大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

ぽぽろはNPO大阪障害者センターの子育て・教育支援部門です。
大阪市鶴見区今津北にあります。

ぽぽろソングスなど

2012年12月31日 | ヤンボラ・ヤンクラ
2012年も今日で終わりです。放出事務所の二度の引っ越しなどがあり、あっという間の一年だったように思います。
なかなかブログが書けずにすみません、今回は今年の内に書いておきたかったぽぽろソングスについてのブログです。

12/15、今年も60名近くの方が集まり、おおいに盛り上がりました。多くのみなさんに差し入れをいただきましてありがとうございました。午後から豚汁や焼きそばを作りに来ていただいた退職スタッフのみなさん、いつもありがとうございます。

ヤンクラ生のSiくんとスタッフのFuくんが司会で盛り上げてくれました。二日前のリハーサルで、みんなのモチベーションが上がったと思います。
最初はTaさんの尺八です。学童の中高生も静かに聞いていました。やっぱり本格的な音の力ってすごいですね。


続いて、法人本部の大阪障害者センターのYさんとAさんです。
今年は二人だけの登場でさみしかったですが、あったかい歌声でした。障害者センターの事務所で一番若いYさん(成年後見共済会事務局長)と二番目に若いAさん(きょうされん大阪支部事務局長)です。会議の時しか会えませんが、毎日の奮闘に私も励まされます。


Saちゃんのギター演奏です。こちらもプロの音で、みんなが聞き入っていました。毎年来ていただいてありがとうございます。差し入れもおいしかったです。




その後、ヤンクラのメンバーで「喜びの歌」と「きよしこの夜」のギター演奏を行いました。この日は、つるみ村のクリスマス会もあり、発表が続いてはいましたが、Miさんがぽぽろソングスでの発表直前に泣きそうになっていました。Naさんが「大丈夫、大丈夫」と励ましていました。
そんな優しいNaさんは、ギター演奏後にみんなの前で「ヤンクラ復帰宣言」をされました。昨年の秋にヤンクラを卒業されたNaさんは夏休みもほぼ毎日ヤンボラとして頑張ってぽぽろに来てくれていましたが、この1年ヤンクラから離れていろいろ感じたことがあったようです。
最初は自分で言えないかも・・・、と言われていましたが、Taさんに「自分のことやし、自分でがんばって言った方がいいよ」と応援してもらっていました。Naさんが一人で報告された時は私も感動しました。これからもよろしくお願いしま~す。

Waくんの漫才です。アメリカから帰って初めて会う方もいたそうですが、昨年より大人っぽくなった印象がありました。

Iくんです。青年当事者の会で講師をされたそうです。おにぎりづくりも手伝ってくれました。


ぽぽスク生たちの歌です。いろんな場所で発表されているからか、みなさん堂々とされていて、かっこよかったですよ!
左でギターを演奏しているTaくんは、この日は一日音響で頑張ってました。「一人でやるのは大変やったけど、役割を果たせてよかった」と言っていました。
Taくんが中心となり、青年当事者の会をぽぽスクで1か月に1回開催しています。来年の結成総会に向けても頑張っています。


食事休憩の時に歌ってくださいました。
学童の中高生たちも歌いましたが、写真がありません、また載せますね。やっぱり子どもたちも自分たちが主役になる場がほしかったですよね。いま紅白で初めてももいろクローバーの歌を聴きました。あれは即興では歌えないよなぁ、来年はみんなでできること考えよう。Sくんも前に出てFくんと歌いました。



この日の一大イベントとなった「女装ショー」です。
トップバッターはIくんです。足がきれいですねー。いつも思うのですが、この奇抜な衣装はどこで買うのでしょうか・・・。

Wくん。審査員の反応がおもしろかったですが、彼に似合ってましたよ。

バイトのKくん。ぱっちりの目でセクシーでした。女装ショーの進行を、秋からバイトに来ているKさんが、初対面の人が多い中、上手につっこんで盛り上げてくれました。

Fuくんと仲良し、Uくん。全身バイトKさんの服でしたが、似てなかったなぁ(笑)。

Taさん。女装ショーを一番楽しみにしてたのはきっとこの方でしょうね。
転んでしまってかわいそうでしたが、きれいでしたよ!

司会のFくん。女装をしても妹さんには似てなかったですね、女装の練習を二日前からするほどの熱の入れようでした。

ぽぽスクでがんばるSさん。めっちゃきれいでしたね~!二年前のAKBを何倍も上回る自信たっぷりの歩き方でした!ぽぽスク生からもキャーキャー言われてましたね。モテモテです。

並ぶとスゴイですね~、いやみんなきれいでしたよ!審査員のみなさんもありがとうございました。

女装ショーの総合演出はヤンクラのHaがやってくれました。バッジを丁寧につくってくれました。
当日販売したクッキーづくりの担当にもなって、大活躍です。前日は買い出し、当日も朝10時から長時間がんばって焼き上げてくれました。本当に慎重で、根気よく作ってくれたおかげでクッキー完売でした!ヤンクラのメンバーも、10時に集まり、おにぎり作りをやりきってくれました。ありがとう、お疲れ様でした。 


奈良教育大学のバイトのみなさんです。先輩がいっぱいぽぽろに誘ってくれてよかったです。この若さがぽぽろの学童をひっぱってくれています。みんな子どもたちの憧れの存在、いつも盛り上げてくれてありがとうございます!

さいごはIくん。ぽぽろのテーマソング、「ロックンロールにあこがれて」をみんなで輪になって歌いました。大盛り上がりの三時間半でしたー、参加いただいたみなさん、お疲れ様でした。



長文になってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。
今回のぽぽろソングスや、建て替え時の移転などを通じて、やっぱりぽぽろはこの広さがあってこそだと思います。
今後もここで過ごしていくためにもみんなできれいにしようということで、年末の学童で子供たちと大聡怩オました。廊下をはいたり、窓ふき、プレイルームの聡怩オました。高校生のYuくんが廊下をきれいに磨いてくれました。
公園でもたっぷり遊んだ一年でした。ブランコの笑顔に癒されますねー。
来年は1/4から学童スタートです。来年もよろしくお願いいたします。




Hちゃんの「秘密基地」

2012年12月11日 | 児童デイサービス
 
 ども~ Fukkyです☆

 まずは先週の土曜日学童の様子(一部)です。
 みんながプレイルームで遊べるように、お絵かきスペースを旧事務所の場所からプレイルームに移しました。窓からの光が差し込む絶好の場所です☆さっそくKちゃんがお絵かきしていました。そのあとは、「公園へいく」と、公園へ…ブロックに砂をたっぷりかけて、何らかの世界観の創造をお手伝いいたしました(笑)





 Fくんは、午前中は粘土。スタッフUくんとどっちが長くできるか勝負しています。



 午後からみんな公園に行ってしまって、広々となったプレイルームでFくんとKくんで「実験」が開始されました。





 聡恚@にスズランテープや紙テープを吸い込ませて、引っ張り出したりしています。はじめは不思議そうな顔をしていたKくんもFくんに「あんなKくん、ここ持ってみ、そんで離すねんで」と教えてもらってからは、本当に嬉しそうで、いたずらっ子の顔を見せてくれました。実はFくんとKくんは似た者同士かもね(笑)Mちゃんも興味津々でみていましたー





 Sくんは新しく学生ボランティアに来てくれたDさんと何やら自ら考案したボールゲームをしていました。



 そのあと、SくんはFくんとスタッフで「妖怪人間ごっこ」へ。しかし、Sくんが机の下に隠れていたところに、Fくんが引き出しを閉めてしまって、Sくんは頭をぶつけてしまいました。「やっちゃった、どうしよう」と小さな声で、相談してくれるFくん。「代わりにあとでSくんに謝っておいてくれへん?」など、解決策を色々と考え抜いた結果、「お手紙でSくんに謝るわ、だから手伝って。」と、教えてくれました。大好きなSくんと仲直りできてよかったねぇ☆




 

 さて、今日は何かと注目を浴びるHちゃんの「秘密基地」について書いてみようと思います。

 ほぼ毎日ぽぽろにやってくるHちゃんは、プレイルームの端っこに「秘密基地」をつくります(写真)。お迎えにくる妹やおばあちゃんから隠れるために考案された「秘密基地」ですが、最近は「秘密基地」をフェイクにして、別のところに隠れるという匠の技を披露しています。さらに「秘密基地」に使われる道具(机とか本棚とか)は日々、増え続けています。



 しかし、この「秘密基地」は、よくケンカのきっかけになったりします。Hちゃんは来所したときからこの「秘密基地」をつくり始めるので、必要な道具を他の子が使っていれば、「あ、ダメ」と取り合いになったり、「秘密基地」が完成しても、「秘密基地」が発する何とも言えない輝かしい魅力から他の子どもがのぞいたり、乗ったりすると、「あ、ダメ、あっち行って!」と言い合いになったりするわけです。



 このHちゃんの「秘密基地」づくりについて、平日からスタッフで議論を重ねてきました。

 「Hちゃんにとってぽぽろに来たら、秘密基地をつくら“なければならない”になっているのではないか」

 「秘密基地をつくりはじめる時間をもっと遅くできれば、他の子とケンカにならないのではないか」

 「他の遊びに熱中することで、秘密基地をつくらない日も出てくるのではないか」

 「秘密基地をつかって、他の子どもも入った遊びに広げられないか」

 
 Hちゃんの「ダメ!貸してあげない!」という姿をどのように捉えるのか、「秘密基地」づくりに隠されたHちゃんの“ねがい”は何なのか、話し合っています。このためにはHちゃんの別のときの様子からヒントを得ることができるのではないかという話にもなりました。

 Hちゃんはときどき移動の際に「おんぶして!」とスタッフにお願いします。このお願いは頑ななもので、おんぶしないと怒ってしまいます。「またHちゃんおんぶなの?自分で歩けるやんか、もー仕方ないなぁ…」などと声をかけていたわけですが、スタッフ同士で「なんであそこまでおんぶしてほしいのか」を考えるため、「おんぶして!」とお願いするときと、そうでないときを比べてみました。

 Hちゃんは「みんなで初めて図書館に行くとき」、「初めてぽぽろに来た子と一緒に公園に行くとき」、「お出かけしたときの帰り道」といったときに「おんぶして!」とお願いしてきます。
 「もしかしたら、おんぶを求めてくるときは、言葉にならない不安な気持ちが出てきているのかもしれない。それなら、おんぶを“わがまま”として受け取らずに、その不安な気持ちを受け止めて、気持ちを言葉にしてあげたらどうやろう。」
 という話になりました。

 Hちゃんの「秘密基地」つくりでのお友達のやり取りを「わがまま」として捉えずに、Hちゃんの「秘密基地」つくりに込められた“ねがい”を探っていきたいと思います。


 ただこの「秘密基地」をきっかけに生まれる「ケンカ」は本当に大切な場面だとスタッフで確認しています。いかに周りのスタッフが子どもたちの「ケンカ」を防いだり、止めたりするかではなく、いかに「ケンカ」した後で、フォローすることができるか。(もちろん、危ない時や力関係などを考えて止めなければならないケンカもたくさんあるけれど…)

 一生懸命にケンカした後の傷ついた気持ちをいたわりながら、悔しい気持ちや怒りの気持ちを言葉にしていくためのサメ[トをする。そして、その後で、ゆっくりと丁寧に「なんで○○くんは怒っているんやろ?」「どうして○○ちゃんは泣いているんだろう」と一緒に考えていく。そんな経験の中で、少しずつ大好きなお友達とのやり取りが広がっていくような気がします。



 まだまだHちゃんの「秘密基地」を通して、色々なストーリーが出てきそうで、これから楽しみです。ちなみに教育人類学という荘厳な感じの学問では、子どもの「秘密基地」をつくる行為は「自立と自治の世界」と呼ばれているそうです(藤本浩之輔『子どものコスモロジー』)。

「自立と自治の世界」…かっこええなぁ…

Fukkyでしたー



Saちゃんと「心のツエ」

2012年12月03日 | 児童デイサービス
アルバイトスタッフFukkyです☆今からたくさん書きます(笑)

 前回の土曜日学童は、支援学校の発表会が重なっており、いつもより少ない人数でプレイルームでのびのび過ごしました。午前中は、ヤングボランティアのAくんが作ってくれたベースを使って野球。Taちゃん、Geちゃんやいつもは仲良く2人でおしゃべりしている高校生のKちゃんとMちゃんも野球に参加していました☆





 午後からは公園へ。公園ではTaちゃんが「鬼ごっこしよう!」と号令をかけて、みんなで真冬の公園を走り回りました。途中で公園に遊びにきていた地域の小学生も「一緒にやる?」と誘って、スタッフも本気で追いかけ、逃げ回りました。久しぶりにボランティアにきてくれたFさんも汗だくになったみたいです(+_+)(笑)どうもあざすm(__)m




 さて、今日の振り返りのミーティングではSaちゃんの最近の様子の変化に話がおよびました。

 これまでSaちゃんは、大好きな「マイメロちゃん」(写真)を耳にあてて、好きな音楽を聴きながら、すべり台や机の上で周りの様子を伺ったり、町でみかける看板などを紙に描いたりして、過ごしていました。ただ、最近様子が変わってきました。スタッフが投げたボールを嬉しそうに別の方向に投げてスタッフの反応を楽しんだり、いきなりプレイルームを飛び出して、スタッフが追いかけてくるのを廊下の端っこで待ったり、公園などでもいきなり出口に向かって走り出したりする姿が増えてきたので、公園ではSaちゃんにスタッフが必ず1人つける必要が出てきました。
ただその一方でその様子は、本当に今まで以上にスタッフとの関わりを楽しんでいて、人との関わりを求めている感じです。



 そんなSaちゃんの変化をスタッフで確認していると、「っていうか、最近Saちゃん“マイメロちゃん”あんまり持ってないよね?」「今日そういえば公園にも持って行ってないですよ。」「お弁当のときもだよね?」
「すごいなぁ……、おーこれ、こないだの白石先生の学習会に出てきた“石運び学習”のやつじゃない!?」と話になりました。





 先日の発達保障学習会で白石先生にお越しいただいたとき、近江学園の「石運び学習と心のツエ」の話がありました。近江学園で常に紐を「心のツエ」として持っている自閉症のウエダくんの話です。(※詳しくは『自閉症の理解と発達保障』pp.201-203)

そもそもSaちゃんにとって「マイメロちゃん」が「心のツエ」なのかどうかわかりません(最近は「マイメロちゃん」以外の音の出る本も耳にあてているし…)
ただ、もしそうならばSaちゃんにとっての「マイメロちゃん」が少しずつ「心のツエ」としての意味を変えてきたのかもしれません。今まではスタッフと一緒にあそぶための「心のツエ」だった「マイメロちゃん」は不要のものとなって、集団あそびに入ろうとするときの「心のツエ」になっているようにみえます。

今日も公園でのブランコもスタッフに押してもらうだけでなく、スタッフと横並びに一緒にブランコに乗り、ぐるぐるまわしてブランコ同士をぶつけたりして素敵な笑顔をみせてくれます。(写真ではちょっとわかりにくい…?)



またスタッフがくすぐり遊びをしようとすると、「バイバイ!!」と突き放してから、それでもスタッフが「Saちゃーん」と声をかけて関わっていくと、笑って本当に楽しそうです。
また、公園から帰って来たSaちゃんに「Saちゃん、本読もか?」と声をかけ、大好きな『3匹ヤギのガラガラドン』を取り出すと、パッと僕の手から取り上げ、一度本棚に戻してしまいました。「あれ、じゃあ、こっちかな?」と別の本をとると、それも戻されてしまいました。何回か別の本で同じことを繰り返したあと、Saちゃん自らの手でもう一度『ガラガラドン』を取り出して、僕に渡してくれました。読み始めると、僕のそばを離れて、机の上から『ガラガラドン』を聞いていました。

そんなSaちゃんですが、その一方でプレイルームで野球をみんなでやっているときは、「マイメロちゃん」(写真では音楽の出る本)を耳にあてながらぐーるぐーるとプレイルームを歩き回っていました。「おもしろそやなー入りたいけどなー…でもどうしよかなぁ…」ってな感じで。



Saちゃんにとって確実に「マイメロちゃん」の意味合いが変わっているような気がします。

スタッフとの関わりがどんどん広がって、「いたずらっ子」の表情をみせてくれるSaちゃん。実際に今日は何度もスタッフの名前を呼ぶSaちゃんがいました。「私、今日はじめて名前呼ばれましたよ!」「これからスタッフだけじゃなく、お友達との関わりもどんどん広がるといいなぁ…そんな遊びをつくっていきたいなぁ…」

 こんな子どもの変化は、本当に僕らの日々の活力です(^_^)/
 調子に乗ってたくさん書きすぎましたーごめんなさい(+o+) 読んでいただいた方は、「それは、こう捉えれるかも」という意見をどしどしお寄せください。

 いやー学童おもろいなぁ…Fukkyでした