現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

TAP2004(白山商店街編)

2004-11-21 | アート感想@関東
さらに引き続き、「取手リ・サイクリングアートプロジェクト2004(TAP2004)」。

キリンビール取手工場から水戸街道を走り、白山商店街へ。作品を取手駅側から順に紹介。

弘経寺の長い参道の入口には、マエノマサキ『言葉の露店』。これは、観客が好きな言葉を紙に墨で書き、それを屋台に掲示するというもの。色んな言葉が並んでいて面白い。私も一字書いてみたけど、やっぱり習字は苦手。

クリーニング店では、ヤストモ飾案『福笑い街道~店主の顔ってどんな顔?~』のワークショップの真っ最中。これは、デジカメで撮った自分の写真で福笑いを作るというもの。幼稚園~小学校低学年の子供たちで盛り上がっていた。この雰囲気では、大人はちょっと参加できないかも。

TAPインフォカフェの隣には、小山田徹『取手蛍輪』ピット。「競輪」ならぬ「蛍輪」は、自転車のライトによる「輝き」の風情を競うというもの。27日(土)のレースに向けて車両製作の真っ最中。全部で9チームが参加するらしいが、作家本人の蛍輪自転車(写真)を含めて、まだ2台しか完成していないらしい。大丈夫か?

その斜め向かいの家では、狩野哲郎『発芽―雑草』。これは、畳を土代わりにして雑草を育てるというもの。薄暗い部屋の中で、雑草だけライトアップされている姿は、神秘的な雰囲気さえ漂わせていた。

さらに進むと、「すいちゃん」を連れて歩いていた荒蒔綾子『COMPOST HORSE・COMPOST HOUSE』のドキュメント展示。きれいな絵と文字で分かりやすい。

そして金刀比羅神社にて、鈴木淳『もろ、もろもろ、もろもろ』より『コンピラさんに、いらっしゃい』。この作家は数多くの作品をTAP2004に出展しているが、ここの作品が私のお気に入り。神社の施設に施したイタズラのようなインスタレーションは、よく許可してもらったものだと感心。

スタンプもワークショップ以外は全部集まったので、東口のインフォメーションセンターに戻り、記念品と交換。レンタサイクルも返却。楽しい1日だった。

全国各地でアートイベントが開催されるようになっているが、ここ取手は6年と歴史があるためか、地元住民がスタッフや観客として参加している姿を多く見かけた。よそと比べると地域に受け入れられている感じ。あと、インフォメーションや作品設置箇所でのスタッフの対応も良く、彼らとのコミュニケーションも非常に楽しかった。11月28日まで。TAP塾日記にも作品紹介あり。

TAP2004(平田五郎、椿昇編)

2004-11-21 | アート感想@関東
引き続き、「取手リ・サイクリングアートプロジェクト2004(TAP2004)」

レンタサイクルで芸大通りを東へ。途中で歩道が狭くなったり、坂があったりしたけど、10分弱で平田五郎邸に到着。そこは、普通の平屋建ての借家だった。後で聞いたが、家賃2万円とのこと。

台所にて、前のお客さんが観終わるのを待ち、いよいよ『Mind Space―となりの部屋』に入室。

高さ1m、幅35cmの入口から中に入ると、白いロウの壁に囲まれた空間で、あたり一面シロ、白、しろ!距離感が掴めなくて、狭いはずの部屋がずいぶん広く感じられた。そして、ロウの壁を通してぼんやりと入ってくる自然光。日が陰ったときの光の表情の美しいこと!!

現実を忘れてしまうような素晴らしい体験だった。この作品は、TAP2004でいちばんのオススメ!!ちなみに、夜は人工光で違う表情を見せるらしい。

平田五郎邸を後にし、さらに東へ進むと、見渡す限りの田んぼが広がる。東京からそんなに離れていないのに、こんな風景が見られるとは驚き。そんなところに椿忍術研究所はあった。

ここでは、椿昇の『RADIKAL CARBON』プロジェクトが進行中。これは、水質汚染に悩むバングラディシュの人々に、竹炭を使った「ろ過」方法を絵本で伝えようというもの。日本らしく「忍者」をキャラクターに用いていて、竹炭を作る窯の名も「服部窯蔵」(写真)だったり。この窯で作った竹炭や、忍者Tシャツ・手ぬぐいなどの売り上げを絵本製作資金にするとのこと。私もTシャツを1着購入。

その後、キリンビール取手工場に立ち寄り、作品を鑑賞。中島洋和の『ポンプライン』で実際にポンプを漕いでみたり。

続く

TAP2004(取手駅周辺編)

2004-11-21 | アート感想@関東
「取手リ・サイクリングアートプロジェクト2004(TAP2004)」に行ってきた。これは、市民・取手市・東京藝術大学が中心となって毎年開催しているプロジェクトで、今年で6年目。参加作家は11組で、そのうち高嶺格・平田五郎・小山田徹・椿昇の4名が招待作家。

まず、取手駅東口のショッピングプラザ前のインフォメーションセンターで、ガイドマップを入手。このガイドマップはスタンプラリーの用紙にもなっている。

ショッピングプラザ内の作品で特に印象に残ったのは、昭衝YUKARIの『パコ計画』。これはカスタネットに光センサーがついていて、手をかざすと音が鳴るというもの。幅の狭い通路にいくつものカスタネットが仕掛けてあって、そこ通るとパコパコ鳴って面白い。

表に出ると、荒蒔綾子の『COMPOST HORSE・COMPOST HOUSE』のパフォーマンスの最中だった(写真)。これは、作家が仔馬の「すいちゃん」を引き連れ、「すいちゃん」のエサになる草を刈ったり、「すいちゃん」のフンを回収して堆肥を作ったりするもの。カワイイ「すいちゃん」は、どこへ行っても子供たちのアイドルだった。

時間の都合で渡し舟は諦め、高嶺格の『取手の風景』が展示されている取手駅東西連絡通路へ。これは、作家が取手に滞在した際に撮影した一連の写真。どの写真もセンスが感じられるんだけど、ちょっと大人しいかな。一番左の作品は演出っぽいし……。高嶺格ってことで期待しすぎた私が悪かったのかも。

そして、インフォメーションセンターに戻り、カラフルなレンタサイクル(無料)を借りて、平田五郎邸と椿忍術研究所方面へ!

続く