃん。
自分の中の「つもり」を崩せません。

相手もちろん譲るようなお客さんではありません。
「鍋!!鍋!!」
と言い続けたり、勝手にお寿司を食べ始める始末。
「もーうsymbol5
とますます怒るSちゃん。
私もここぞとばかりに、
「うちのパパは鍋しか食べないんです」
「鍋がいいんですー」
とわがままママを演じて、
「夕食はお鍋exclamation2exclamation2でお願いします」
とプッシュ。

「我慢しなさいsamuraibomb2!!」
とSちゃん。
というやりとりが何度か続き・・・・

最後のほうで、(18時、お迎え間近の時間です)
「しょうがないなあー」
とSちゃんがあきらめ?譲ってくれ、
「はい、どうぞ。」
とFくんへ鍋を渡してくれました。
シメシメwink次回が楽しみだぞと心の中で思った私。




そして、2週間後のこの日。

続きをしようと、はりきってSちゃん登場。
電車に見立てて椅子を並べます。
はじめ、お客は私一人。
前回、ほんの少しですが、FくんやMちゃんと接触があったので、今回もなんとか、私以外のお客さんを、しかも、子どものお客をexclamation2と思っていました。
(大人はついつい、Sちゃんの思い通り、言う通りに動きがちですし、なんといっても子ども同士のかかわり合いが見たいなあという私の願望込みで。)




まあ、でもはじめは、大人からでいっかーと私も自分自身に折り合いをつけて、アルバイトスタッフに声を鰍ッ、電車に乗ってもらいました。

そのうち、Fくん、Mくん、中学生のMちゃんと次第にお客さんが増えます。

私は、前回に引き続き、わがまま担当です。
ハム太郎hamのビデオがどうしても見たいとか、お弁当item6が食べたいと、色んな注文をSちゃんにつけます。

せっせと、ビデオ無料チケットを作ったり、お弁当の準備をしたり、働き者車掌Sちゃん。



次第に、自ら周りのお客さんにも声を鰍ッ始めました。
「あなたは、何のビデオ見ますか?」
「えーっeqドラゴンボールのビデオはないんですよね・・・
あっありました!!」
up予想外のことを言われても、しばらく考えて、柔軟に対応できるようになっているぞ)







最後に、おやつはをみんなで電車に座って頂きました。
真ん中の座席は4人席なので、向き合っているのだそうです。すごいよねー。
私は、
「一番前じゃなきゃいやだー」
と相変わらずわがまま言って、先頭車両ですbe




姫路行の電車に乗ったという自分の経験した場面を、そのままではないにしても再現して遊びたかったであろうSちゃんにとって、「夕食は鍋!!」と意表をついて言われたことは、大きなショックで、受け入れたくない事だったと思います。
あまりのしつこさ?だったからか、「しょうがないなあと」鍋を受け入れた事は大きな一歩だったと思います。

しかも、途中で放棄せずに。
(でも、この日のSちゃんなら、もし「夕食は鍋!!」を受け入れられずに「もう嫌だhororiase2!!」となってしまっても、立ち直る事が出来るexclamation2また来週はぽぽろに来てくれるexclamation2という若干の自信はひそかにありましたsmile


妥協したと一言で済ませていいのかなーeq
いやいや、折り合う力がついてきたに違いないexclamation2exclamation2と感じた出来事です。


一人のごっこ遊びから、二人になり、三人になり・・・
消極的、受動的なものではなく、次第に積極的に自分の意見を主張するようになりました。
(Sちゃんの場合は、自分の意見を受け入れてもらうために、声がだんだん大きくなっていました。それはそれは大きな声ですよ)

自分の意見も取り入れられ、他人の意見も受け入れながら、イメージを共有しあう中で、お友だちとの関係もほんの少し出来てきたように思います。

これからがますます楽しみだー。winkkirakira2

Sちゃんは、お友達とトラブルがあると、次回からぽぽろには行きたくないとお母さんに訴えていたようです。
ぽぽろに着いたときの様子も、いやいや全開モードで
「眠いzzz2
とか
「遊ぶことないもん・・・」
と言っていました。
ぽぽろは学校ではないので、本人が行きたくないと言えば、休んでもかまいません。
本人がいやだと言って、お母さんが、無理に行かせなくても・・・と思えば、おしまいです。
ぽぽろに来れば、利用料もかかってしまうし・・・
頑張って説得してくれたお母さん、納得して来てくれたSちゃんに感謝です。
あの時、ぽぽろに来なくなっていれば、こんなシーンは生まれませんでしたから。



Sちゃん電車を横目に、自分で線路を組み立て、電車を走らせるYくん。down
ほんとは、みんなと一緒にSちゃん電車に仲間入りしたかったんだよね。これぞ、周辺参加。
Yくん、この日は、おつきあいできずごめんね。分身の術が使えればなあ・・・と思う今日この頃。