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集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

馬場管のカルミナ・ブラーナ

2016年02月01日 | 日記
1月16日(土)午後、ミューザ川崎シンフォニーホールまで高田馬場管弦楽団の定期演奏会を聞きに行った。他県まで出かけるのは2013年7月に川口のリリアに行って以来だ。それも今回は有料で3000円もするというのにぜひ見に行きたかったは、カルミナ・ブラーナ生で聞けるからだった。
この曲はもう30年近く前になるが、名古屋の名曲喫茶でたまたま聞き、スピーカーが超大型だったせいもあったのだろうが、曲の「迫力」に驚き、それ以来テープに録音して毎日のように聞いていた時期がある。

ステージをみて驚いた。バイオリンの後方にグランドピアノが2台もあり、その左にチェレスタまであった。また打楽器群も銅鑼やチューブラーベルは曲によりあるが、木琴、鉄琴、さらに資料をみると鐘、鈴、ラチェットまで出てくる。ティンパニーはなんと6台もある。演奏中にみると1人でやるわけではなく2人でたたいていた。どのように演奏するのかと思ったら、1人は1台だけたたいていた。

有名な1曲O Fortuna(おお、運命の女神よ)、2曲Fortune plango vulnera(運命に傷つけられ)だけでなく、5曲Ecce gratum(そら、ご覧!)、7曲Floret silva(光り輝く森)、10曲Were diu werlt alle min(世界中が全て俺の物だったとしても)、11曲Estuans interius(激しい怒りを)、22曲Tempus es iocundum(今こそ愉悦の季節)など好きな曲が次々に出てきた。
生で全曲通しで聞いてみて、楽器編成が大規模というだけでなく、かなり複雑・多様な構成になっていることがよくわかった。オケとピアノ、オケと合唱、合唱も男声、女声、混声がある。テノール、バリトン、ソプラノなどの独唱、さらに児童合唱まで組み合わされている。オケも、ファゴット、フルート、クラリネットなどさまざまな楽器のソロも出てきた。打楽器もティンパニー、サスペンド・シンバル、トライアングル、鈴、ラチェット、タンバリン、カスタネット、大太鼓、小太鼓、シンバル、鐘(チャイム)、銅鑼、木琴、鉄琴と多彩である。

いわゆる西洋音楽のメロディだけでなく、たとえばブルガリアやグルジアなど東欧の民族音楽風のメロディや、ケチャのような掛け合いもあった(たとえば19曲Sipuer cum puellula(もしも若者と若い娘が))。本来はバレーをともなう楽曲だというのだから、まさに綜合芸術である。実際に2014年4月新国立劇場で上演された(振付:デヴィッド・ビントレー)。
なおオルフは幼児音楽教育もやっていて、オルフ楽器というものも作ったとか。

わたくしは森山崇さんの大ファンだが、この日の指揮は横島勝人さん。ところが1曲目の有名な「運命の女神よ」の冒頭、大太鼓の「ドカン」が鳴ったところで気がついた。なんと森山さんが大太鼓をたたいていたのだ。その後も8曲「小間物屋さん、色紅を下さい」の鈴、13曲のスタンドシンバル、20曲のタンブリンなど、要所を締めておられた。この点だけでもわたしにとっては満足できるコンサートになった。

カルミナ・ブラーナ以外に演奏されたのはショスタコーヴィチの交響曲第9番とヴェルディのオペラから合唱曲3曲(「ナブッコ」の「行け、我が思いよ、黄金の翼に乗って」、「椿姫」の「乾杯の歌」、「アイーダ」の凱旋行進曲)とどれもポピュラーな曲で、楽しかった。とくに凱旋行進曲では、会場3階の両端に、馬場管の売り物・トランペット部隊のバンダが各4人そろってみごとだった。女性も2人いたが、ノースリーブの衣装がカッコよかった。オペラの曲はあまり馬場管らしくないのだが、大変楽しい演奏だった。また横島さんが日ごろ指導している合唱団(フロイデ・コーア・ヨコハマ)なので、メリハリがよくきいた合唱指揮だった。
なおプレコンサートとして、「笑顔の向こうに」「しあわせ運べるように(福島バージョン)」の2曲が児童合唱で披露された。

馬場管のコンサートには20年以上通っているが、有料なのははじめて、しかも席が3000円とアマチュアとしては高額なのに3階席のはずれで、「これはないだろう」という席だった。舞台を上から見下ろす感じだった。こんな角度から見たことはなかったが、ただひとつよかったのは、指揮者の指揮台上での動きがよくみえることだった。森山さんの指揮をこの角度から見られればきっと楽しいと思う。

ミューザ川崎シンフォニーホールは2004年7月オープン、約2000席のホールだ。
神奈川県にあるのになぜか東京交響楽団がフランチャイズホールとし、年に5回ほど川崎定期演奏会として利用している。
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