京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の39時間」

2018-07-16 08:59:14 | 時計修理

㋆16日月曜日 祇園祭り宵山。
午後一時から会所の当番なので工房は午前中だけの営業になります。
先日の大雨災害で水没時計が集まってきました。
地方から祇園祭観光のお客様の依頼と混ざって忙しい時間になりました。

今朝、冷凍庫で凍らせた時計を取りだして分解して水分を抜く作業が今日の仕事の予定。
冷凍庫で水分を凍らせて錆をとります。
雨がしみ込んだ匂いも止まるので一つ一つ取りだすのがコツ!
ボンボン掛時計の修理依頼が相変わらず多いが工房では腕時計専門なので一般のお客さんからの依頼はお断りしています。

水没した時計は39時間以内に処理をします。それ以降、クオーツ時計の場合は機械を交換する以外にない。水没なら2万円。
機械式腕時計の場合は部品点数が多いので価格の安い時計でも自動巻の場合3万円ほどかかります。
雨が降ったら時計を腕から外しましょう。

バレル(香箱)にも当然水分を抜いておかないとゼンマイが切れる。
また巻き芯が真っ赤に錆びていることも多く錆を剥がすと簡単に折れる場合分解掃除後にメーカー送付します。こうなると最悪!
とにかくガラスが曇ったら冷凍庫保管をお勧めします。

G-SHOCKの場合気温差により風防が曇ることが多いのでそれほどナーバスになることはない。
冬場のスキー場、夏場の冷房が効いたビアガーデンでの風防の曇りは当たり前。これは故障ではない。
デジタル時計の場合水に強いのが特徴です。災害救助で実力を発揮する時計なのでボランティアの皆さんにお勧め!

今日は祇園祭宵山。会所へはセイコー・クレドールをつけていきます。京都のお祭なので当然国産時計のトップをチョイス。
お祭見物の皆さんの手元を見学できるのがうれしい。
スタンプラリーで山鉾まわりにチャレンジする人は汗にご注意。
自宅へ戻った際に連れて行った時計のメンテナンスをお願いします。

写真のカルティエ金属バンドの場合は軽く歯ブラシを使って裏面の水分、ゴミをとっておきます。
酸性の汗は時計には大敵。
あすの巡行、お祭が終わるとまた水没時計と格闘が待っています。
これから39時間皆さんの時計がご無事でありますようにお祈りしております。
今日はお昼までの営業。お早めにお越しくだされ~。





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