八国山だより

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「ゆとり教育」転換見送り

2006-02-15 04:22:29 | 教育
【記事】Sankei Web 2006/02/14
「ゆとり教育」転換見送り 中教審部会、現行指導要領を堅持

文部科学相の諮問機関、中央教育審議会の教育課程部会は十三日、学習指導要領の見直しに関するこれまでの審議経過報告を了承した。学力低下への国民の不安が高まるなかでの審議だったが、現行の学習指導要領の理念を今後も堅持すると明記、ゆとり教育路線からの抜本的な転換は事実上、見送られた。存廃を含めて見直しが諮問されていた総合学習も今後、改善充実を図る方向で「ゆとり教育」「学力低下」に対する国民の不安を払拭(ふっしょく)するにはほど遠い内容となっている。

報告書では全面実施から四年が経過した現行の学習指導要領下の児童生徒の学習状況について「読解力の低下、学習習慣や意欲が不十分、規範意識の低下なども提起されている」「基礎基本的な知識、技能や自ら学び考える力を育成する狙いが必ずしも十分に達成できていない」などと記述した。

しかし、その一方でこうした状況は「指導要領の基本的な狙いについて各学校や国民への周知が不十分だったことが一因」などと、指導要領自体に非があるわけではないと分析。「児童生徒の興味関心を重視するあまり、教師が必要適切な指導を実施せず、教育的な効果が上がっていない」などと、指導要領への国民の周知不足や教師側の誤解に問題があるとの認識を示した。

報告書は「現行の学習指導要領の基本的な考え方は今後も維持すべきだ」と、指導要領そのものを肯定的に評価する立場を貫いている。

学習量を削減した問題点や施策としての是非などに記述は割かれず、学力向上策について具体性に乏しい内容となっている。

授業時数については「全教科の基本」(国語)「科学技術の土台」(理数)として「充実を図ることが必要」としながらも「授業時間数も具体的に検討する必要がある」と具体的な記述は今後に先送りされた。

「ゆとり教育」を象徴する総合学習も、はじめは存廃も含めた審議が諮問されたが、結局は「総合学習の必要性や重要性について共通理解が得られた」とし、今後、充実させるため、改善策や支援策を講じていく記述となった。

家庭や地域の教育力を向上させる狙いで導入された学校五日制も「狙いが必ずしも十分に達成されていない状況もみられる」としたが「学校週五日制は国の仕組みとして(今後も)維持すべきだとの意見が大勢だった」と結論付けた。

また、小学校での英語教育は「充実する必要がある」としたが、引き続き議論、検討するとして教科に取り入れるかどうかなどの明確な方向性は出なかった。

【コメント】
だめだ、こりゃ。 ┐(’~`;)┌

せっかく「ゆとり」教育というゆるみ教育が転換されるかと期待していたのに。

「教師が必要適切な指導を実施せず」?
息子の担任は2学期間で100冊読書を課し、毎週800字の作文で作文力の指導など努力しているよ。それでも1人で40人の生徒すべてにきめ細かなフォローなど物理的に無理だ。会社で考えても40人の部下すべてを掌握できる人間っているのか。しかも相手は大人ではなく基礎の習得が必要な子供。
すべてが息子の担任のような先生ばかりとは言わないが、これは個人の問題ではない。システムの問題だ。基礎の反復練習の絶対的な時間が不足している。

蔭山先生は成功された。だが、それは蔭山先生の能力あってのことだろう。個人の能力に依存して機能するシステムというのはおかしい。誰がやってもそれなりの成果を上げられるシステムこそが正常なシステムだ。

また蔭山先生のやり方は母親が常にいることを前提している(ように思える)が、今や2人に1人は働く主婦であり「常に」ということはない。低収入化が進めば働きに出ざるを得ない主婦はさらに増えることも考えられる。

フランスでは1クラス20人でも多いと文句がでるのに、日本では2倍もすぐれた指導方法が教授されているとでも言うのだろうか。

学校週五日制を維持すれば、学校で教えてもらえるのは最小限のことであり、上の学校に進もうと思えば自分(家庭)で努力するしかないだろう。塾なり通信教育なりで。こうした産業はこれからも発展し続けることだろう。お馬鹿な中教審委員様のおかげで。

英語教育だって、現場を知らない大学の教授じゃなくて実際に生業としている人の意見を聞いてくれ。鳥飼久美子さん(今はどっかの大学教授だが)、井上一馬さん、否定的だよ。
自分もそう思う。日本語の豊かな使い手になるのが先。多くの日本人が長年英語を習っていて話せないのは必要がないから。必要に迫られれば誰だって話せるようになる、どんなに英語が苦手なものだって。そういう人間を実際に見てきている、かつて勤めた会社で。


青島刑事ではないがこう言ってやりたい。

事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!