平成30年の冬の大雪のメカニズムを気象庁や大学の気象研究者が纏めていた。その異常気象の原因はやはり太平洋の海温の上昇ラニャーヤ現象で、気流の変化がもたらしたと言う事を図解していた。
天候の状況
平成30年冬は、日本付近に強い寒気が流れ込むことが多かったため、全国的に気温が低くなりました。特に西日本の平均気温平年差は-1.2℃で、平均気温平年差-2.1℃を記録した1986年冬(1985年12月~1986年2月)以降の32年間では最も寒い冬となりました。
寒気のピーク時には大雪となった所もあり、日本海側を中心に多くの地点で最深積雪が平年を上回りました。気象庁で積雪を観測している321地点中、17地点で過去の年最深積雪の記録(タイ記録を含む)を更新しました。
今冬の天候をもたらした要因
今冬、日本に低温や大雪をもたらした要因は以下のとおりです。
・今冬、日本付近に強い寒気が流れ込むことが多かった要因としては、大気上層を流れる亜熱帯ジェット気流と寒帯前線ジェット気流が、日本付近では南に蛇行するとともに、冬型の気圧配置が強まったことが考えられます。
・亜熱帯ジェット気流が日本付近で南に蛇行した一因として、ラニーニャ現象の影響により、インドネシア付近の積雲対流活動が平年よりも活発だったことが考えられます。また、大西洋上空のジェット気流の持続的な蛇行の影響も考えられます。
・寒帯前線ジェット気流が日本付近で南に蛇行した一因として、ユーラシア大陸北部の寒帯前線ジェット気流の大きな蛇行により、大気上層の極うずが分裂して、東シベリアから日本の北方に南下したことが考えられます。
・ユーラシア大陸北部の寒帯前線ジェット気流の大きな蛇行の要因として、大西洋上空のジェット気流の持続的な蛇行や、バレンツ・カラ海(ロシア北西海上)付近の平年と比べて海氷がかなり少ない影響も考えられます。
平成30年冬の平均的な大気の流れに関する模式図
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