緊急事態宣言が1か月延長された。個人ができる新型コロナの感染予防は、まず三密を避けることだが、もっとも重要なのは運動による体力維持と栄養補給で自分の免疫力を強化することだ。退職後、せっかく週3日体力維持のために運動する習慣がついたので、習慣維持に努めている。しかしジムとプールは相変わらず閉鎖が続いているので、わたしはもっぱら隅田川べりでジョギングをしている。ジョギングのあと、銭湯「月島温泉」につかりその帰りに月島の路地裏にある「げんき」にときどき立ち寄る。「げんき」という店の名前からして体によさそうだ。牛モツが名物だが、フワもある。フワは牛の肺なので、ますます体によさそうだ。
この店は通常15:30-18:30と営業時間の早い店だが、新型コロナのご時勢なので15:00-17:30にさらに早めたとのことだった。都の制限では19時まではアルコール提供OKなのだが、いろいろあるのだろう。その後緊急事態宣言で、臨時休業に入ったが、連休明けに再開してくれたので行ってみた。
店といっても屋外で、右に5席、左に3席ほどだ。屋台のようだがテントのような屋根があるので、雨はしのげるようだった。したがって換気はすこぶるよい。
この店は今年で創業23年目だという。ママさんは、月島生まれの月島育ち。長く場外市場の肉店で働いていたとのことで、それで牛肉の知識があるのだろう。また中央区のことはたいへん詳しい。
こんなに営業時間を早くしているのは魚河岸で働く客が多いからかと思ったが、たしかに初めはそうだったが、2018年10月に市場が豊洲に移転し魚河岸関係の客は減ったとのこと。こういうところにも移転の影響は大きく表れている。ただいい店なので、コロナにもめげず通ってくれる常連さん中心で回っているようだった。
稼働時間帯も早いので、コロナはあまり影響がないかと思ったが、テイクアウトの客がずいぶん減ったとのことだった。
文字どおり「げんき」が出る牛モツとコンニャク
メニューは、シンプルだ。中心となる牛モツ、軟骨、フワが1本各170円、とうふ、コンニャク、卵が110円、にんにく丸焼き、はんぺん、おしんこが各330円、小松菜おひたし、イカ丸焼きが各300円、さかな焼き物で、さば特大500円、いわし丸4本で450円、かます400円、さんまめんたい450円、さんま丸干440円、目刺し400円、つゆかけごはん220円、ニラヤッコ330円などだ。牛モツ、軟骨、フワ、とうふ、コンニャク、卵のセット「モヤさまバージョン」(780円)もある。その他、日替わりの特別料理があることもある。わたしが行った日はイカとお揚げ、もやし、シメジの炒めものでおいしかった(たぶん300円)。酒は、角ハイボール400円、ワンカップ(白鹿220ml 燗酒も常温もあり)330円の2種類のみ。ビール・焼酎は持ち込みOKだが2本までというルールがある。
なお、おでんだが、辛子はなく、この店は一味のみ、それが関東の伝統のようだ。
月島名物の路地。奥のほうの黄色いのぼりが店の目印
「げんき」という店名は、新型コロナ時代にじつにぴったりなのだが、どうしてこの名になったのか聞いてみようと思った。たまたまママさんが忙しい時間帯で、創業以来来られている常連の方が、「つる子さん(ママさん)がいつも元気だから」と答えてくださった。別の常連さんは「本当は『現金屋』にしたかったが、それでは露骨なので」という。これは酒席の冗談の一種かもしれない。どちらにせよ、この状況下では元気が出る店だ。逆にコロナのたぬき・小池都知事の顔をテレビでみると「疫病神」そのものの顔にみえてくる。
「新 酒場入門」の該当ページが掲示されていた。黒木ユタカさんのイラストがこの店の雰囲気をじつによくとらえている
この店はじつは有名な店だそうで2019年1月の「モヤモヤさまぁ~ず2」(テレビ東京)放映から「バージョン」というメニューができたほか、「ヒルナンデス!」(日本テレビ 18年5月)、「噂の!東京マガジン」(TBS 19年10月)などさまざまなテレビや雑誌の取材を受け、常連さんが出演したこともあるそうだ。
窓の上の部分に、写真や絵が掲示されている。うち1点は「新 酒場入門」(黒木ユタカ・絵/小宮山雄飛・文 マイナビ出版2017年2月 176ページ)のこの店の紹介ページだ。また女優の夏帆さんの取材雑誌が貼ってあった。
常連中心だが、早い時間だからか、わたしのように風呂上りの高齢者もいれば、意外なことにフリーランスの若い人もいる。女性客やカップルもいる。また自転車に押して客の背中側の路地を抜ける、持ち帰りの若い奥さんもいる。ママさんが話好きのせいもあるのだろうが、だれでも話の輪に加えてもらえる。古くからのなじみの店の雰囲気に溶け込んだ気になれる、いい店だ。
かつ平のヒレカツライス
☆タンパク質補給という点では、築地6丁目のかつ平もいい店だ。中心のメニューはヒレカツライス1100円、ロースカツライス1200円のふたつ、それ以外にエビフライライスとカツカレー、酒のつまみが4-5種類ある。飲み物はビールと酒。
カウンター6席、4人掛けテーブル2つの小さい店だ。ふつうは2代目のマスターと妹さん、お母さんの3人でやっている。たまに奥方が入ることもある。かつては亡くなったお父さんがやっておられた。食べログによれば、創業1963年というので、60年近い歴史をもつ。マスターは、町内活動や消防団活動もされているので、なじみ客が多い。またマスターご自身が築地・明石町・月島などのことをよく調べておられる。脇で聞いていても地域のことでいろいろ勉強になる。基本的には定食屋さんだが、話がはずむことが多い。
そういう点で、この店の売りは料理とマスターの人柄だ。電話予約して持ち帰りする客も結構多い。
☆「不要不急の外出を控える」「接触機会80%減」というフレーズが大手を振って歩き、わたしたちの行動を制限する。しかし「不要不急」の基準は人により違う。たとえば好きな人と会うとか、ピアノの個人レッスンに通うことが何より重要という人もいる。「接触機会80%減」といわれても、どこでどのように計測しているのか、大手携帯会社の調査というが、スマホを持ち歩かない人やGPSを切っている人もいるだろうし正確さはどのように担保されるのか、そもそも人出と接触度とは違うのではないのか、など疑問がわく。また個人では調整しがたい。たとえば銀座の人通りは少ないが、それでも警官、建設工事関係者、金融関係者、公務員、医療関係者など、休みたくても休めない人(現場での勤務を「強制」されている人)だけでも2割くらいいるようにも思う。するとわたしのような一般市民は(もちろん三密を避けたとしても)いっさい近づくな、ということになってしまう。
こうした新型コロナの緊急事態宣言下の矛盾や問題点については、別途、取り扱ってみたい。
●アンダーラインの語句にはリンクを貼ってあります。
この店は通常15:30-18:30と営業時間の早い店だが、新型コロナのご時勢なので15:00-17:30にさらに早めたとのことだった。都の制限では19時まではアルコール提供OKなのだが、いろいろあるのだろう。その後緊急事態宣言で、臨時休業に入ったが、連休明けに再開してくれたので行ってみた。
店といっても屋外で、右に5席、左に3席ほどだ。屋台のようだがテントのような屋根があるので、雨はしのげるようだった。したがって換気はすこぶるよい。
この店は今年で創業23年目だという。ママさんは、月島生まれの月島育ち。長く場外市場の肉店で働いていたとのことで、それで牛肉の知識があるのだろう。また中央区のことはたいへん詳しい。
こんなに営業時間を早くしているのは魚河岸で働く客が多いからかと思ったが、たしかに初めはそうだったが、2018年10月に市場が豊洲に移転し魚河岸関係の客は減ったとのこと。こういうところにも移転の影響は大きく表れている。ただいい店なので、コロナにもめげず通ってくれる常連さん中心で回っているようだった。
稼働時間帯も早いので、コロナはあまり影響がないかと思ったが、テイクアウトの客がずいぶん減ったとのことだった。
文字どおり「げんき」が出る牛モツとコンニャク
メニューは、シンプルだ。中心となる牛モツ、軟骨、フワが1本各170円、とうふ、コンニャク、卵が110円、にんにく丸焼き、はんぺん、おしんこが各330円、小松菜おひたし、イカ丸焼きが各300円、さかな焼き物で、さば特大500円、いわし丸4本で450円、かます400円、さんまめんたい450円、さんま丸干440円、目刺し400円、つゆかけごはん220円、ニラヤッコ330円などだ。牛モツ、軟骨、フワ、とうふ、コンニャク、卵のセット「モヤさまバージョン」(780円)もある。その他、日替わりの特別料理があることもある。わたしが行った日はイカとお揚げ、もやし、シメジの炒めものでおいしかった(たぶん300円)。酒は、角ハイボール400円、ワンカップ(白鹿220ml 燗酒も常温もあり)330円の2種類のみ。ビール・焼酎は持ち込みOKだが2本までというルールがある。
なお、おでんだが、辛子はなく、この店は一味のみ、それが関東の伝統のようだ。
月島名物の路地。奥のほうの黄色いのぼりが店の目印
「げんき」という店名は、新型コロナ時代にじつにぴったりなのだが、どうしてこの名になったのか聞いてみようと思った。たまたまママさんが忙しい時間帯で、創業以来来られている常連の方が、「つる子さん(ママさん)がいつも元気だから」と答えてくださった。別の常連さんは「本当は『現金屋』にしたかったが、それでは露骨なので」という。これは酒席の冗談の一種かもしれない。どちらにせよ、この状況下では元気が出る店だ。逆にコロナのたぬき・小池都知事の顔をテレビでみると「疫病神」そのものの顔にみえてくる。
「新 酒場入門」の該当ページが掲示されていた。黒木ユタカさんのイラストがこの店の雰囲気をじつによくとらえている
この店はじつは有名な店だそうで2019年1月の「モヤモヤさまぁ~ず2」(テレビ東京)放映から「バージョン」というメニューができたほか、「ヒルナンデス!」(日本テレビ 18年5月)、「噂の!東京マガジン」(TBS 19年10月)などさまざまなテレビや雑誌の取材を受け、常連さんが出演したこともあるそうだ。
窓の上の部分に、写真や絵が掲示されている。うち1点は「新 酒場入門」(黒木ユタカ・絵/小宮山雄飛・文 マイナビ出版2017年2月 176ページ)のこの店の紹介ページだ。また女優の夏帆さんの取材雑誌が貼ってあった。
常連中心だが、早い時間だからか、わたしのように風呂上りの高齢者もいれば、意外なことにフリーランスの若い人もいる。女性客やカップルもいる。また自転車に押して客の背中側の路地を抜ける、持ち帰りの若い奥さんもいる。ママさんが話好きのせいもあるのだろうが、だれでも話の輪に加えてもらえる。古くからのなじみの店の雰囲気に溶け込んだ気になれる、いい店だ。
かつ平のヒレカツライス
☆タンパク質補給という点では、築地6丁目のかつ平もいい店だ。中心のメニューはヒレカツライス1100円、ロースカツライス1200円のふたつ、それ以外にエビフライライスとカツカレー、酒のつまみが4-5種類ある。飲み物はビールと酒。
カウンター6席、4人掛けテーブル2つの小さい店だ。ふつうは2代目のマスターと妹さん、お母さんの3人でやっている。たまに奥方が入ることもある。かつては亡くなったお父さんがやっておられた。食べログによれば、創業1963年というので、60年近い歴史をもつ。マスターは、町内活動や消防団活動もされているので、なじみ客が多い。またマスターご自身が築地・明石町・月島などのことをよく調べておられる。脇で聞いていても地域のことでいろいろ勉強になる。基本的には定食屋さんだが、話がはずむことが多い。
そういう点で、この店の売りは料理とマスターの人柄だ。電話予約して持ち帰りする客も結構多い。
☆「不要不急の外出を控える」「接触機会80%減」というフレーズが大手を振って歩き、わたしたちの行動を制限する。しかし「不要不急」の基準は人により違う。たとえば好きな人と会うとか、ピアノの個人レッスンに通うことが何より重要という人もいる。「接触機会80%減」といわれても、どこでどのように計測しているのか、大手携帯会社の調査というが、スマホを持ち歩かない人やGPSを切っている人もいるだろうし正確さはどのように担保されるのか、そもそも人出と接触度とは違うのではないのか、など疑問がわく。また個人では調整しがたい。たとえば銀座の人通りは少ないが、それでも警官、建設工事関係者、金融関係者、公務員、医療関係者など、休みたくても休めない人(現場での勤務を「強制」されている人)だけでも2割くらいいるようにも思う。するとわたしのような一般市民は(もちろん三密を避けたとしても)いっさい近づくな、ということになってしまう。
こうした新型コロナの緊急事態宣言下の矛盾や問題点については、別途、取り扱ってみたい。
●アンダーラインの語句にはリンクを貼ってあります。