田中 宇 クレディスイス潰れたら欧州崩壊や米欧分裂2023年3月19日
より抜粋引用
クレディスイス(CS)はUBSに併合されたらもう安泰なのだろうか??。CSは昨年9-12月に1105億フランの預金が流出した。その後はもっと流出しているだろう。先週スイス当局が500億フランの穴埋め資金を融資したが、それで足りるはずがない。CSは流出を抑えるため、大口預金の金利を7%まで引き上げたがそれでも流出している。7%の利払いに必要な儲けをどうやって出すのか。難題は今後も残る。CSが潰れた場合、取引相手として巨額の損失を被る銀行の多くは中小でなく大手だ。SVBは中小銀行の危機だが、CSは大手銀行の危機だ。米欧金融界のすべてが危機に瀕している。
ウクライナ開戦後、世界は米国側(先進諸国)と非米側(露中BRICS途上諸国)に決定的に分裂している。今回の金融危機は、米国側に壊滅的な大打撃を与える半面、非米側への影響は少ない。クレディスイスはアジアでも事業拡大してきたが、非米側の雄である中国は数年前から金融バブルを積極的に潰しており、これから米欧の金融危機が中国に波及しても米欧に比べて大した被害を被らない。サウジなどアラブ産油国もクレディスイスとの取引が多いが、アラブは今後の世界経済の非米化で繁栄するので、それと差し引きすると得るものの方が大きい。中長期的に、、金融危機は米国側だけを破壊し、米覇権の衰退を加速する。
今回の金融危機は、欧米で政治危機につながっていきそうだ。打撃は米国より欧州が強く受ける(米国は政治危機というより内戦に向かっている)。欧州は、新型コロナと温暖化の超愚策(都市閉鎖や化石燃料の使用制限)による経済自滅、ウクライナ戦争の対露制裁の反動による資源類の高騰と不足などにより、すでに経済がかなり弱体化して不況がひどくなっている。今後はそこに金融危機が加わり、欧州の経済難がぐんと悪化する。クレディスイスがあっさり潰れたら、欧州経済は劇的に崩壊する。クレディスイスが合併策で延命したら、欧州経済の崩壊は時間をかけて進む。経済崩壊が速いか遅いかの違いだけだ。これは金融バブル崩壊であり、崩壊したら元に戻らない。
ロシア敵視やコロナやウクライナのウソを信じ込まされた挙げ句、欧州人の多くは生活が大幅に悪化した。今後はそこに金融崩壊によるリーマン危機以上の経済悪化が加わる。フランスではマクロン大統領が年金受給開始年齢の引き上げ策を何とか実現しようと、議会の反対を無視して大統領権限で決定を強行したので人々が激怒し、大規模な反対運動・反政府運動が起きている。欧州人はすでにかなり怒っている。今後はそこに金融破綻による経済難が加わり、怒りが加速する。この状態がひどくなると、ウクライナ戦争をやめてロシアと和平すべきだと主張する政治勢力が欧州各国で強まり、その政党が選挙で勝って政権交代になり、ウクライナ戦争から欧州が離脱していく。西欧のハンガリー化が起きる。欧州が対米自立して米国との同盟関係を解消していき、NATOが解体する。
米覇権がいよいよ終わるので、日韓は協力して対米自立していかざるを得なくなり、昔の戦争プロパガンダに起因する「戦争責任」の喧嘩をやめることにした。もうすぐ米覇権が終わって露中が台頭するので、国際刑事裁判所が最後っ屁みたいなプーチンの逮捕状を発行した。米金融の崩壊が近いので、黒田の日銀はゼロ金利策をやめずに延長した。などなど。今の金融危機で、米覇権の衰退がさらに加速する。米国側はウクライナ戦争を続けられなくなり、欧州人が激怒して対米従属のエリート支配体制を打ち破り、欧州が対米従属をやめて対露和解していき、NATOが機能を停止する。CSがすぐに潰れればそれが早回しされる。UBSによる合併で延命したら、この転換は少しゆっくり進む。私は今、そんな風に分析している。
より抜粋引用
クレディスイス(CS)はUBSに併合されたらもう安泰なのだろうか??。CSは昨年9-12月に1105億フランの預金が流出した。その後はもっと流出しているだろう。先週スイス当局が500億フランの穴埋め資金を融資したが、それで足りるはずがない。CSは流出を抑えるため、大口預金の金利を7%まで引き上げたがそれでも流出している。7%の利払いに必要な儲けをどうやって出すのか。難題は今後も残る。CSが潰れた場合、取引相手として巨額の損失を被る銀行の多くは中小でなく大手だ。SVBは中小銀行の危機だが、CSは大手銀行の危機だ。米欧金融界のすべてが危機に瀕している。
ウクライナ開戦後、世界は米国側(先進諸国)と非米側(露中BRICS途上諸国)に決定的に分裂している。今回の金融危機は、米国側に壊滅的な大打撃を与える半面、非米側への影響は少ない。クレディスイスはアジアでも事業拡大してきたが、非米側の雄である中国は数年前から金融バブルを積極的に潰しており、これから米欧の金融危機が中国に波及しても米欧に比べて大した被害を被らない。サウジなどアラブ産油国もクレディスイスとの取引が多いが、アラブは今後の世界経済の非米化で繁栄するので、それと差し引きすると得るものの方が大きい。中長期的に、、金融危機は米国側だけを破壊し、米覇権の衰退を加速する。
今回の金融危機は、欧米で政治危機につながっていきそうだ。打撃は米国より欧州が強く受ける(米国は政治危機というより内戦に向かっている)。欧州は、新型コロナと温暖化の超愚策(都市閉鎖や化石燃料の使用制限)による経済自滅、ウクライナ戦争の対露制裁の反動による資源類の高騰と不足などにより、すでに経済がかなり弱体化して不況がひどくなっている。今後はそこに金融危機が加わり、欧州の経済難がぐんと悪化する。クレディスイスがあっさり潰れたら、欧州経済は劇的に崩壊する。クレディスイスが合併策で延命したら、欧州経済の崩壊は時間をかけて進む。経済崩壊が速いか遅いかの違いだけだ。これは金融バブル崩壊であり、崩壊したら元に戻らない。
ロシア敵視やコロナやウクライナのウソを信じ込まされた挙げ句、欧州人の多くは生活が大幅に悪化した。今後はそこに金融崩壊によるリーマン危機以上の経済悪化が加わる。フランスではマクロン大統領が年金受給開始年齢の引き上げ策を何とか実現しようと、議会の反対を無視して大統領権限で決定を強行したので人々が激怒し、大規模な反対運動・反政府運動が起きている。欧州人はすでにかなり怒っている。今後はそこに金融破綻による経済難が加わり、怒りが加速する。この状態がひどくなると、ウクライナ戦争をやめてロシアと和平すべきだと主張する政治勢力が欧州各国で強まり、その政党が選挙で勝って政権交代になり、ウクライナ戦争から欧州が離脱していく。西欧のハンガリー化が起きる。欧州が対米自立して米国との同盟関係を解消していき、NATOが解体する。
米覇権がいよいよ終わるので、日韓は協力して対米自立していかざるを得なくなり、昔の戦争プロパガンダに起因する「戦争責任」の喧嘩をやめることにした。もうすぐ米覇権が終わって露中が台頭するので、国際刑事裁判所が最後っ屁みたいなプーチンの逮捕状を発行した。米金融の崩壊が近いので、黒田の日銀はゼロ金利策をやめずに延長した。などなど。今の金融危機で、米覇権の衰退がさらに加速する。米国側はウクライナ戦争を続けられなくなり、欧州人が激怒して対米従属のエリート支配体制を打ち破り、欧州が対米従属をやめて対露和解していき、NATOが機能を停止する。CSがすぐに潰れればそれが早回しされる。UBSによる合併で延命したら、この転換は少しゆっくり進む。私は今、そんな風に分析している。