大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

ぽぽろはNPO大阪障害者センターの子育て・教育支援部門です。
大阪市鶴見区今津北にあります。

スタッフ研修会(加筆版)

2011年01月31日 | 児童デイサービス
 昨日は第5土曜日で親子療育教室がない日でしたので職員の研修に当てました。アルバイトのMaくんの報告はとっても参考になり、学ぶことがたくさんありました。とても感動しました。彼は卒業して4月から教職に就く予定ですが、ぽぽろの経験が学校から社会への巣立ちの一助になれたのなら幸いです。同じくバイトのWaくんも含めて子どもたちに寄り添えるいい教師になってくださいね。
 また、5~6人の子どもたちの事例が出ていましたが、どれもぽぽろの実践の到達をしめすものばかり。書かずにはおれないというのはこんなことでしょう。
 
 どうもサッカー・アジアカップのせいでしょうか?生活リズムが壊れて「書かずにはおれない」なんて偉そうなことを言いながら筆が折れてしまいました。
 (サッカーの方も延長・後半戦に入って最後はPK戦かなぁ~?なんて思いながら不覚にもウトウトしてしまい、目が覚めたときにはゴールを決めた後で、しばらくは唖然として信じられない思いでした。最後まで戦い抜く粘り強さとチーム一丸の力に敬服!)

 ということで、ぽぽろのMaくんも「控え選手」ならぬアルバイトの立場ですが、見事シュートを決めた!というようなスタッフ顔負けの報告(褒めすぎか?)です。

 Maくんが報告したKくん(自閉症)はぽぽろに来ても学校同様にほとんどしゃべらず、スタッフのKさん(今は産休中)が頼りでピタッとくっついていたり、プレールームを壁に沿ってグルグル回ってばかりしていました。あるスタッフにしつこく叱咤され、顔を真っ赤にしながら聞いていたのが耐えきれず泣き出してしまい、登校拒否ならぬ「不登所」をおこしたこともありました。新しい場所や人に慣れるのに大きなストレスと時間がかかる子どもさんです。家庭では大きな声も出て、1~2語文でお話しているそうです。「笑われる、注目される、注意されることに大きなストレスを感じる」=つまり人間関係の不安が強いと考えられます。

 (Kさんの報告では独り言を言っているときに「何て言ったん?」と聞くと「何で笑ったん?」と聞いてきたり、「公園で遊びたかった。Sちゃんが先に行った。」と怒っているわけを言ったり、小石を投げたら「投げるのやめて!」と返してきたりしたそうです。転んだり、頭をぶつけたりしたら自分に「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせて?いるとか。また、草をむしってKさんの服に投げてくるので「やめて!」と言ったら、少し落ち着いてから「ごめんね」と謝ったそうです。)

 そのKちゃんが今ではMaくんとよくおしゃべりし、一緒に遊べるようになった、ほかのスタッフとの関係も広がりつつあるという話しです。

 Maくんいわく「Kちゃんは指で物の面を叩いて音を出すのが好きなので、最初は私も彼の真似をして指を動かしたり、同じように鳴らしてみたりしました。ブツブツ言っていたら言っているのを真似てみました。」
 「そんな風に彼のすることを真似しているとKちゃんは「僕のことを気にしてくれている」と関心を寄せてくるようになりました。彼の命令に従ってばかりいたわけではありません。Kちゃんに足をかけるなどしてちょっかいも出したり、僕の方からもしかけてみました。僕を探すようになってきたので夏にはプールにも時間をかけて少しずつ入れるようにしてきました。公園では探し物ごっこでKちゃんが隠したものを僕が探します。隠した場所が分かっていても分からんふりをして一生懸命に探します。するとKちゃんは困っている様子を見てニヤニヤしたり嬉しそうです。でも、今は遊具でも遊んでほしいので誘いかけています。家族と公園に行っても遊具には乗らないそうです。ブランコは座るところまでいきました。滑り台はてっぺんまで登れました。」と彼は喜びを大げさに表すことなく「淡々と」報告してくれました。後で言いますが、この「淡々と」というのがKちゃんにはいいのかもしれません。
 そして、こんなやり取りもありました。尿意をもよおしても自分からは行くとは言えないKちゃん。ギリギリまで我慢すると耳たぶが赤くなってきます。しっかりそれを観察できるようになったMaくんは一緒にトイレに行き、トイレを済ませた後に必ず「手を洗えたね」と声をかけるようにしているそうです。するとKちゃんはニッコリ嬉しそうな顔をするそうです。そこである日、わざと「手を洗えたね」と言わないで待っていると彼の方から「手を洗えたよ」と言ってくれたそうです。
 彼は「Kちゃんはいっぱいほめられたいので、ほめてあげてほしい。他の子の活動をじっと見ているので、みんなの中で遊べるようになってほしい。」と結んだのです。

 私は彼の報告が教訓的だとして以下のようにまとめました。①自分を表現するのが苦手な子、大人の意図を過敏に感じ取って引いてしまう子、苦手意識や自信のなさがあり、遊びへのとっかかりが見つからない子へのはたらきかけで大切なことを教えてくれている。②具体的にはとにかくこちらの意図で何かをさせようとするのではなく、何気なく彼のやっていることを真似てみる(この場合彼の指の動き・音、つぶやき)、彼の世界につきあってみることが大切。そこから僕のこと分かってくれている人、安心できる人という関係が生まれる。③信頼関係が芽生えてきたら、少しずつ焦らないで彼が好きな遊びや挑戦したい遊びを主導するように誘いかけること。例えば、探し物ごっこでも、あくまでも隠して探させる方=主役はKちゃんであり、場所が分かっていても困った困った見つからない!と演技も出来なくてはダメ。④大事なことは、ただ好きなことにつきあって受け止めてあげるだけでなく、Maくんとの関係だけにとどめることなく、世界を広げるために楽しい場面やきっかけ、あそびを保障しようと努力することが大切。

 その場では言いませんでしたが、「淡々と」しているように見えるMaくんの対応や表情は、顔や声の変化や表情を読み取るのが苦手なKちゃんにとっては救いではないかなって私は思っています。その点、私は失格かもしれません。先だっては土足で堂々とプレールームを闊歩する子に対して、つい叱るというよりは怒鳴ってしまいました。そして、Kちゃんと目が合ったときに「しまった!!」と感じ、すかさず「Kちゃん、大きい声で怒ってごめんな。Kちゃんのことを怒ったんではないんやで!」と謝りましたが、アトの祭りです。中学生のKさんもそのあとで泣いたみたいで、家に帰って「メガネをかけた人が…」と報告したそうだから、怒られた子にとってもいいはずがありません。この報告を書きながら苦い思い出がよみがえり反省の至りです。

 こんないい話が他にもいっぱい出されました。久しぶりの研修会、楽しかったです。
 きっと産休中のKさん(学習大好き人間で研修担当者でした)はこれを読んで「いいな、いいな!」と思いながら、自らの子育てに重ねて考え、「私の今やるべきことを頑張ります」と遠くから見守っていることでしょう。


あふれるパワー

2011年01月26日 | ノンジャンル
 先週土曜日は相撲で盛り上がりました。(今回はスタッフのHさんからの投稿です。)

バイトのMaくんに向かっていく子どもたち。




 これは工作が得意なTaさん作成のスーパーボールを転がす道です。Geちゃん、Maちゃん、Taちゃんが夢中になり流れていくボールをながめてました。


 男性スタッフ二人と大きな声をあげながらブランコを楽しむKaくん。いつもはUさんとブランコを楽しんでいるKaくん。最初は若いバイトスタッフ二人に対して不安そうでしたが、もう一回乗りたい!とスタッフに伝えるほどおもしろかったようです。



 久しぶりにぽぽろに来てくれたAくん。今日はあふれるパワーを見せてくれました!
相撲ではバイトのMaくんとの真剣勝負に二回も勝ちました。「勝ったぞ~!」と彼の手を持ち上げるとみんなからの大きな拍手が!うれしかったね~。
腕相撲でも勝ちまくったAくん。スタッフからの「負けてくやしいー」の声に、とっても誇らしげな顔でした。公園では汗だくになるまでサッカーをしました。いっぱい遊べてよかったね!また遊ぼうね~meromero2




1/22学童スナップ

2011年01月22日 | ノンジャンル
 22日の学童の一コマです。
 (私は学ぶ作業所の調整会議がありましたので、この投稿はスタッフのTさんからのものです。)

○スーパーボール転がしで次々転がるのが楽しいね。やっていい?いいよ!が暗黙の了解



○まだまだ、凧上げは楽しめる。

○風は冷たいけど暖かい日差しの下、ブランコは爽快


○大好きなおもちゃたちも、一緒にすべってめちゃ嬉しい!


○押して!いいよ!のあうんの呼吸。(これは写真が届いていませんよ。)


日曜日開催!子育て支援教室ご案内

2011年01月21日 | 子育て教室・家族講座
 大阪発達支援センターぽぽろ・障害者支援センターつるみ・地域生活支援センターたんぽぽによる共催(協力:大阪障害児・者を守る会)の「子そだて支援教室」のご案内です。

年間テーマ:「今を大切に! 将来を見通した子育てを考える」

今回のテーマ:「障がい者の性と生・障がいのある子の思春期の性」
       講師:千住 真理子 氏(中学校教員 ぽぽろスタッフ)


 日々の子育ての中で、子ども達の思春期の性の問題について気になったり、心配になったりしたことはありませんか?中学校で支援学級の教育に関わり、障害のある子の性教育などに取り組まれて来られた先生に、子ども達の思春期や豊かな人生と性の問題について、豊富な実践をふまえ、わかりやすくお話ししていただきます。

日時:2011年2月6日(日)午後1時~3時
場所:おおさかパルコープ つるみ店 2階集会室
    大阪市鶴見区横堤5-12-37
参加 無料(要予約)


※ 今回はお父さんや日頃お仕事などで参加できないお母さんにも参加していただけるよう、日曜日に行います。日ごろ感じておられることなどお聞かせいただければと思っています。

 子育て支援教室はたくさんの方に聞いていただきたいということで、生活協同組合おおさかパルコープさんのご協力で、同つるみ店集会室をお借りして月1回行っています。どなたでも参加できます。お電話でご予約ください。
 連絡先・ぽぽろ:電話06‐6964‐0703 FAX6964≠O704


にぎやかな日

2011年01月20日 | ノンジャンル
 今日は一日中にぎやかでした。

 朝からヤンクラ生が8人参加。担当スタッフを入れて11人で会議室は熱気ムンムン。
 今日は新年会でヤングたちだけでタコ焼きと焼きそばと焼き肉用の材料の買い出し。12時頃になるとヤング会長のTさんによる味噌汁の匂いがプ~ンと漂って来てお腹がグ~グ~。ヤング諸君、ごちそうさまでした。
 ヤングといえば、今年の成人のつどいが2月19日(土)午後5時半~に決まりました。ぽぽろのプレールームで行います。今年二十歳の成人はヤングアルバイトのHuさん。4月からは東大阪市の知的障害の方が通われる施設への就職が決まっています。その他に例年のごとくヤングたちのトークも計画されています。詳細が決まり次第、このブログでお知らせします。

 私は「みみずく」さんこと堺(松原)に「学ぶ作業所」をつくる会事務局長のHiさんと打ち合わせ。
 その横でヤングさんのご両親の飛び入り相談が始まりました。
 その内に東大阪市の就学前の方が児童デイのことで飛び入り相談。

 午後からの学童のまたさわがしいこと!やんちゃのし放題。笑い声が絶えません。
 「ガムテープをちょうだい1」と事務所のドアを叩いてしおらしく聞いてきたのはYuちゃん。(ドアをノックしたり、入り口の黄色い線で立ち止まって用事を言うという約束を守る子は少ないもんで…)
 ガムテープを丸めて的当てをしていたかと思えば、ごらんの通り背中やお腹や胸にガムテープで文字を書いて整列!これ何て書いてあんだっけ?
 大騒ぎの学童でした。


 おまけに、Oくんの響きわたる甲高い声。帰り際に帽子をなくしたとかでナガチャンと口(くち)バトル。彼と私は多動同士なので私もすぐに巻き込まれてしまいました。私は「確かに帽子をかぶってきた!」と主張する彼を断固支持!ナガチャンは「これだけ探しても無いんやからかぶってきてない!家にあるにきまっている!」おまけに「こんな人(私のこと)の言うことなんか信じてどうすんねん!」とうるさいこと。帽子が出てきてよかったなぁ!フン!

 今日から(今日だけ?)私は心を入れかえて出勤するなり手帳に毎日「その日にやることメモ」を書くことにしました。朝、「私は毎日やることをメモしないと不安でたまらないタイプ」という連れ合いとの会話に触発されてです。私は不安どころか「アトは野となれ山となれタイプ」。12項目書き終えてサァ~!仕事だと構えた時に、本部のSi氏から電話。この方は必殺仕事人なので毎日やることをギッチリ手帳にメモしている方。オイオイ心を入れかえ、仕事を整理したばかりなのに、人の仕事を増やすなよ!

 彼に頼まれた仕事が今終わって手帳を見ると結局14項目中できたのは8項目。おー半分以上だ!!スゴイ!!と自分で自分をほめてやろう。Si氏に頼まれた横断幕、我ながらよくできた!
 「保育改革でどうなる?障害児の支援」これはシンャWウムの横断幕です。今週の22日(土)です。詳しくは我が大阪障害者センター・大阪障連協のホームページをご参照ください。チラシはこちら

 サァ~帰ろう。Siさん、日にちが変わってから食べる人のメタボ対策には翌日のレモン汁がいいんだって!管理栄養士の「動機づけ」指導によって目標の3キロは減ったかい?他人のことを心配している場合じゃない、日にちが変わらないうちに食べよう。