ものすごい豪雨でしたね。皆さんのところは大丈夫でしたか?
雷の音と光にまいってしまった子どもたちも多かったことでしょう。耳や目を塞ぐ子どもたちの顔を思い浮かべました。
私は夜中の2時すぎに「多動の虫」がモゾモゾしだして居ても立ってもいられなくなり、連れ合いが止めるのも聞かずに近くの小川を見るのに傘をさして出かけました。まだ水位は道路まで50センチくらいあったので、雷がこわくなって早々に引き上げましたが、翌朝見ると道路までゴミがたくさんあがっていましたので、ギリギリのところまで水が来たんですね。
さて、11日(土)は職員研修のためお休みをいただいて、11・12日と全国障害者問題研究会全国大会in広島に参加してきました。ご協力ありがとうございました。
ぽぽろ・ぽぽろ大東・ぽぽスクを含め大阪障害者センターからの参加は8名でした。その他にぽぽろやぽぽろスクエアの退職スタッフも3名参加されました。3月まで学生でバイトをしていた人も2名、今バイトしている学生さんも1名…、たくさんの参加、ご苦労様。全国からは、2,800人の方が参加されたようです。
特にレメ[ト発表をした3組の皆さん、ご苦労様でした。
Oくん・Fくんが「放課後保障と地域での生活」という分科会に出したレメ[トは「“ごっこあそび”で広がる仲間の輪」
Hさん・Fさんが「障害のある人と造形表現活動」という分科会に出したレメ[トは「Aちゃんのお絵かきからコミュニケーションを引き出したい!」
Sくんは「後期中等教育・卒後の課題」という分科会に「障害青年の学びの場〜ぽぽろスクエアが始まって〜」というテーマのレメ[トを発表しました。
これは放課後保障の分科会で話題を呼んだOくん・Fくん発表の分科会。
他分科会に出ているSくんも駆けつけ、3人で「ニュースごっこ」の再現です。
Oくん製作のテレビカメラも評判でした。
ちなみに、右端に写っている方は全国放課後連事務局長のM氏で、私ではありません。もっとえらい(体の?)人です。つい先日は自ら学童のキャンプでマイクロバスを運転して東京から長野を往復されたとか…。夏休みはきつい!ですね。
この分科会のあそびの主役(勿論子どもたち)のSくんについて発表を聞きながら思うことがありましたので、最後に触れたいと思います。
いつも学童が終わってから隣の公園で反省会をする面々。ある時は熱風にもさらされながら木陰とはいえ本当にご苦労様。移転までもう少しの辛抱です。
参加者からの「学生さんなど、若い人たちがたくさん関わっておられて羨ましい。どのように若い人を集めておられるのですか?」というような質問がありました。
終わってからの反省会や月一度の学習会、飲み会などがエネルギーになって、先輩が大学の後輩を呼び継続性が確保されているということをFくんが補足していました。子どもたちに年齢も近く、親しみの持てる存在としてこれからも活躍していって欲しいと思います。
さて、何とか公園の水遊びで暑さをしのいできた今年の夏休みもあと半分です。
何よりも前のぽぽろに帰る日を待ち望んでいるのは子どもたちでしょう。
昨日はKさんと私(ぽぽろ番)の二人で大阪市(事業指導の部署は船場にあります)に移転のための手続きに行ってきました。
8月の28日から引越し作業が始まります。引越し作業が完了して、移転先で事業がスタートするのは9月7日(金)です。エレベーターも身障者用トイレもあります。また、子どもから大人の方までの相談支援事業も一緒にスタートします。相談室(以前の学習室)も少し広くなって生まれ変わります。乞うご期待!ぽぽろリニューアルオープン。
では、学童のレメ[トに寄せて、Sくんのことを書きます。
先ずは、レメ[トの感想から。
「あ〜面白かった!楽しかった!!」「また、明日も来たいなぁ〜。みんなに会いたいなぁ〜」と思って子どもたちが家路につけば、それだけでいい!!それがいい!!それが学童の基本!と思える素晴らしい報告でした。手前ミソでなくそう思いました。
それが子どもたちの、スタッフの明日へのエネルギーになるのでしょう。
ぽぽろが安心の居場所になっており、そこで遊びや関係が発展して深まっている、出発点は子どもたちの「めあて」、つまり要求から出発するあそびと仲間づくりが大切、そんな報告でした。
報告の主役の一人・Sくんの一年半前のことを思い出すと、このとりくみの素晴らしさが浮きぼりになります。
何度もお母さんと懇談をもちました。彼の通う小学校へもスタッフが足を運びました。少学校6年生の彼は大荒れの思春期を迎えていました。以前のブログにも書いています。
発達的には5〜6歳の段階にある彼は「伝えたい思いがいっぱいあるのにまだ上手に話しことばで表現する力が不十分」な上に言語障害があり、ことばが聞き取りにくく、こちらが聞き直すとすぐに諦めたり、離れたりするところがありました。表現する(特に話しことばで)力が育たないと、伝わらない思いがイライラにかわり、泣いたり叫んだり手が出てしまうのです。
さらに彼は思春期真っただ中で体の変化をうまく受け止められずに、うまく欲求をコントロール出来ないイライラモヤモヤも重なっていました。
学校では私たちから見ると意味を理解できているんだろうか?と思えるようなかなり難しい漢字を書く学習をしていたりしてストレスもたまっているようでした。学級でのトラブルも絶えず、叱られることも多かったようです。
そんなことが背景にあったと思われました。ぽぽろに来る彼は「ただいま」という前に、お母さんをつねったり、髪の毛を引っ張ったりしながら大泣きでやってきていました。
ぽぽろでは特に女性スタッフに頻繁に手が出ていました。ほんの些細な行動の切り替えの時や彼がスタッフに質問して答える時に手をだしてきて、突っついたりつねったりしないと行動が切り替わりませんでした。思いが通じなかったりすると髪の毛を引っ張ったり、取っ組み合いになると顔に手が出ます。女性スタッフは怪我が絶えず、通院することもありました。子どもたちはお腹をつねられて怯えてしまったり、「Sくんをもう来させないで!」と言ったり、利用する曜日をSくんが来ない日に変えたりする子らも出てきました。
スタッフは毎日のように話し合いをしました。
顔に手を出され、感情的になって説教をしてしまい、より関係がギクシャクして敵対関係に陥ってしまったスタッフもいました。
色々なことを試みました。①文字を使ってのやりとりやロールプレイで理解を援助するとりくみや、別室でのクールダウンと彼への聞き取り、②性のコントロールができるように家族(父親)へのはたらきかけや、ぽぽろでの性教育教材を使ったり、自慰行為がうまくいくように具体的な支援、③彼の好きな行事や歌・踊りなどを遊びに取り入れる等々もやってみました。あの頃はとにかく「問題行動」にある背景と彼の発達要求を受け止めよう、彼を排除しないで安全・安心の居場所になるように受け止めようとスタッフは必死でした。
中学校の進路についても懇談しました。もっと彼に合った学習や集団が保障できる特別支援学校への進学をすすめ、彼自身も学校でもぽぽろでも「バス乗る!」(スクールバスのこと)「〇〇シエンガッコウ、行く」と言うようになりました。特別支援学校に入学してから少しずつ落ち着いてきましたが、荒れる姿は時々見られました。
「ごっこあそび」は今の場所に仮移転してからです。
おそらく、彼の要求から出発して「ごっこあそっび」が発展し、自分が主人公になるだけでなく、いろんな役に変わる中でのやり取りあそびを通して、やりたい思いや伝えたいことば・セリフを強くアピールしたり表現する中で色んな力がついてきたのではないかと思うのです。「伝えたい!」「伝わるまで聞いて欲しい!」から、諦めないで話そうとする。「ごっこ」だからやり取りの間もでき「待つ力」も求められる。そして「ごっこ」を対等に役になりきってあそんでくれる若いスタッフの存在で、彼の中にある壁=緊張がほどけ苦手を意識しないで自分をより出せている。「ごっこ」だから仲間もいないと成立しないので、ギスギスした関係もしだいに克服されていく。
全く手がでなくなったわけではないし、時々仲間もこわがったりするときもあるが、「ごっこあそび」の中で随分と解消されたように思う。「手を出す」と言っても今は軽いハイタッチの様な肩たたき、儀式的な行為に戻っているようだ。荒れが一番大変だった学童が終わって帰るときの様子が、満足感と穏やかな表情にかわり、明日に結びつく会話で終わっており、その姿が彼の大きな変化を物語っているように思える。
たくさんの事を学べるレメ[トでした。
宿題ももらったね。来年は青森大会。行くのかなぁ…。
全障研大会参加報告も兼ねた「発達保障を学ぶ学習会」は8月25日(土)午後5時半からです。テキストの方は第4章です。検査機器も使って解説もしてもらいます。待っていま〜す!(レメ[ターの慰労会しましょうね)
前回の学習会の様子です。狭くてごめんね、9月からはのびのびできるよ。
雷の音と光にまいってしまった子どもたちも多かったことでしょう。耳や目を塞ぐ子どもたちの顔を思い浮かべました。
私は夜中の2時すぎに「多動の虫」がモゾモゾしだして居ても立ってもいられなくなり、連れ合いが止めるのも聞かずに近くの小川を見るのに傘をさして出かけました。まだ水位は道路まで50センチくらいあったので、雷がこわくなって早々に引き上げましたが、翌朝見ると道路までゴミがたくさんあがっていましたので、ギリギリのところまで水が来たんですね。
さて、11日(土)は職員研修のためお休みをいただいて、11・12日と全国障害者問題研究会全国大会in広島に参加してきました。ご協力ありがとうございました。
ぽぽろ・ぽぽろ大東・ぽぽスクを含め大阪障害者センターからの参加は8名でした。その他にぽぽろやぽぽろスクエアの退職スタッフも3名参加されました。3月まで学生でバイトをしていた人も2名、今バイトしている学生さんも1名…、たくさんの参加、ご苦労様。全国からは、2,800人の方が参加されたようです。
特にレメ[ト発表をした3組の皆さん、ご苦労様でした。
Oくん・Fくんが「放課後保障と地域での生活」という分科会に出したレメ[トは「“ごっこあそび”で広がる仲間の輪」
Hさん・Fさんが「障害のある人と造形表現活動」という分科会に出したレメ[トは「Aちゃんのお絵かきからコミュニケーションを引き出したい!」
Sくんは「後期中等教育・卒後の課題」という分科会に「障害青年の学びの場〜ぽぽろスクエアが始まって〜」というテーマのレメ[トを発表しました。
これは放課後保障の分科会で話題を呼んだOくん・Fくん発表の分科会。
他分科会に出ているSくんも駆けつけ、3人で「ニュースごっこ」の再現です。
Oくん製作のテレビカメラも評判でした。
ちなみに、右端に写っている方は全国放課後連事務局長のM氏で、私ではありません。もっとえらい(体の?)人です。つい先日は自ら学童のキャンプでマイクロバスを運転して東京から長野を往復されたとか…。夏休みはきつい!ですね。
この分科会のあそびの主役(勿論子どもたち)のSくんについて発表を聞きながら思うことがありましたので、最後に触れたいと思います。
いつも学童が終わってから隣の公園で反省会をする面々。ある時は熱風にもさらされながら木陰とはいえ本当にご苦労様。移転までもう少しの辛抱です。
参加者からの「学生さんなど、若い人たちがたくさん関わっておられて羨ましい。どのように若い人を集めておられるのですか?」というような質問がありました。
終わってからの反省会や月一度の学習会、飲み会などがエネルギーになって、先輩が大学の後輩を呼び継続性が確保されているということをFくんが補足していました。子どもたちに年齢も近く、親しみの持てる存在としてこれからも活躍していって欲しいと思います。
さて、何とか公園の水遊びで暑さをしのいできた今年の夏休みもあと半分です。
何よりも前のぽぽろに帰る日を待ち望んでいるのは子どもたちでしょう。
昨日はKさんと私(ぽぽろ番)の二人で大阪市(事業指導の部署は船場にあります)に移転のための手続きに行ってきました。
8月の28日から引越し作業が始まります。引越し作業が完了して、移転先で事業がスタートするのは9月7日(金)です。エレベーターも身障者用トイレもあります。また、子どもから大人の方までの相談支援事業も一緒にスタートします。相談室(以前の学習室)も少し広くなって生まれ変わります。乞うご期待!ぽぽろリニューアルオープン。
では、学童のレメ[トに寄せて、Sくんのことを書きます。
先ずは、レメ[トの感想から。
「あ〜面白かった!楽しかった!!」「また、明日も来たいなぁ〜。みんなに会いたいなぁ〜」と思って子どもたちが家路につけば、それだけでいい!!それがいい!!それが学童の基本!と思える素晴らしい報告でした。手前ミソでなくそう思いました。
それが子どもたちの、スタッフの明日へのエネルギーになるのでしょう。
ぽぽろが安心の居場所になっており、そこで遊びや関係が発展して深まっている、出発点は子どもたちの「めあて」、つまり要求から出発するあそびと仲間づくりが大切、そんな報告でした。
報告の主役の一人・Sくんの一年半前のことを思い出すと、このとりくみの素晴らしさが浮きぼりになります。
何度もお母さんと懇談をもちました。彼の通う小学校へもスタッフが足を運びました。少学校6年生の彼は大荒れの思春期を迎えていました。以前のブログにも書いています。
発達的には5〜6歳の段階にある彼は「伝えたい思いがいっぱいあるのにまだ上手に話しことばで表現する力が不十分」な上に言語障害があり、ことばが聞き取りにくく、こちらが聞き直すとすぐに諦めたり、離れたりするところがありました。表現する(特に話しことばで)力が育たないと、伝わらない思いがイライラにかわり、泣いたり叫んだり手が出てしまうのです。
さらに彼は思春期真っただ中で体の変化をうまく受け止められずに、うまく欲求をコントロール出来ないイライラモヤモヤも重なっていました。
学校では私たちから見ると意味を理解できているんだろうか?と思えるようなかなり難しい漢字を書く学習をしていたりしてストレスもたまっているようでした。学級でのトラブルも絶えず、叱られることも多かったようです。
そんなことが背景にあったと思われました。ぽぽろに来る彼は「ただいま」という前に、お母さんをつねったり、髪の毛を引っ張ったりしながら大泣きでやってきていました。
ぽぽろでは特に女性スタッフに頻繁に手が出ていました。ほんの些細な行動の切り替えの時や彼がスタッフに質問して答える時に手をだしてきて、突っついたりつねったりしないと行動が切り替わりませんでした。思いが通じなかったりすると髪の毛を引っ張ったり、取っ組み合いになると顔に手が出ます。女性スタッフは怪我が絶えず、通院することもありました。子どもたちはお腹をつねられて怯えてしまったり、「Sくんをもう来させないで!」と言ったり、利用する曜日をSくんが来ない日に変えたりする子らも出てきました。
スタッフは毎日のように話し合いをしました。
顔に手を出され、感情的になって説教をしてしまい、より関係がギクシャクして敵対関係に陥ってしまったスタッフもいました。
色々なことを試みました。①文字を使ってのやりとりやロールプレイで理解を援助するとりくみや、別室でのクールダウンと彼への聞き取り、②性のコントロールができるように家族(父親)へのはたらきかけや、ぽぽろでの性教育教材を使ったり、自慰行為がうまくいくように具体的な支援、③彼の好きな行事や歌・踊りなどを遊びに取り入れる等々もやってみました。あの頃はとにかく「問題行動」にある背景と彼の発達要求を受け止めよう、彼を排除しないで安全・安心の居場所になるように受け止めようとスタッフは必死でした。
中学校の進路についても懇談しました。もっと彼に合った学習や集団が保障できる特別支援学校への進学をすすめ、彼自身も学校でもぽぽろでも「バス乗る!」(スクールバスのこと)「〇〇シエンガッコウ、行く」と言うようになりました。特別支援学校に入学してから少しずつ落ち着いてきましたが、荒れる姿は時々見られました。
「ごっこあそび」は今の場所に仮移転してからです。
おそらく、彼の要求から出発して「ごっこあそっび」が発展し、自分が主人公になるだけでなく、いろんな役に変わる中でのやり取りあそびを通して、やりたい思いや伝えたいことば・セリフを強くアピールしたり表現する中で色んな力がついてきたのではないかと思うのです。「伝えたい!」「伝わるまで聞いて欲しい!」から、諦めないで話そうとする。「ごっこ」だからやり取りの間もでき「待つ力」も求められる。そして「ごっこ」を対等に役になりきってあそんでくれる若いスタッフの存在で、彼の中にある壁=緊張がほどけ苦手を意識しないで自分をより出せている。「ごっこ」だから仲間もいないと成立しないので、ギスギスした関係もしだいに克服されていく。
全く手がでなくなったわけではないし、時々仲間もこわがったりするときもあるが、「ごっこあそび」の中で随分と解消されたように思う。「手を出す」と言っても今は軽いハイタッチの様な肩たたき、儀式的な行為に戻っているようだ。荒れが一番大変だった学童が終わって帰るときの様子が、満足感と穏やかな表情にかわり、明日に結びつく会話で終わっており、その姿が彼の大きな変化を物語っているように思える。
たくさんの事を学べるレメ[トでした。
宿題ももらったね。来年は青森大会。行くのかなぁ…。
全障研大会参加報告も兼ねた「発達保障を学ぶ学習会」は8月25日(土)午後5時半からです。テキストの方は第4章です。検査機器も使って解説もしてもらいます。待っていま〜す!(レメ[ターの慰労会しましょうね)
前回の学習会の様子です。狭くてごめんね、9月からはのびのびできるよ。