P印良品

気の向いた時にその日聴いてたCDやら最近観た映画やらを取り上げてソレについてアレやコレやと…

Cozmic Cat "The House That Jack Built"

2022-02-06 23:22:52 | Music
今回は、今日行き当たって おぉ!ってなったサンプルネタの話をば。
てので、早速

Cozmic Cat "The House That Jack Built" (2020年)
bandcampで試聴・購入出来ます。
について。

コチラ、トロント在住のDJ・プロデューサー、Cozmic Catの手による 快活なテックハウスで、
アレサ・フランクリンの楽曲の冒頭からのサンプルが使われています。

<引用元>
Aretha Franklin "The House That Jack Built" (1968年)


この声ネタが、アップリフティングに打ち鳴らされるシンセと相まって イイ作用をもたらしているなー
と。
元々は サンプリングネタを意識する事のない内に 気に入って買ってあったのですが、
いざ元ネタを知ると、こんなハウスのアイコニックなワード、「Jack」に直結な声ネタ
だったら さぞ色んな曲で使われているだろう、という方面にも興味が向きました。
というので WhoSampledで調べてみたら 思いの外そうでもなかったです。
ハウス文脈だと Samuel L Sessionが2015年に使ったの位しか出て来ず。意外ー。


Chez Damier "Can You Feel It (Dazzle Drums Remix)"

2022-02-04 18:10:41 | Music_Producer:Chez Damier
明けて 1ヶ月ちょい経っていて今更ですが… 今年もよろしくお願いします。
さて、2021年最初の記事で取り上げるのは、1月にリリースされた、Dazzle Drumsが手掛けた
Chez Damierのデトロイト期の名曲のリミックス。

Chez Damier "Can You Feel It (Dazzle Drums Remix)" (2022年)
bandcampで試聴・購入出来ます。

※クレジットにChez Damierの名前はないですが、カバーとかではないと思います。
尚、原曲について触れた過去記事もあるので ソチラもよろしければ。



原曲のシンセのリフ、声ネタを使っていて、"Can You Feel It"なんだけど、各種パーカッションの
絶妙な配置具合、暑すぎない温度感、そして程よいエレクトリック感は Dazzle Drumsの音、な
仕上がりでスゴくイイです。がっぷり四つなリミックス仕事は良いものですね。

ではでは…!!

【レコード紹介#113】Sweater On Polo "Minding The Madness EP"

2021-12-23 19:23:35 | Music
今日から月曜日までクリスマス休暇です。てので 久々で更新をば。
当地の現状は、感染拡大で 再度の規制強化が始まり、昨年末みたいなロックダウン措置はないものの
年末年始は不要不急な外出は避けて お籠りで過ごすより他ない感じです。来年こそ収束して欲しい、と
願うばかりです。願わくば 早くに。

さて、今回は 先月に購入したレコードに関する記事です。

Sweater On Polo "Minding The Madness EP" (2021年)

こちら、Basement Floor RecordsというNYのレーベルからリリースされた作品。
同じレーベルから出たので 欲しいのがあって、併せて購入しましたが、こっちも大分イケてるな、
てので今回ご紹介。お目当の方のについても 近々。
Sweater On Poloなるアーティストについては、詳しい情報に行き当たれず… で今作が2枚目というコト
の他は分からないです。
本作には、黎明期のハウスに回帰した感のある、ドラムマシーンの野太い音に焦点の当たった4つの
楽曲が収録されています。RawでLo-Fiな鳴りと フランジャーをかけてウネらせる手法が 通底して
ある楽曲の中で、レイドバック感のある B2"1 U I O"が個人的に特にイイな、と。
穏やかーな感じが、他の曲のフリーキー度合いの高さと、イイ塩梅の対比になっているんですよね。
その分 より印象深いです。
全曲 Soundcloudに上がっているので、是非地チェックしてみて下さい。



ではでは…!!

Paul Johnson "The Dancefloor"

2021-08-06 19:52:10 | Music
今月4日に シカゴハウスの第2世代として台頭し、以来 幅広な作風でヒット作、良作を作り続けた Paul Johnsonが
この世を 去りました。Covid-19への感染によって 彼に死が訪れたとのコトで、残念でなりません。
自分にとって思い入れのあるプロデューサー/DJなので、大分ショックを受けてます。
Paul Johnsonの作品について、は しんみりした気持ちで書くモンじゃないよ、もっと早くに取り上げておくんだった…
となりながら、氏が今年発表した楽曲をご紹介。

Paul Johnson "The Dancefloor" (2021年)



TR-909で組んだ感のあるクラシカルなビートを抜き差しによって展開させつつ、TB-303めいたベースラインを
程よくウネらせた、オールドスクール感のあるアシッドハウス。少し暗いトーンの、(多分) 自身のヴォーカルを
載せているのが 良いアクセントになってます。アシッド具合が控えめなコトで、どちらかと言えば渋イイ路線の
楽曲になっているので、今の心情で聴くのには フィットしているかな、と。
以上、悲報に触れた自分の気持ちとの相性から、と 両脚の自由を失いながら、クラブミュージックに貢献し続けた
氏への哀悼の意から、Paul Johnsonの音楽が今後も鳴る(べき)場所、"The Dancefloor"を取り上げました。
ではでは…!!

Stardust "Music Sounds Better With You (Drop Out Orchestra Rework)"

2021-07-06 21:00:34 | Music
オンタリオに限らず、当地では コレまで経済再開を試みる度 目に見えてリバウンドしてましたが、
今回は ワクチン接種が進んでいるのの甲斐があって、制限措置を緩和しても また締めざるを得なくなるのは
無さそうかなー と期待を込めて見ています。
自分でも2回目の接種が済んだので、然るべき期間が経ったら 諸々滞ったり、今は止めておこう、と
後回しにしてたののキャッチアップをしに行こうと思います。
…それにしても、既に2021年も後半戦か。早いね。

さて、あっちゅう間で過ぎて行った 今年の上半期ですが、その中の重大ニュースとして、ダフト・パンクの
解散(活動終了)が挙げられます。
本人達は多くを語らずに、『Epilogue』という動画を配信して解散を示唆したため、背景は推し量るより
他ないですが、この先 余程のことがない限りは、ダフト・パンクが自ら作品を発表する事はない、
というのは 残念というか、寂しい感じがします。
願わくば、いつかダフト・パンクから自由になったがゆえの何か、が世に出るとイイな、と。
(現在のビッグ・ネームぶりと比べたら 全然ですが) ダフト・パンクの看板が 重くなってきてた時期に
Thomas Bangalter、Guy-Manuel de Homem-ChristoのそれぞれがRoule、Crydamoureという
レーベルをやったのみたく、解散後に各々が 好きな事をしがらみなくヤって、ソレが流通する、とか
…無いか。少なくとも 90年代の終わり〜00年代初頭には 彼らにはサイド・プロジェクトが必要でしたが、
今も、かは 分からないですね。

なんか 歯切れが悪い感じになってますが、最後に トマこと Thomas Bangalterの手によるサイド・プロジェクト期の
作品をご紹介。元のは 皆んな知ってるでしょ、てので ブートなバージョンを取り上げます。

Stardust "Music Sounds Better With You (Drop Out Orchestra Rework)" (2019年)



Stardustは、トマがAlan Braxe、 Benjamin Diamondと組んだユニット。 Stardustとしてアルバムを、
との破格のオファーがメジャーから出されるも、結果 1998年に出たこの作品限りの活動となりました。
Chaka Khanの"Fate"を下敷きにして作ったトラックに、 Benjaminの歌を切り貼りして載せた楽曲、
と 言葉では単純に言い表せるものの、鳴り方が魔法じみてるんですよね。
スウェーデンのDrop Out Orchestraが手掛けたバージョンでは、 異なる音色を使いつつ 再現度が高い
トラックにBenjaminの歌を載せていて、原曲の雰囲気を損なわず、イイ匙加減でちょっと違う、という
着地にしていて好印象です。

Lissat & Voltaxx vs Marc Fisher "Groovejet"

2021-06-02 20:00:25 | Music
先日、用事のついで、でThe famous OWL of Minervaという韓国料理のチェーン店に寄って
一推しのカムジャタンをテイクアウトしました。美味しかった です。



さて、今回は 私めが書いていたもう1つのブログ、P印100選で 以前に取り上げた

Jerome Robins"Groovejet (If This Ain't Love)"

に関連して その前日譚的な作品に行き当たったので ソチラのご紹介。

Lissat & Voltaxx vs Marc Fisher "Groovejet" (2013年)

独のプロデューサーチーム Milk & Sugarが主宰するレーベル、Milk & Sugar Recordingsから
配信オンリーでリリースされた本作は、当地のDJ・プロデューサーチーム Lissat & Voltaxxが
Marc Fisher(彼については殆ど情報が出て来ず、でした)と組んで作った Spillerの楽曲の
カバー作品。
原曲は 2000年に英のPositiva Recordsからリリースされてヒットした歌モノハウスで、
そちらに倣って Carol Williamsの"Love Is You"をネタ使いしたオリジナルと、3つのリミックスが
収録されています。
リミックスの内の1つは、Jerome Robins(ら)が手掛けていて、コレの5年後に自身でも カバー
するとか、どんだけ"Groovejet"好きなんだよ、ってなりました。どっちもイイ出来だけども。
そんなJerome Robinsと共作したコトのある(過去記事)、仏の2人組DJ・プロデューサーの
Hazzaroもリミックスを提供していて、コチラでは Modjo"Lady (Hear Me Tonight)"を
引用(※)して "Groovejet"に組み合わせるという、なんともズルいアプローチが採られてます。
こんなんされたら、コレを優勝させざるを得ない です。



※: "Lady"と同ネタのChic "Soup for One"をサンプリング、の方が正確かもです。

Arara "Patience Isnt Jazz"

2021-05-31 20:20:28 | Music
先週末に Covid-19のワクチン接種を受けました。当地では 今月で一気に18歳以上の成人の接種が進み、
それに伴い 制限措置が緩和される見通しが立ってきました。過度に急いては良くないですが、ようやく
出口が見えてきた気がします。



さて、今回は 前回のBlackchild "Groove Dealer"と近しい感じ、な 生楽器のサンプルを取り入れた
テックハウスをご紹介。薄っすらテッキーなディープハウスの方がしっくり来るかもです。コッチは。

Arara "Patience Isnt Jazz"

英のリバプールのレーベル、Etoka Logueから2010年に配信オンリーで発売された作品。
Araraは、ギリシア出身のDJ・プロデューサーで、今作には 彼と同郷のFogの他、Muy Locoと
Keintonがリミックスで参加。カっチリした4つ打ちのボトムに生楽器のサンプルを組み合わせて、
展開の手数の多さで じんわり盛り上げて行くオリジナル、同路線のFogによるバージョン、
エレクトリック感を増したKeintonとどれもイイ出来ですが、ブレイクビーツを取り入れてより
ファンキーに仕上げたMuy Locoのが個人的にベスト(なので、記事に埋め込むのはコチラに
しました)。


【レコード紹介#112】Blackchild "Groove Dealer EP"

2021-05-08 17:00:11 | Music
早いもので、カナダに来て3年が経ちました。
Covid-19のパンデミック下で過ごした駐在3年目は、平日は ほぼ完全にテレワークなのと、
休日は昨年のクリスマスシーズン以来、行き先が ほぼない、という状況で、平坦な日々を
過ごしてる内にがいつのまにか過ぎて行った感じです…。

さて、今回は 東京で暮らしていた頃に比べてレコ屋へのアクセスが宜しくないのと、
この状況が相まってかなりご無沙汰になっていましたが、先日 長らくぶりで新譜のレコードを
買ったので、ソチラのご紹介。
CIUTというトロントにあるラジオ局が、Moving in the right directionというテクノ〜ハウスを
取り上げる番組を 木曜日の朝に放送していて、その中で紹介されていて 大分気になった曲が入った
レコードをイギリスから取り寄せました(送料込みで3千円也)。

Blackchild "Groove Dealer EP" (2021年)



Blackchildはイタリア人のプロデューサーで、今作が初のフィジカルでのリリースの模様。
収録された3曲とも、生楽器のサンプルを取り入れたテックハウスで、中でもSide-Aの
"Groove Dealer"は ビートのフィルインだったり、この曲を特徴づけているBoney M. "Sunny"から
引用したフレーズだったり、が 上手くアクセントになったイイ出来になっています。
どことなく、シカゴ勢の手によるジャッキンなハウスを想起させる音ながら、暑苦しくない
仕上がりなのも好印象。コレは良作です。

Peven Everett ‎"Stuck (Phil Asher's Soul Heaven Ver.)"

2021-01-26 20:17:40 | Music
遅れ馳せ、本年もよろしくお願いします。
世間はそんなじゃないのを承知で 新年一発目は景気イイのを、と思いながら書かずに過ごしている間に、
ソレは一旦傍にやって書かなきゃ、なコトに行き当たったので、今回はソチラを。

先週に、西ロン(ドン)の首領(ドン)ことPhil Asherが亡くなったとの報せがありました。
20才台の中頃に、彼のWell madeなイイ仕事ぶりにすっかりやられていた身としては、彼が50才でこの世を
去ったコトに対しての喪失感がスゴくて、改めて氏のクラブミュージックへの貢献っぷりを振り返っては
惜しいよ、早いよ、との思いに駆られています。
自分的には 2000ゼロ年代のPhil Asherにばかり耳が行っていたので、その前・後をもう少し掘り下げよう、
という気も(あと、このタイミングが良いのか、との迷いも)ありますが、今回は 個人的な哀悼の意として、
自分のPhil Asher大好き期の仕事を取り上げたいと思います。

Peven Everett‎"Stuck"(2006年)



英の名門、Defectedの傘下にあるレーベル、Soul Heavenからリリースされた、シカゴのシンガー
Peven Everettの作品に、Phil Asherが生音系のバージョンを提供しています。原曲の雰囲気、
ソウルが溢れ出した感を損なわずに ハウスミュージックとしての機能性を増したremixで、
元のがイイのも相まって、堪らない仕上がりです。
コチラ含め、数々のイイ仕事を ありがとうございました。

Dennis Ferrer"Hey Hey(Riva Starr Paradise Garage Club mix)"

2020-12-03 20:45:57 | Music
一昨日、Netflixに上がったのを機に、日本での公開時に観たの以来 7年超ぶりで"The Hangover Part 3"を
観ました。
観終わってから、そう言えばこの映画についての感想書いてたな…というのを思い出して 当該記事を
探して当時の感想を振り返ったのを含めて 楽しかったです。
何かと書き残しておくと、本人の後のお楽しみにもなるのね、と改めて。

さて、ココからが本題で、今回も 配信経由で聴いた作品を紹介する記事です。

Dennis Ferrer"Hey Hey(Riva Starr Paradise Garage Club mix)" (2010年/2020年)



米のDennis Ferrerによる2009年のヒット作、"Hey Hey"を Riva Starrがリミックスしたのが
今年 Defected Recordsからリリースされました。
臆面なく Donna Summer"I Feel Love"を模したトラックと、Shingai Shoniwaによるヴォーカルの
相性がドンピシャ、なイイ仕上がり。
ソウルフルな歌と エレクトリックなトラックの組み合わせの妙が魅力のオリジナルに対して、
ディスコに先祖返り、なアプローチでリミックス、という手は大いにアリだな、と。
コチラのバージョン、実は 最近に作られたモノではなく、2010年にデンマークのdisco:waxという
レーベルからのプロモ盤(CD-R)にのみ収録、その後10年に渡って一般には売り出されなかった
という経緯があります。確かに この出来は、埋もれたままにするのは惜し過ぎました ね。
そりゃ、Defected Recordsも次のようなコメントを動画に付けるよね。

Now, ten years since it was first produced, Riva Starr’s Paradise Garage Remix of the track
finally sees the light of day, after acting as a secret weapon for so long.

Twitter aka_ABE_DQN