PLANET LULU GALAXY!

ルルの日記

ルル、大江健三郎を読む

2005-12-02 14:28:39 | 
23歳の時、頭が良くなりたいと思って、大江健三郎を読み続けた。
小説を書こうと思っていたので、難しそうな小説の構造が、どうなっているのか、学びたかったのだ。
かなりの数を読んだはずなのに、「死者の奢り」の屍体のうかぶプールの情景と「我らの狂気を生き延びる道を教えよ」に出てくる、交通事故死した実在のハリウッド女優ジェーン・マンスフィールドがモデルだと思われる、肉体派女優のペネロープ・マンダリン(肉体派にぴったりのいかにもこぼれおちそうな名前デスネ)の存在しか覚えていない。読書のしかたが間違ってたのかも。しかし、新潮文庫の大江健三郎の本って、字が小さすぎて読みにくかったなぁ・・・。わざわざあんな小さな文字にする理由ってなんなんだろう?

この前ブックオフで、10代の頃から集めた文庫本を大量に売りました。しかし7000円くらいにしかならなかったのがかなしい・・・。
読書って疲れた。もうしばらくの間、本は読みたくない。もともと頭の良くない私は、論理で作品を理解するということができないので、ずっと、“共感”という方法で本を読んできました。
ドストエフスキーの「地下生活者の手記」を読んでは、地下室の住人になりきり、カフカの「変身」を読んでは、毒虫になった気になり、カミュの「異邦人」を読んでは、母親が死んでも何も感じず、太陽がまぶしかったからアラブ人を殺す主人公の気持ちをわかろうと努力する・・・。比喩とか隠喩とか、メタファーとかアイロニーとかがぜんぜんわからなかったのだ。ぜんぶ真に受けてしまった・・。そんな感じなので、読書し続けるのは死ぬる思いでした。髪の毛が真っ白になりそうだった。そんな地獄めぐりして、よく生還したと思う。
そう思えば、ある意味強靭な精神の持ち主だといえるのかな。私。

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